ようやく1ヶ月。まだまだ1ヶ月。

2011年4月11日(月) 18:09:34

この1ヶ月、がむしゃらに動いてきたけど、いったい何が出来たのかと自分に問い、暗澹たる気分になることが多い。

「なるべく正確な情報を、被災地、そして被災地を支援したい人に提供する」という目的で、100人ほどの人が集まり、超突貫で作った「助けあいジャパン」も、当初予想した規模を遙かに超える被害により「現地からの情報がまったく届かない」という事態に直面し、アプローチの変更を手探りで進めている。

というか、まだテレビも電話もない避難所が3割ほどある、という。
パソコンや通信環境どころではない。まだ共同で観るテレビすらないとは・・・

ボクなんかの元にも毎日のように「こんなアイデアはどうでしょう?」と個人や企業から持ち込まれるし、それは素晴らしいことなのだけど、IT系のアイデアは「現地に入力する人がいない」「NPOも目の前の仕事で手一杯でその手間暇がない」「そもそもパソコンもケータイも電波もない」「無一文になってしまい、通信料が払えるかどうか不安でケータイを使ってない人も多い」など、様々な現地事情でワークしない場合が多い。

そういうことも鑑みて、もう情報が入ってくることは諦めて、情報を取りに行く方向に変えてきているのが「いま」である。
NPO・NGOの人たち、そして我々も含め、そうやって現地の情報取得体制を必死に整えているところ。でも、正直なところ「1ヶ月も経ってようやくここか」とボクですら思う。現状を知らない人は「なぜそんなことすら素早くできないのか」とイライラしていることだろう。

でも、世界中の被災地を見てきたNGOの強者をして、「いままで見たすべての災害を足したくらいな惨状。こんなの見たことがない」と言わしめるくらいの現地の状況。情報より目の前の命を救うことが先になっていることをボクたちは理解し、現地でがんばっている方々を応援するしか、ない。


現地の「いま」の状況を少しでも知るために、昨日、NGOピースボートの現地報告会に参加してきた。
いまはヘドロの除去が大きな仕事。ボランティアの手はあればあるほどいいが、個人ボランティアが現地に行ってもまだ受け入れ体制が整っていない。

だから、「やる気」がある人は、募集をしている大きなNPO・NGO団体と一緒に行くのがいいと思う。彼らは最初から「自己完結型」(寝泊まりテント・食料などをすべて自分で持って行く)で現地に出かけるので現地に迷惑かけないし、組織だって動くので実際に役に立つ。もしくは「助けあいジャパン」が情報提供元となっているYahoo!の「現地発ボランティア(NPO・NGO等)情報ホットライン」などを見て、「自己完結型」で出かけるのがいいと思う。

と、これを書いている最中に福島に震度6弱の余震。
いったいどんだけ福島をいじめるんだ(泣)。ボクは福島の野菜を一生優先的に食べるぞ。

ようやく1ヶ月。
まだまだ1ヶ月。

どこまで息長く当事者でいられるか自分が試されている気がするが、とにかく先は長い。

みんな生活があるし、少しずつ生活を日常に戻していかないといけない。「助けあいジャパン」も長期間運営していけるような方法にそろそろ変えていかないと…。でも、資金とか運営方法とか、どうやればいいか見当がつかないな…。

佐藤尚之(さとなお)

佐藤尚之

佐藤尚之(さとなお)

コミュニケーション・ディレクター

(株)ツナグ代表。(株)4th代表。
復興庁復興推進参与。一般社団法人「助けあいジャパン」代表理事。
大阪芸術大学客員教授。やってみなはれ佐治敬三賞審査員。
花火師。

1961年東京生まれ。1985年(株)電通入社。コピーライター、CMプランナー、ウェブ・ディレクターを経て、コミュニケーション・デザイナーとしてキャンペーン全体を構築する仕事に従事。2011年に独立し(株)ツナグ設立。

現在は広告コミュニケーションの仕事の他に、「さとなおオープンラボ」や「さとなおリレー塾」「4th(コミュニティ)」などを主宰。講演は年100本ペース。
「スラムダンク一億冊感謝キャンペーン」でのJIAAグランプリなど受賞多数。

本名での著書に「明日の広告」(アスキー新書)、「明日のコミュニケーション」(アスキー新書)、「明日のプランニング」(講談社現代新書)。最新刊は「ファンベース」(ちくま新書)。

“さとなお”の名前で「うまひゃひゃさぬきうどん」(コスモの本、光文社文庫)、「胃袋で感じた沖縄」(コスモの本)、「沖縄やぎ地獄」(角川文庫)、「さとなおの自腹で満足」(コスモの本)、「人生ピロピロ」(角川文庫)、「沖縄上手な旅ごはん」(文藝春秋)、「極楽おいしい二泊三日」(文藝春秋)、「ジバラン」(日経BP社)などの著書がある。

東京出身。東京大森在住。横浜(保土ケ谷)、苦楽園・夙川・芦屋などにも住む。
仕事・講演・執筆などのお問い合わせは、satonao310@gmail.com まで。

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