いままでの政権なら考えにくいこと

2009年12月 4日(金) 9:08:29

あのですね、「ハトミミ.com」っていう「行政刷新会議が設置する窓口」は、例の提言の結果ではまったくありません。どうも「あれか」と思っている方がいらっしゃるようなので、それは否定しておきます。

ボクのした提言は「国民と政治の距離を近づける」という目的の、ちょっと視点が違うタイプのもので、なにしろ提言したのが日曜ですから、まだ本当に一歩目を踏み出そうとしているような状態。拙速は避けたいので、平田オリザさんとも話し合いながら、ちゃんとメンバーを揃えて、一歩ずつ確実に前に進めたいと考えています。

というか、「いちブロガー&専門家の意見を(ご飯の場とはいえ)一国の首相が数時間かけてサシで真剣に聞いてくれたこと」自体が、すでに大きな変化の一歩目ですね(ソーシャルメディアやコミュニケーションの変化をご説明&質疑応答するのに数時間はどうしてもかかる)。

そのうえ理解してくれて、「やろう」と言ってくれたことも希有なこと。
普通なら15分ほどチャチャチャと話を聞いて(首相が15分時間をくれること自体も希有だけど)、「いいお話ですね。担当者と話し合って下さい」とか「なるほど。みなさんのご意見も参考にしながら慎重に進めたいと思います」とか「ありがとうございます。前向きに検討したいと思います」となり、なんとなく立ち消えになるのがありえるパターン(自主提案というのは企業においてもそんな扱い。ましてや政府においておや)。

首相が一般人の自主提案を直接真摯に聞いてくれ、「実行に値する意見である」と判断したらそれが一介のブロガー(まぁ専門家でもありますが)の意見であろうがちゃんと取り上げ、その場で秘書官に対応を指示し、具体的に動き出す道筋までつけてくれたという過程自体がすでに相当画期的なのではないかと思っています。いままでの政権なら考えにくいこと。

このように、確実に変化は始まっています。
でも、調子に乗って急に大きく変えようとするといろいろな見逃しや不協和音が出てしまいます。特に「ソーシャルメディアの発達による、トップダウンからボトムアップへのコミュニケーションの変化」に政府が対応しようというのに、トップダウン的に大きな変化を即すことは矛盾をはらみますので、その辺、慎重に、一歩ずつ、ボトムアップ的に反響を受け取りながら前に進んだ方がいい、とボクは考えています。

ちなみに、ボクは「政治(政策)そのもの」には関与する気はありません。
ですので、これからご協力していくとしても「コミュニケーション分野に限る」と考えています。つまり、国民と政治のコミュニケーションを変革するお手伝いなら喜んでするけど、政治的な内容や発言に対しては基本的にノーコミットメントということ。ですので「○○という政策について首相にこうこう伝えてくれ」などの伝言も受け取れませんし、メールなどで意見やサジェスチョンを求められても答えられませんので、あしからず。ついでにしつこく言うと、民主寄りでも自民寄りでもありませんので、これまたあしからず。

というか、「仕事も本の〆切も差し迫っているこのクソ忙しい年末に、なんでボクがこんなことに巻き込まれてるんだっけ?」と、時々思わず遠い目になってしまう、というのが実際なので。

まぁ乗りかかった船だからニュートラルにお手伝いはしますが、個人でのお手伝いなので出来ることは限られてきます。しかも相手は政府。思いも寄らない障壁が待ち構えていそうです。ですので、あまり大きな期待はせず、「ほんの少しでも変わるならラッキー」「変わらないより変わった方がマシ」程度に考えて、もうちょっとお待ちいただけると幸いです。

佐藤尚之(さとなお)

佐藤尚之

佐藤尚之(さとなお)

コミュニケーション・ディレクター

(株)ツナグ代表。(株)4th代表。
復興庁復興推進参与。一般社団法人「助けあいジャパン」代表理事。
大阪芸術大学客員教授。やってみなはれ佐治敬三賞審査員。
花火師。

1961年東京生まれ。1985年(株)電通入社。コピーライター、CMプランナー、ウェブ・ディレクターを経て、コミュニケーション・デザイナーとしてキャンペーン全体を構築する仕事に従事。2011年に独立し(株)ツナグ設立。

現在は広告コミュニケーションの仕事の他に、「さとなおオープンラボ」や「さとなおリレー塾」「4th(コミュニティ)」などを主宰。講演は年100本ペース。
「スラムダンク一億冊感謝キャンペーン」でのJIAAグランプリなど受賞多数。

本名での著書に「明日の広告」(アスキー新書)、「明日のコミュニケーション」(アスキー新書)、「明日のプランニング」(講談社現代新書)。最新刊は「ファンベース」(ちくま新書)。

“さとなお”の名前で「うまひゃひゃさぬきうどん」(コスモの本、光文社文庫)、「胃袋で感じた沖縄」(コスモの本)、「沖縄やぎ地獄」(角川文庫)、「さとなおの自腹で満足」(コスモの本)、「人生ピロピロ」(角川文庫)、「沖縄上手な旅ごはん」(文藝春秋)、「極楽おいしい二泊三日」(文藝春秋)、「ジバラン」(日経BP社)などの著書がある。

東京出身。東京大森在住。横浜(保土ケ谷)、苦楽園・夙川・芦屋などにも住む。
仕事・講演・執筆などのお問い合わせは、satonao310@gmail.com まで。

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