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不寛容と闘わない寛容

2012年4月 5日(木) 16:09:18

ひとつ前だかの週刊文春で、福岡伸一先生が、フランス文学者の渡辺一夫の著書「寛容について」から、こんな文章を紹介していた。

寛容が自らを守るために、不寛容を打倒すると称して、不寛容になった実例をしばしば見出すことができる。しかし、それだからと言って、寛容は、自らを守るために不寛容に対して不寛容になってよいという筈はない。
ただ一つ心配なことは、手っとり早く、容易であり、壮烈であり、男らしいように見える不寛容のほうが、忍苦を要し、困難で、卑怯にも見え、女々しく思われる寛容よりも、はるかに魅力があり、「詩的」でもあり、生甲斐をも感じさせる場合も多いということである。あたかも戦争のほうが、平和よりも楽であると同じように。

たまたまであるが、寛容と不寛容について、深く考える機会を得ている。

寛容であれ、フェアであれ、と、自分を成長させてきたつもりではあるが、寛容を守るために不寛容になる、フェアを守るためにアンフェアになる、みたいな間違いもたくさんしてきているなぁとつくづく思う。

そんなとき、昔お仕事でご一緒させていただいたことのあるアートディレクターの長友啓典さんの言葉を毎日新聞で知った。

もう、なんというか、天真爛漫な人格者としか言い様がない方なのだが、彼は3つの「呪文」を人生の指針にしているそうだ。

「まあ、ええやないか」
「やってやろうやないの」
「なんとかなるわ」

あぁ、これだな。そう思った。

不寛容と闘わない寛容。そこに突破口があるんだな。

さてと。
自分の井戸深く、沈降してきます。

佐藤尚之(さとなお)

佐藤尚之

佐藤尚之(さとなお)

コミュニケーション・ディレクター

(株)ツナグ代表。(株)4th代表。
復興庁復興推進参与。一般社団法人「助けあいジャパン」代表理事。
大阪芸術大学客員教授。やってみなはれ佐治敬三賞審査員。
花火師。

1961年東京生まれ。1985年(株)電通入社。コピーライター、CMプランナー、ウェブ・ディレクターを経て、コミュニケーション・デザイナーとしてキャンペーン全体を構築する仕事に従事。2011年に独立し(株)ツナグ設立。

現在は広告コミュニケーションの仕事の他に、「さとなおオープンラボ」や「さとなおリレー塾」「4th(コミュニティ)」などを主宰。講演は年100本ペース。
「スラムダンク一億冊感謝キャンペーン」でのJIAAグランプリなど受賞多数。

本名での著書に「明日の広告」(アスキー新書)、「明日のコミュニケーション」(アスキー新書)、「明日のプランニング」(講談社現代新書)。最新刊は「ファンベース」(ちくま新書)。

“さとなお”の名前で「うまひゃひゃさぬきうどん」(コスモの本、光文社文庫)、「胃袋で感じた沖縄」(コスモの本)、「沖縄やぎ地獄」(角川文庫)、「さとなおの自腹で満足」(コスモの本)、「人生ピロピロ」(角川文庫)、「沖縄上手な旅ごはん」(文藝春秋)、「極楽おいしい二泊三日」(文藝春秋)、「ジバラン」(日経BP社)などの著書がある。

東京出身。東京大森在住。横浜(保土ケ谷)、苦楽園・夙川・芦屋などにも住む。
仕事・講演・執筆などのお問い合わせは、satonao310@gmail.com まで。

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