「レストランする楽しみ」を教えてくれた人

2010年2月10日(水) 8:27:24

レストラン評論家の見田盛夫さんが亡くなった。

伊藤さんのブログを読むまで気がつかなかった(先週の2月3日に亡くなった)。そうか亡くなったか。とても残念だ。

伊藤さんも書いている通り、ボクも「グルマン」で彼を知り、彼の後を辿ってレストランに行ったものである。あれはまだ30歳前後のころ。それがのちの「ジバラン」という活動につながった。お会いしたことはないが、恩人である。「食べる楽しみ」ではない「レストランする楽しみ」をボクは彼から教えてもらったと思っている。

レストランは食べるためだけにある場所ではない。レストランとは時間を楽しむ空間なのだ。ということを(彼がそう言っているわけではないが)ボクは彼を通して知ったと思う。
彼を知る前の20代は味一辺倒で探求していたボクだけど、その後はレストランを「時間」「空間」として捉えるようになった。そうなって初めて「コースの流れ」「シェフの想い」「インテリア」「サービス」「価格」などが一貫したひとつのものと感じられるようになった。一品一品の料理がうまいかまずいか高いか安いかよりも、それを含めた全体の時間がどうだったかの方がはるかに大切に感じられるようになった。そんな風に時間を大切にするようになって、「予約の電話時からレストランの時間が始まっている感じ」も実感できるようになった。

だから、予約してその後キャンセルする、という行為は基本的にありえないし、予約した時間に遅れるということも基本的にありえない。だって自分の中では「レストランの時間」は予約時から始まっているから。その流れを切ってしまうと何かがボクの中で変質してしまう。
なんというか、あるアーチストのライブの超プラチナチケットが予約できたら、その後、そのライブ当日までなんとなくワクワクするでしょ? そのシアワセ感を途切れさせたくないし、そのライブに行かないことも遅刻することも考えられない。そんな感じ。

もちろんキャンセルも遅刻もどうしても仕方ないときがあるのは知っているし、たまにボクもする(同行した方々、すいません!)。
そう、どうしようもないときはある。でも、基本的には「ありえない」という考え方。店に申し訳ないということももちろんあるが、どちらかというと自分の問題。だからキャンセルしたり遅刻したりした自分に対してとても不機嫌になる。遅刻したらしばらくはレストランの時間に没入していけない。自分に腹がたって(笑)。
そういう意味では遅刻してきた相手にも不機嫌になる。ボクと一緒にレストランする方、お気をつけ下さい(笑)

佐藤尚之(さとなお)

佐藤尚之

佐藤尚之(さとなお)

コミュニケーション・ディレクター

(株)ツナグ代表。(株)4th代表。
復興庁復興推進参与。一般社団法人「助けあいジャパン」代表理事。
大阪芸術大学客員教授。やってみなはれ佐治敬三賞審査員。
花火師。

1961年東京生まれ。1985年(株)電通入社。コピーライター、CMプランナー、ウェブ・ディレクターを経て、コミュニケーション・デザイナーとしてキャンペーン全体を構築する仕事に従事。2011年に独立し(株)ツナグ設立。

現在は広告コミュニケーションの仕事の他に、「さとなおオープンラボ」や「さとなおリレー塾」「4th(コミュニティ)」などを主宰。講演は年100本ペース。
「スラムダンク一億冊感謝キャンペーン」でのJIAAグランプリなど受賞多数。

本名での著書に「明日の広告」(アスキー新書)、「明日のコミュニケーション」(アスキー新書)、「明日のプランニング」(講談社現代新書)。最新刊は「ファンベース」(ちくま新書)。

“さとなお”の名前で「うまひゃひゃさぬきうどん」(コスモの本、光文社文庫)、「胃袋で感じた沖縄」(コスモの本)、「沖縄やぎ地獄」(角川文庫)、「さとなおの自腹で満足」(コスモの本)、「人生ピロピロ」(角川文庫)、「沖縄上手な旅ごはん」(文藝春秋)、「極楽おいしい二泊三日」(文藝春秋)、「ジバラン」(日経BP社)などの著書がある。

東京出身。東京大森在住。横浜(保土ケ谷)、苦楽園・夙川・芦屋などにも住む。
仕事・講演・執筆などのお問い合わせは、satonao310@gmail.com まで。

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