久しぶりの「打ち上げ」

2009年8月 4日(火) 8:52:39

昨晩はある仕事の打ち上げ。
世の中的に目立ったキャンペーンではないけれど、ある層に向けて丁寧にコミュニケーションすることを目的にしたもので、キャンペーン後の店頭調査によるとその目的はきっちり果たせた模様。「広告ができること」を限定し、ゴールを明確に設定し(買いに来た人に店頭でその商品もしくは広告のことを販売員に訊ねてもらうこと)、すべてのメディア・表現をそこに集約させた。粛々と地道に確実にそれを成し遂げたメンバー。特に営業メンバーが実によろしかった。着実かつ明るい。営業部長のお人柄もある。お疲れ様。

それにしても「打ち上げ」って久しぶりだ。
最近、広告業界では「打ち上げ」が激減していて、ほぼ絶滅状態なのである。

たった10年前まで、広告は「作ってオシマイ」だった。CMとかを作って流したらオシマイ。だから納品したら「打ち上げ」というピリオドがあったのだが、今はずいぶん違う。納品後もウェブやらPRやらが延々と続く。だから「打ち上げ」られないのである(まぁみんな多忙で予定が合わないこともあるが)。

でも、それではなんか達成感がない。達成感がない仕事は少しずつ人間を蝕んでいく。絶対打ち上げしようね、と言い合って、納品から2ヶ月以上経ってようやく「お疲れ!」となったわけ。

打ち上げ場所は広尾のイタリアン「ラ・ビスボッチャ」。営業の若い女性の選択らしいがなかなか良い(会費が高そうだけど)。
すっごい久しぶりに来たのだが、相変わらず「ボナセーラ!」と叫んで迎えられる。懐かしいバブルの匂い(笑)。このリストランテ、著名人が壁に直接サインを残すことで有名なんだけど(壁はサインだらけ)、ボクたちのテーブル(奥の個室)の壁にもいろんな人のサインが。

ボクの正面には小泉純一郎元首相のサインがあった。
2002年の日付。田中真紀子を更迭したり、北朝鮮を電撃訪問したりした年か。

サインに曰く「柔肌の 熱き血潮を断ち切りて 仕事ひとすじ われは非情か」。

ボクは小泉政治のファンだし、格差とかいうものは構造改革のせいではないと思っているが、まぁそれはいいや。とりあえず、小洒落たリストランテにこういうアドリブ的なやんちゃな言葉を残せるリーダーをボクはちょっと愛していたな。

横に小泉孝太郎のサイン。親子で来たらしい。曰く「夢の続き」。夢の続き?

どこまでが夢でどこからが夢じゃないんだろう。
最近よくわからなくなっている。

佐藤尚之(さとなお)

佐藤尚之

佐藤尚之(さとなお)

コミュニケーション・ディレクター

(株)ツナグ代表。(株)4th代表。
復興庁復興推進参与。一般社団法人「助けあいジャパン」代表理事。
大阪芸術大学客員教授。やってみなはれ佐治敬三賞審査員。
花火師。

1961年東京生まれ。1985年(株)電通入社。コピーライター、CMプランナー、ウェブ・ディレクターを経て、コミュニケーション・デザイナーとしてキャンペーン全体を構築する仕事に従事。2011年に独立し(株)ツナグ設立。

現在は広告コミュニケーションの仕事の他に、「さとなおオープンラボ」や「さとなおリレー塾」「4th(コミュニティ)」などを主宰。講演は年100本ペース。
「スラムダンク一億冊感謝キャンペーン」でのJIAAグランプリなど受賞多数。

本名での著書に「明日の広告」(アスキー新書)、「明日のコミュニケーション」(アスキー新書)、「明日のプランニング」(講談社現代新書)。最新刊は「ファンベース」(ちくま新書)。

“さとなお”の名前で「うまひゃひゃさぬきうどん」(コスモの本、光文社文庫)、「胃袋で感じた沖縄」(コスモの本)、「沖縄やぎ地獄」(角川文庫)、「さとなおの自腹で満足」(コスモの本)、「人生ピロピロ」(角川文庫)、「沖縄上手な旅ごはん」(文藝春秋)、「極楽おいしい二泊三日」(文藝春秋)、「ジバラン」(日経BP社)などの著書がある。

東京出身。東京大森在住。横浜(保土ケ谷)、苦楽園・夙川・芦屋などにも住む。
仕事・講演・執筆などのお問い合わせは、satonao310@gmail.com まで。

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