花形歌舞伎「染模様恩愛御書」を観てきた

2010年3月25日(木) 9:24:47

三月花形歌舞伎 通し狂言「染模様恩愛御書 -細川の血達磨-」に行ってきた。@日生劇場

ぜーんぜん期待せず行ったのだけど、大がかりな舞台と大衆演劇的演出、達者な役者などが相まって意外に面白かった。大衆芸能としての歌舞伎の良さがとてもよくわかる、敷居の低い楽しい舞台だったと思う。

笑いもたくさん取ったし、殺陣も派手だったし、エッチな場面もあったし(これもギャグに近いのだが)、ど派手なセット(炎上場面)&物凄い階段落ちもあったし、泣かしの場面もしっかり泣かせたし、とにかく盛り沢山なエンターテイメントだった。満腹。

花形歌舞伎とは、いわゆる若手の人気役者たちによる舞台らしい。60代以降で全盛期になる歌舞伎の世界では、若手が主役を張る機会はめったにない。そんな彼らが主役を張れるのが花形歌舞伎。この演目は、市川染五郎、片岡愛之助のふたりが主役だった。染五郎の美しさと熱演、そして階段落ち。愛之助の美しさと殺陣のうまさ、表情の良さ。どちらも一歩も譲らず。まぁ見得とかは軽いのだけど、それも若手っぽくて良い。

それにしてもむずかしい題名だな。「そめもよう ちゅうぎのごしゅいん」と読ませるらしい。
燃えさかる宝蔵に飛び込んで、お家の重宝を切腹した腹中に入れて守ったと言われる細川家家臣友右衛門の伝説を元にした歌舞伎。御朱印を腹の中に入れて守ったから「染模様」なのかな(血で染まる)。忠義と書くところを恩愛としたのは、この演目が男同士の愛をテーマのひとつにしているからか。

そう、衆道(男色)もテーマのひとつであった。いわゆるBL(Boys Love)。染五郎と愛之助が契りを交わす。
染五郎とか「あ〜〜〜れ〜〜〜〜」と回りながら帯解かれるし(笑)。ふたりともシルエットながら半裸になって抱き合うし(笑)。まぁ美しいふたりの衆道の世界は女性にはたまらないのかもしれない(ボクには少しキモイ)。

まぁそういうのはともかく、全体にホント楽しませてもらった。
あえていえば、演出が大衆演劇すぎて歌舞伎としてどうなのかとはちょっと思った。ラストなんか野太い男声の歌なんかいらないんじゃないかな。梅沢富美男かと(笑)。第二幕はセットも豪華だったし(燃え上がる宝蔵、落ちてくる梁や壁、吹き上がる煙、そして大階段と染五郎の見事な階段落ち)、愛之助の泣かせもよく(場内すすり泣き多し)、終わり方もとても良かったのに、あの野太い歌声のBGM…。不要だなぁ。静かに余韻を持たせて終わっても良かったと思う。

終演後、中目黒の「イカロ」へ。
ツイッターでウナギの仕入れの話を書いていて、それに返信してたら「食べに来て下さい」とツイートされたので、夜22時なら入れるだろうと行ってみた(満席でギリギリ入れた。人気だなぁ)。「ウナギのマリネ」。勧めるだけあってうまいうまい。「グリーンピースのリゾット うさぎのラグー」。これも実によい。乳飲み仔羊も美味だったな。満足の夜。

佐藤尚之(さとなお)

佐藤尚之

佐藤尚之(さとなお)

コミュニケーション・ディレクター

(株)ツナグ代表。(株)4th代表。
復興庁復興推進参与。一般社団法人「助けあいジャパン」代表理事。
大阪芸術大学客員教授。やってみなはれ佐治敬三賞審査員。
花火師。

1961年東京生まれ。1985年(株)電通入社。コピーライター、CMプランナー、ウェブ・ディレクターを経て、コミュニケーション・デザイナーとしてキャンペーン全体を構築する仕事に従事。2011年に独立し(株)ツナグ設立。

現在は広告コミュニケーションの仕事の他に、「さとなおオープンラボ」や「さとなおリレー塾」「4th(コミュニティ)」などを主宰。講演は年100本ペース。
「スラムダンク一億冊感謝キャンペーン」でのJIAAグランプリなど受賞多数。

本名での著書に「明日の広告」(アスキー新書)、「明日のコミュニケーション」(アスキー新書)、「明日のプランニング」(講談社現代新書)。最新刊は「ファンベース」(ちくま新書)。

“さとなお”の名前で「うまひゃひゃさぬきうどん」(コスモの本、光文社文庫)、「胃袋で感じた沖縄」(コスモの本)、「沖縄やぎ地獄」(角川文庫)、「さとなおの自腹で満足」(コスモの本)、「人生ピロピロ」(角川文庫)、「沖縄上手な旅ごはん」(文藝春秋)、「極楽おいしい二泊三日」(文藝春秋)、「ジバラン」(日経BP社)などの著書がある。

東京出身。東京大森在住。横浜(保土ケ谷)、苦楽園・夙川・芦屋などにも住む。
仕事・講演・執筆などのお問い合わせは、satonao310@gmail.com まで。

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