コーチング

2009年6月10日(水) 9:28:02

先週、コーチングについての研修を受けた。
コーチングとは人材育成法のひとつ。まぁスポーツでいう「コーチ」を想像するとよくわかる。コーチする方法の研修ですね。会社の研修だったので、要するに「部下をコーチし、人材開発するための技法」を習ったわけだ。

中身については、ペーシングとかアクノリッジメントとか各人のタイプ分けとか、いろいろ参考になった。でも、根本的なところで一番参考になったのが「コーチング」と「トレーニング」の違い。

「コーチング」の語源は「COACH」(馬車)。馬車は人を目的地に運ぶことから、「目標達成に導く方法」を「コーチング」と呼ぶわけである。一方の「トレーニング」の語源も乗り物で、「TRAIN」(列車)である。これも、列車は人を目的地に運ぶことから「目標達成に導く方法」を「トレーニング」と呼ぶわけである。

そう、両方とも「目標達成に導く方法」。
では、コーチングとトレーニングの違いは?というと、要するに語源にあるのである。「馬車」と「列車」。つまりレールが敷かれて行く道が画一的に限られているのが列車(トレーニング)だ。人は目的地に着くためにそのレールに乗るしかない。それに対して馬車は、いろんな道を選べる。なだらかな道を通って遠回りしてもいいし、険しい近道を行ってもいい。本人とよく話してその人に一番合った道を通る。画一的な行き方を押しつけることはしない。それがコーチング。一番大きな違いはそこ。

ま、いままでの社員教育はトレーニングな部分が多かったわけだが(大勢をある程度のレベルに育てるにはトレーニングの方が便利)、時代の移り変わりとともに、十数年前から、個々の個性に合わせた人材育成としてコーチングが注目されてきたわけですね。

研修を聞きながら、部下のことを考えたのはもちろんだけど、ボクはわりと娘のことも考えていた。
教育、という観点から自分が彼女にやっていることを振り返ってみると、どっちかというと「トレーニング」に偏っていなかったかなぁ、とか…。

ちゃんと彼女の個性を見極めて、彼女とよく話して、きっちり気持ちを引き出して、決めた目標に向かっての「コーチング」をしていたっけ。レールに乗せて安心していなかったっけ。
というか、もっと前提的に、ちゃんと彼女の目を見て聞き上手な会話をしていたかなぁ(ペーシング)。ちゃんと個性を認めてオッケーのサインを送っていたかなぁ(アクノリッジメント)。ちゃんと個性に合わせた動機づけを与えていたかなぁ(モチベーション)。そんな反省をつらつらと。

こういうのって他人だと意識してやるけど、意外と身内にはしなかったりする。
究極の人材育成は我が子の家庭教育。もうちょっと意識的になろう、と、いまさらながら。

佐藤尚之(さとなお)

佐藤尚之

佐藤尚之(さとなお)

コミュニケーション・ディレクター

(株)ツナグ代表。(株)4th代表。
復興庁復興推進参与。一般社団法人「助けあいジャパン」代表理事。
大阪芸術大学客員教授。やってみなはれ佐治敬三賞審査員。
花火師。

1961年東京生まれ。1985年(株)電通入社。コピーライター、CMプランナー、ウェブ・ディレクターを経て、コミュニケーション・デザイナーとしてキャンペーン全体を構築する仕事に従事。2011年に独立し(株)ツナグ設立。

現在は広告コミュニケーションの仕事の他に、「さとなおオープンラボ」や「さとなおリレー塾」「4th(コミュニティ)」などを主宰。講演は年100本ペース。
「スラムダンク一億冊感謝キャンペーン」でのJIAAグランプリなど受賞多数。

本名での著書に「明日の広告」(アスキー新書)、「明日のコミュニケーション」(アスキー新書)、「明日のプランニング」(講談社現代新書)。最新刊は「ファンベース」(ちくま新書)。

“さとなお”の名前で「うまひゃひゃさぬきうどん」(コスモの本、光文社文庫)、「胃袋で感じた沖縄」(コスモの本)、「沖縄やぎ地獄」(角川文庫)、「さとなおの自腹で満足」(コスモの本)、「人生ピロピロ」(角川文庫)、「沖縄上手な旅ごはん」(文藝春秋)、「極楽おいしい二泊三日」(文藝春秋)、「ジバラン」(日経BP社)などの著書がある。

東京出身。東京大森在住。横浜(保土ケ谷)、苦楽園・夙川・芦屋などにも住む。
仕事・講演・執筆などのお問い合わせは、satonao310@gmail.com まで。

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