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新幹線に MacBookAir を置き忘れた件(ハゲ総毛立ち)

2012年7月 6日(金) 11:51:37

今週の月曜は、「Big Tent:自然災害と IT 活用に関する国際会議」に出席するために仙台へ行き、その夜は「助けあいジャパン 情報レンジャー」の会合で宮城県の方や河北新報の方と飲み、その後ひとりで国分町に流れて「森羅万象」でおいしいスコッチとかを飲んだりしたですね。

で、一泊して朝イチの新幹線で東京に向かったです。

10時40分から学習院大学で「プレゼンテーション演習」の講義があり、その日は「ソーシャルメディアをどう捉えるのか」という講義の予定だったですよ。「いまはプレゼンはスピーチ内容だけではなく、普段の個の発信や関係性を背景としたコンテクストと共に聴かれるのである」ということで、ソーシャルメディアをしっかり理解してプレゼンに活かしてもらうという授業予定だったわけ。

で、新幹線車内でシコシコと講義スライドを完成させていったです。
そして、図表や動画を入れて完成させ、そのまま横の座席に MacBookAir を置き、夢の世界へ突入したわけです。

♪東京、東京です

遠くからアナウンスが聞こえてきて「ハッ!」と飛び起きたらもう周りに人があまりいない。
急いで降りました。着いたのは9時51分。まぁ授業には余裕で間に合うな、ということで、東西線まで歩き、大手町から乗って高田馬場へ。馬場から山手線に乗り換えるときにふと「あそこのスライドをこうしたらもっとわかりやすくなるな」とか思いついて山手線のホームのベンチで鞄を開いたわけです。

な・・・・

そのときの衝撃たるや!

ボクはハゲですよ。
ハゲですが、総毛立ったわけですよ!

というか、「あ・れ・に・ぜ・ん・ぶ・は・い・っ・て・い・る・!」

大リーグボール1号をなんの前触れもなく花形に打たれた星飛雄馬のように、走馬燈のようにいろいろな日々が浮かびました。まぁ確かにクラウドにもかなり入ってますよ。でも、講義用のスライドやいま作っている企画書など、クラウド化してないものも多いわけです。

ああああ。
というか、あと20分で講義が始まる。どうしよー。

すぐ東京駅遺失物係に電話しました。
救いは、東京駅が終点で、ボクはほぼ最後に降りたこと。清掃の人が見つけている可能性がある。

出て来たのはのんびりしたオッチャン。
そのオッチャンに「9時51分着のはやて12号の○号車の○番C席の座席に置き忘れた」ということを具体的に説明したら、なんかいろいろ問い合わせてくれてます。あぁ授業が始まるよー。

「あー、たぶん、これですねー。ここに報告が上がっています。○号車の○番C席ね。何色ですか? 銀色。リンゴマーク。はい、ありました」

は、早い・・・なくしてから20分強。きちんと情報連携がとれている。そしてこのオッチャン、落ち着いて確実に仕事してくれた・・・

で、この係のオッチャンがとても親切でいっしょに喜んでくれたですよ。

「よかったねー、パソコンなくしたら大変だからねー。ええと、じゃ、あとで東京駅の八重洲北口の遺失物係を訪ねてくださいね。どこからいらっしゃいます? あ、目白から? なら、うしろに乗って、たぶん10号車あたりに乗るといいですね。降りたら階段降りて、北口改札で場所を聞いてください。よかったですねー。ではでは」

ちょっと感動。
日々、物をなくしてちょっとイライラしている人たちの応対をしているだろうに、なんて親切なんだ・・・

つか、誰も盗らず、すぐ出てくるところ、日本はやっぱりすごいなぁ、と。

で、すぐに取りに行ったら授業が出来ないので、まずは目白の学習院に向かい、その日はマックなしで授業することにしたですね。
生徒たちに正直になくしたことを伝え、来週やるはずの「個の発信をしよう」というテーマを今週に持ってきて、板書しまくりで講義をしました。かなり気合いを入れたので逆にいい授業になったかもしれない。

それはともかく遺失物係ブラボー!

授業後、ボクはおいしいおせんべいを買い求め、東京駅遺失物係にお土産として持って行ったです。

そしたら遺失物係のオッチャンもまた喜んで、「あー、みんなで食べます、ありがとうね、ありがとう」と最大の笑顔。

なんか、なくしたのはとんでもない事件だったけど、誰も盗らなかったことや、すぐ見つかったその体制のすごさ、係のオッチャンの応対の素晴らしさや笑顔なんかに触れ、逆に気持ちのいい午後になったわけです。


ちなみに、この話をすると、最後のところで引っかかる方がいるですね。

「係の人は仕事でやっている。普通に遺失物係の仕事をしただけじゃん。それは運賃などの中に含まれている当然のサービス。なんでお土産なんか持って行くのかわからん」みたいな。

いや、仕事をしているのも、人間だから。

あなたとネット上でつながっている友人がたまたまその遺失物係かもしれない。いくつかのつながりの向こうにいる普通の人間。サービス・ロボットではない。そのサービスやプロダクトの向こうに「人間」がいるわけです。当たり前だけど。

ソーシャルメディア時代は、もっとその辺の感覚が身近になり、我々日本人が江戸時代にやっていた普通のこと(感謝の気持ちを何かで表現するとか、手土産という文化とか)が元に戻ってくるんじゃないかと思っているけど、なんというか、「うれしかったら、それを表す。伝える」って大事だと思うなぁ。

もちろん言葉で「ありがとう」というだけでもいいと思う。ボクはなんとなくおせんべいをさしあげたくなっただけ。

そういうことです。

ということで、ハゲ総毛立ちの一部始終でしたw

さてと、関西出張に行ってきます。
今日は忘れないようにしないと!

佐藤尚之(さとなお)

佐藤尚之

佐藤尚之(さとなお)

コミュニケーション・ディレクター

(株)ツナグ代表。(株)4th代表。
復興庁復興推進参与。一般社団法人「助けあいジャパン」代表理事。
大阪芸術大学客員教授。やってみなはれ佐治敬三賞審査員。
花火師。

1961年東京生まれ。1985年(株)電通入社。コピーライター、CMプランナー、ウェブ・ディレクターを経て、コミュニケーション・デザイナーとしてキャンペーン全体を構築する仕事に従事。2011年に独立し(株)ツナグ設立。

現在は広告コミュニケーションの仕事の他に、「さとなおオープンラボ」や「さとなおリレー塾」「4th(コミュニティ)」などを主宰。講演は年100本ペース。
「スラムダンク一億冊感謝キャンペーン」でのJIAAグランプリなど受賞多数。

本名での著書に「明日の広告」(アスキー新書)、「明日のコミュニケーション」(アスキー新書)、「明日のプランニング」(講談社現代新書)。最新刊は「ファンベース」(ちくま新書)。

“さとなお”の名前で「うまひゃひゃさぬきうどん」(コスモの本、光文社文庫)、「胃袋で感じた沖縄」(コスモの本)、「沖縄やぎ地獄」(角川文庫)、「さとなおの自腹で満足」(コスモの本)、「人生ピロピロ」(角川文庫)、「沖縄上手な旅ごはん」(文藝春秋)、「極楽おいしい二泊三日」(文藝春秋)、「ジバラン」(日経BP社)などの著書がある。

東京出身。東京大森在住。横浜(保土ケ谷)、苦楽園・夙川・芦屋などにも住む。
仕事・講演・執筆などのお問い合わせは、satonao310@gmail.com まで。

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