コンセプトと要件定義

2011年6月 6日(月) 7:11:39

昨日の日曜は「助けあいジャパン」の今後について話し合うために、各パートのリーダーたち4人が集まり会議をした。14時すぎから19時すぎまで集中して。

うち3人(ボクを含む)が広告制作畑で、1人がシステム開発畑である。
で、ボクが今後の考え方について「コンセプト」の紙を作っていき、それを叩き台にみなで議論を進めたのだが、なんだか少しずつ噛み合わない。一度話が合ったと思ったら、また後で食い違う。ううむ…。特にシステム開発畑の1人がどうにも納得できない顔をしている。

どこだろう。どこですれ違っているのだろう…。
なんとなく迷宮入りしそうな雰囲気になってきたところで、あることが判明した。言葉の定義というか「思考のアプローチが全然違う」のである!

そういえばそうだった。前にもこういうことがあった。この「助けあいジャパン」はいろんな分野の人がボランタリーに集まっている。主に広告制作畑的アプローチしか知らないボクとは育ちも文化もまったく違う人もたくさんいる。なので、前も同じようなすれ違いがあった。あぁオレって学習しないなぁ…。もしくは「25年間の広告制作畑での思考訓練」がそれだけ自分にこびりついているということか。

つまりどういうことかというと、広告制作畑の人間が「コンセプト」と呼んでいるものは、システム開発畑の人にとっては「要件定義」に機能が近いのだけど、これが似ても似つかないものなのである。

広告制作における「コンセプト」とは「広告表現を作っていく過程において、伝えたいコアを絞ってスタンスを明確にし、そこを基点に表現を広げていくもの」だ。対して要件定義は「システムやソフトウェアの開発において、どのような機能が要求され、実装されるべきなのかを明確に絞っていく作業」である。

コンセプトは、絞って、そこから広げる。
要件定義は、絞って、そこから狭める。

と、ボクは理解したのだけど、違うかな(まだ要件定義を理解してないかもw)

ボクも広告においてウェブサイトを数多く作ってきた。
いままで齟齬が出なかったのは、広告関係者が考える「コンセプト」をシステム開発関係者の誰かが「要件定義」に翻訳してくれていた、ということだと思う。きっと発注側としてすごい無理な要求(彼らからは理解不能な要求)をたくさんしていたんだろうなぁ。申し訳なかったなぁ。

逆に言うと、広告サイト制作においてシステム開発畑の人が主張していることが、広告制作畑のボクには「狭すぎる」「不自由すぎる」と思うことがたくさんあったことも思い出した。物事の構築の仕方が違うんだもの、そりゃ仕方がない。

まぁ広告制作とシステム開発では役割が違うので、無理に合わせる必要もないんだけど、でももっと要件定義的な発想を自分に組み込まないといけない・・・

ということで、相変わらず学ぶことだらけ。
ソーシャルな世界での組織運営のやり方についても日々試行錯誤している。落ち込むことだらけだ。嗚呼。

佐藤尚之(さとなお)

佐藤尚之

佐藤尚之(さとなお)

コミュニケーション・ディレクター

(株)ツナグ代表。(株)4th代表。
復興庁復興推進参与。一般社団法人「助けあいジャパン」代表理事。
大阪芸術大学客員教授。やってみなはれ佐治敬三賞審査員。
花火師。

1961年東京生まれ。1985年(株)電通入社。コピーライター、CMプランナー、ウェブ・ディレクターを経て、コミュニケーション・デザイナーとしてキャンペーン全体を構築する仕事に従事。2011年に独立し(株)ツナグ設立。

現在は広告コミュニケーションの仕事の他に、「さとなおオープンラボ」や「さとなおリレー塾」「4th(コミュニティ)」などを主宰。講演は年100本ペース。
「スラムダンク一億冊感謝キャンペーン」でのJIAAグランプリなど受賞多数。

本名での著書に「明日の広告」(アスキー新書)、「明日のコミュニケーション」(アスキー新書)、「明日のプランニング」(講談社現代新書)。最新刊は「ファンベース」(ちくま新書)。

“さとなお”の名前で「うまひゃひゃさぬきうどん」(コスモの本、光文社文庫)、「胃袋で感じた沖縄」(コスモの本)、「沖縄やぎ地獄」(角川文庫)、「さとなおの自腹で満足」(コスモの本)、「人生ピロピロ」(角川文庫)、「沖縄上手な旅ごはん」(文藝春秋)、「極楽おいしい二泊三日」(文藝春秋)、「ジバラン」(日経BP社)などの著書がある。

東京出身。東京大森在住。横浜(保土ケ谷)、苦楽園・夙川・芦屋などにも住む。
仕事・講演・執筆などのお問い合わせは、satonao310@gmail.com まで。

アーカイブ

同カテゴリーの他記事