芸術選奨 贈呈式に出席してきた

2010年3月20日(土) 19:06:02

2009年度芸術選奨の文部科学大臣賞を贈られた岩田守弘さんの同伴者として、贈呈式に一緒に出席してきた。@文化庁

普通なら家族とかご両親とかが出席するところだが、家族はモスクワだし、ご両親もご欠席とのことで、僭越ながら「私設マネージャー」として出席してきた。どうせならここ7年くらいのボランティア・マネージャー活動も少しは賞のうちである、くらい厚かましく思おうと開き直って行ってきた(まぁ芸術選奨は「芸術」の賞なので、私設マネージャーごときのチカラなどこれっぽっちも影響しないのだが、ま、一応「そのくらいの気持ちで関与してきた」という思い込みをポケットに詰め込んで)。

2009年度の活動で選ばれたのは30人。
文化庁サイトのこのページに載っている。一般に有名なところでは、坂本龍一(欠席)、林家染丸、西部邁、藤幡正樹、西川美和、川上未映子、寺井尚子、そして細田守、かな。細田さんとは一度飲んだので、ツイッターであらかじめ「贈呈式で会いましょう」と連絡しあっていた。岩田守弘さんと細田守さんがつながるのも楽しみだった(田守つながり?)。川上未映子や西川美和を見られるのもちょっと楽しみ。

まずは贈呈式。
30人ひとりひとりに文部科学副大臣が丁寧に手渡す(文部科学大臣は遅れて参加)。写真はもちろん岩田さん。

そうそう、岩田さんも珍しいスーツ姿だが(この式のために買ったらしい)、ボクも、迷った挙げ句スーツで。首相官邸に行くときもジーンズなボクだが、なんというか主役の岩田さんの迷惑になるのはいけないと思ってスーツで。でも手入れを怠っていた革靴の底が途中でパックリ割れた(笑)。やっぱたまには手入れしないとなぁ(というか寿命か)。

受賞のスピーチは嵐圭史さんと川上未映子さん。
どちらのスピーチも立派だったが、特に川上未映子のはユニークでとても良かった。彼女は会場でもとても目立っていた。キョロキョロと落ち着かないのだが、感じが悪いのではなく、とにかくいろんなものに好奇心を持ってつぶさに見ていっている印象。ピンヒールにミニのワンピースも可愛らしく、いい感じ。スピーチもとっちらかってはいたが、「相対ではなく絶対を目指したい。絶対を信じている」という趣旨の言葉たちはそれはそれは輝いていてサスガだった。相対ではなく絶対。これは今のボクにとても刺さった。

なんだろう、ボクはとても「相対」な世界に棲んでいる。
広告コミュニケーションにしても、ソリューションにしてもイノベーションにしても、結局「相対」から逃れられない。で、ボクはそれがとてもイヤになっているんだ、と、ふとわかってしまった感じ。相対すべてがイヤなのではなくて、相対を仕事としている限り一生相対につきまとわられる、みたいなこと。そしてそこに何も価値などない、と、ふと。


祝賀会は同じ建物内の違う会場で。
一般的な立食形式。演劇だの映画だの舞踊だの評論だの文学だのいろんな分野の人が集っているので、会場の部分部分で空気が違う。おもしろし。ボクは岩田さんの近くに集まってきたバレエ関係者などと話をしつつ、途中で細田守監督を見つけ、岩田さんと引きあわせたたりした。なにかいいケミストリーが生まれるといいな。

それぞれの受賞者がひと言ずつスピーチしたりして、すべてのスケジュールが終了したのは8時前くらいだったろうか。
岩田さんは翌日(つまり今日)ロシアに帰ってしまう。すごい賞をもらった夜だから、ご両親のところに早く帰してあげないと、と思いつつ、なんとも別れがたく、「一杯だけ飲みますか!」と誘ってしまった。誘ったら絶対来てくれるのを知りつつ……申し訳ない。

で、どうせなら鶴見の岩田さんの実家への帰り道にある大森「テンダリー」で宮崎優子さんの美しいシェイク姿を見せてみたいと思い、ジャパンアーツのマネージの人も一緒にそこへ。必ずや岩田さんも気に入ってくれると確信があったので。

宮崎さんはNHK「プロフェショナル」も見てくれていたので、岩田さんに会えたのを異様に喜んでくれた。岩田さんも彼女のシェイクに「美しい…」と絶句しながら感激してくれた。これもいい出会いなのかも。ちなみに岩田さんは彼女の師匠にあたる上田さんが世界チャンピオンになったときのカクテル「シティ・コーラル」を飲んだ。これまた感動していた。ちゃんと感動して喜んでくれるところが彼のイイトコロ。

一杯だけ飲んでお別れ。
お互いちょっと涙目になりながらハグ。でも岩田さん、6月7月とまた来日するんだよね。それまで。元気で。丈夫で。

佐藤尚之(さとなお)

佐藤尚之

佐藤尚之(さとなお)

コミュニケーション・ディレクター

(株)ツナグ代表。(株)4th代表。
復興庁復興推進参与。一般社団法人「助けあいジャパン」代表理事。
大阪芸術大学客員教授。やってみなはれ佐治敬三賞審査員。
花火師。

1961年東京生まれ。1985年(株)電通入社。コピーライター、CMプランナー、ウェブ・ディレクターを経て、コミュニケーション・デザイナーとしてキャンペーン全体を構築する仕事に従事。2011年に独立し(株)ツナグ設立。

現在は広告コミュニケーションの仕事の他に、「さとなおオープンラボ」や「さとなおリレー塾」「4th(コミュニティ)」などを主宰。講演は年100本ペース。
「スラムダンク一億冊感謝キャンペーン」でのJIAAグランプリなど受賞多数。

本名での著書に「明日の広告」(アスキー新書)、「明日のコミュニケーション」(アスキー新書)、「明日のプランニング」(講談社現代新書)。最新刊は「ファンベース」(ちくま新書)。

“さとなお”の名前で「うまひゃひゃさぬきうどん」(コスモの本、光文社文庫)、「胃袋で感じた沖縄」(コスモの本)、「沖縄やぎ地獄」(角川文庫)、「さとなおの自腹で満足」(コスモの本)、「人生ピロピロ」(角川文庫)、「沖縄上手な旅ごはん」(文藝春秋)、「極楽おいしい二泊三日」(文藝春秋)、「ジバラン」(日経BP社)などの著書がある。

東京出身。東京大森在住。横浜(保土ケ谷)、苦楽園・夙川・芦屋などにも住む。
仕事・講演・執筆などのお問い合わせは、satonao310@gmail.com まで。

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