関与する生活者とコミュニケーションする方法

2011年5月13日(金) 17:19:36

そろそろ仕事も始めないとね、ということで、講演などから手始めに受け始めたが、ちょうど世の中的に震災後の活動の検証時期に来ているようで、いろんなオファーが入り始め、あっという間に週5本ペースになった。

ソーシャルメディアと絡めての講演が多い。
ボクも震災前と震災後でソーシャルメディアについての考え方が変わったので(震災前に本を出版しなくて良かったw)、この辺の講演をキッカケにして考えを深める作業に入っている。

講演というアウトプットのために真剣に考えることは、インプットを呼び、考えを深めることができる。
このサイクルにスムーズに入ることができたのが良かったなぁ。おかげでようやく「明日の広告」の次の本の姿形(内容的に)が見えてきた。その姿形は震災前に書いていたもの(80%完成してた)とはわりと違う。レッサーパンダとジャイアントパンダくらいは違う。

震災で、ソーシャルメディアを外から語っていただけの人が大勢見えてしまったけど、ソーシャルメディアは外から語るものではなく、自ら関与するもの。その辺の捉え方がずいぶん変わった。

なんというか、ソーシャルメディアって「関与する(コミットする)タイプの人がつながることができるプラットフォーム」なのだと思う。そこに当事者意識が生まれ、社会が実際に動いていく。ソーシャルメディアの一番の意味はそこにあると思う。通信手段として優秀だったとか、ゆるくつながるとか、対話がどうとかよりもずっと。

もちろんブログ時代も、関与する生活者はいた。
でもそれは限られたインフルエンサーたちだけだった。大半の人は「私、ブログで発信するなんてとてもできない」と受け手に回った。この構図はマスメディアからのトップダウンと大きくは違わない。「関与したいけど発信しない人」が大勢いたのである。

でもソーシャルメディアでは、たとえばRTも「いいね!」も「私はこれ、いいと思う」という「発信」となる。つまり「関与したいけど発信できない人」が簡単に発信する手段を得た。そして関与する(したい)生活者が大勢つながった。当事者意識同士がつながり、他人事が自分事になり、社会が実際に動き始めた。

この「関与する生活者」が集まる装置こそがソーシャルメディアだ。
そう捉え直したとき、ボクの中でずいぶんといろんなものが整理されはじめた。


本「明日の広告」では「変化した消費者とコミュニケーションする方法」という副題をつけた。
それをなぞると、たぶん次の本は「関与する生活者とコミュニケーションする方法」みたいなことになると思う。

SIPSで無意識に捉え直そうとしたのも「関与する生活者」の行動なのだと今は思う。そして彼らの行動が世の中や消費を大きく変えていく。それ以外の人たちは「友人からのオススメで行動する受け身の人々」となる。その辺の消費行動もソーシャルメディアによって顕在化したものだ。

さて、本を書き始めよう。ようやくゴールが見えてきた気がする。

佐藤尚之(さとなお)

佐藤尚之

佐藤尚之(さとなお)

コミュニケーション・ディレクター

(株)ツナグ代表。(株)4th代表。
復興庁復興推進参与。一般社団法人「助けあいジャパン」代表理事。
大阪芸術大学客員教授。やってみなはれ佐治敬三賞審査員。
花火師。

1961年東京生まれ。1985年(株)電通入社。コピーライター、CMプランナー、ウェブ・ディレクターを経て、コミュニケーション・デザイナーとしてキャンペーン全体を構築する仕事に従事。2011年に独立し(株)ツナグ設立。

現在は広告コミュニケーションの仕事の他に、「さとなおオープンラボ」や「さとなおリレー塾」「4th(コミュニティ)」などを主宰。講演は年100本ペース。
「スラムダンク一億冊感謝キャンペーン」でのJIAAグランプリなど受賞多数。

本名での著書に「明日の広告」(アスキー新書)、「明日のコミュニケーション」(アスキー新書)、「明日のプランニング」(講談社現代新書)。最新刊は「ファンベース」(ちくま新書)。

“さとなお”の名前で「うまひゃひゃさぬきうどん」(コスモの本、光文社文庫)、「胃袋で感じた沖縄」(コスモの本)、「沖縄やぎ地獄」(角川文庫)、「さとなおの自腹で満足」(コスモの本)、「人生ピロピロ」(角川文庫)、「沖縄上手な旅ごはん」(文藝春秋)、「極楽おいしい二泊三日」(文藝春秋)、「ジバラン」(日経BP社)などの著書がある。

東京出身。東京大森在住。横浜(保土ケ谷)、苦楽園・夙川・芦屋などにも住む。
仕事・講演・執筆などのお問い合わせは、satonao310@gmail.com まで。

アーカイブ

同カテゴリーの他記事