談志が落語をやってくれた♪
2010年11月25日(木) 7:00:42
昨晩は、立川談志一門会。
志らく、談笑、談志という贅沢な流れを楽しませていただいた。@よみうりホール
談志家元は毎回「今回が最後かも」という気持ちで聴きに行っているが、今回はとても元気で安心した。
去年の8月の高座など、もう本当に「これが最後だろう」と思わせたもん。高座まで歩くのにものすごく時間がかかる。高座からひとりで降りられない。得意の「疝気の虫」で入り方をいきなり間違え、やり直してまた間違え、筋を行ったり来たりした挙げ句にサゲも出来ずしばし絶句。そんな姿を見てしまった身としては、今回の元気さはうれしい限りだった。スタスタ歩いていたし、顔色も良かったし。奇跡の復帰に近い。
とはいえ落語自体はまだリハビリという感じかなぁ。往年の毒舌も自由自在さも間(ま)の良さもなく、声も出ていないこともあって個人的にはちょっと辛かった。まぁでも生を見られるだけで眼福だ。シアワセシアワセ。
前座は立川平林(ひらりん)の「浮世根問 〜名古屋弁バージョン〜」。
なかなか達者な人。会場を上手に温め、名古屋弁落語で笑いをとっていった。とはいえ「コメダ珈琲」とかの名古屋地元オチをされても東京ではウケにくい。名古屋でやったらもっとウケるだろう。
次は立川志遊の「笑い茸」。
なんか不思議な間を取る人で、そのたびに会場が一瞬凍る。本人の固さもじわじわこちらに移ってくる。笑い茸で笑い出すときの表情はよかったけど、全体にもう少し。
仲入り前のトリ(仲トリ)は立川志らくで「金明竹」。
噺が終わって幕が下がった瞬間に席の周りの人たちが「いや〜笑った笑った」「面白かったねぇ」と顔を見合わせた感じ。ドカンドカンと笑いを取っていった。さすが。大阪弁の部分をアメリカ人バージョンでやったのだが、これがまたおバカなハイテンションで大笑い。今回は談志の物マネが少なかったけど大満足。天才だなぁ。
仲入り後は立川談笑の「時そば」。
まさか「時そば」をやるとは、って感じだったけど、なるほどここまではラストの談志に向かっての壮大な「前座」なのだなと気がついた。談笑は何回目かな。安定して面白いけど志らくの後だと少し分が悪い。今回は毒も少なめだった。常にドヤ顔なのが鼻につく方もいるとは思うが、ボクは談春のドヤ顔よりはずっと好き(どうも談春がわからない)。
で、談志家元である。
「落語チャンチャカチャン」と「へっつい幽霊」をやってくれた。事前の案内では「スペシャル・トーク」ということだったらしいので、例のアメリカン・ジョーク集かなぁと思っていたのだが、落語をやってくれた。うれしい。
上に書いたように、行ったり来たりの「疝気の虫」を聴いていたので、「落語チャンチャカチャン」には正直ドキドキした。素で間違えているのかと思ったのだ。でもだんだんわざとだとわかってくる。ホッとしたよ。
最初に「火焔太鼓」で入って会場から「おぉ」と声が漏れる。そしたら噺がどんどん違う方に行って(この辺でボクはドキドキ)、「時そば」「金明竹」をはじめ、次々といろんな落語の有名登場人物やハイライトが出てくる。あぁこれはわざとそうつないでいるんだ、「演歌チャンチャカチャン」の落語バージョンなんだ、と気がついてからは楽しめたけど、ホント最初は冷や汗かいた。「芝浜」も少し出てきたw
で、そのままの流れで「へっつい幽霊」。
なんというか、自然な会話が続く、というより段取り説明みたいな感じで、全体にちょっとつらかった。特に毒舌がほとんどなかったのが気になる。調子悪いときでも例の毒舌だけは冴え渡っていたのにな。でも生きて動いて落語をやってくれているだけでうれしいからいいや。会場みんなそういう気分だっただろう。
最後のサゲをサゲず(「決して足は出しません」のところ)、「あ、また間違えたのか?」とヒヤッとしたけど、「安心しろ、サゲはあとでもうひとつあるから」と言ったあたりはちょっと往年の感じが感じられた(とはいえ往年の落語はDVDとかCDとかでしか聴いてないけど)。
終演後は一緒に行った方々と久しぶりの「クロ・ド・ミャン」。
落語はいいね。いろんな悩みも「たいしたことない」と思えてくる。浮世の話をいろいろして解散。いい夜だった。
