「明日の広告」10刷! もしくは電子出版の魅力

2010年3月 1日(月) 7:47:51

拙著「明日の広告」、10刷決定しました。
一昨年の1月に発売以来、じわりじわりと重版し、ついに目標の10刷。当初は冗談で「10刷くらいするロングセラーになるといいねぇ」と担当編集である本多いずみさんとふたり、キラキラと遠い目をしていたのだが、本当に叶うとは…。たぶん広告の専門書としては過去一番売れた本になったと思う。先ほどアマゾンで見たら「広告・宣伝」部門で1位に返り咲いていた。ありがたやありがたや。買ってくださった方々、本当にありがとうございます。

電子出版が iTunes みたいな強力なインフラを得て日本でも普及した場合(つまり iBooks が日本でも普及した場合)、この本なんかは「新作や続編を出すよりも電子アップデートを毎年していく」ような方法が似合ってるなと思う。最新考察や最新事例を毎年継ぎ足していく本。発売から2年経ったとはいえ、基礎的なことは本の中に書いたものが今でも通用すると思うので(というか、基礎的な考え方は当分変わらない)、章を書き足して(古いところは改訂して)100円くらいで毎年有料アップデートする感じ。内容薄く新作を出すよりもそっちの方が役に立つ。

実際、5〜10年後くらいには「ビジネス書・実用書・学術参考書というのは電子アップデートされるもの」という考え方が普通になるんじゃないかな。

アップデートされた部分に目次から飛ぶことも出来るだろうし、動画やサイトや地図へもネット上でリンクできるだろう。ちょっとした専門用語だって Wikipedia などにリンクできる。いくつか参考になる読者のコメントや論評も巻末に載せられるといい(そういうコメントや論評に細かくお金を払えるのも電子出版のいいところ)。リアルではモノクロ印刷の本だって、電子出版ならカラー図表がふんだんに入れられるし、写真へのリンクやBGMだって入れることが可能だ。

ビジネス書・実用書系だけではない。場合によっては小説もいける。
歴史小説なんか意外といい。戦国時代などでの聞き慣れぬ道具や武器なども写真や図表で解説できる。推理小説も殺人現場の様子を写真や動画で説明することが可能。童話なんか映像と合体するととても面白いものになる。文学だってありえる。極端に言ったら、「1Q84」を読みながら当該の部分でヤナーチェクの「シンフォニエッタ」が流れてくるみたいなこと。まぁ微妙かな…。小説の場合は文字だけの想像力で読んだ方が楽しいことも多いので微妙だけど、新しい魅力が開拓可能になるのは確か。

というか、本文に音楽や動画を仕込めるということは、ミュージシャンや映画俳優の評伝とか楽しそう。スポーツ選手もいい。たとえば「ソチへの道」とかいう浅田真央の評伝が5年後に出るとして、バンクーバー・オリンピックのフリーの演技映像がまず入り、その後、本文に入る、みたいなこと。泣ける本になりそうじゃん?

佐藤尚之(さとなお)

佐藤尚之

佐藤尚之(さとなお)

コミュニケーション・ディレクター

(株)ツナグ代表。(株)4th代表。
復興庁復興推進参与。一般社団法人「助けあいジャパン」代表理事。
大阪芸術大学客員教授。やってみなはれ佐治敬三賞審査員。
花火師。

1961年東京生まれ。1985年(株)電通入社。コピーライター、CMプランナー、ウェブ・ディレクターを経て、コミュニケーション・デザイナーとしてキャンペーン全体を構築する仕事に従事。2011年に独立し(株)ツナグ設立。

現在は広告コミュニケーションの仕事の他に、「さとなおオープンラボ」や「さとなおリレー塾」「4th(コミュニティ)」などを主宰。講演は年100本ペース。
「スラムダンク一億冊感謝キャンペーン」でのJIAAグランプリなど受賞多数。

本名での著書に「明日の広告」(アスキー新書)、「明日のコミュニケーション」(アスキー新書)、「明日のプランニング」(講談社現代新書)。最新刊は「ファンベース」(ちくま新書)。

“さとなお”の名前で「うまひゃひゃさぬきうどん」(コスモの本、光文社文庫)、「胃袋で感じた沖縄」(コスモの本)、「沖縄やぎ地獄」(角川文庫)、「さとなおの自腹で満足」(コスモの本)、「人生ピロピロ」(角川文庫)、「沖縄上手な旅ごはん」(文藝春秋)、「極楽おいしい二泊三日」(文藝春秋)、「ジバラン」(日経BP社)などの著書がある。

東京出身。東京大森在住。横浜(保土ケ谷)、苦楽園・夙川・芦屋などにも住む。
仕事・講演・執筆などのお問い合わせは、satonao310@gmail.com まで。

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