某テレビ局で講演

2009年3月13日(金) 8:29:54

都内某キー局で、放送局社員向けに、「エースで4番の時代が終わった 〜テレビのこれから〜」と題して話をした。

二日連続でちょっと気が重い講演。広告についてならいくらでも話せるが、メディアのプロたちに向かってメディアのことを話すのは、門外漢である分いろいろ悩ましい部分がある。現状分析で終わっても仕方ないので、ボクなりの提言も混ぜ込みたいし、かといってそれがあまりに的外れだと恥ずかしいし、微妙に緊張する。

おとといと同じく、前半はネガティブな話。YouTube上の動画なんかもお見せしつつ(意外とみなさん見ていない)、テレビ不況の原因を紐解いた。で、後半というか終盤はポジティブに「とはいえテレビは大丈夫」という展開。個人的には新聞に対する処方箋の方がいっぱい持っていて、テレビのそれはまだあまり持っておらず、9つ提言したおとといに比べて少なめ。というか、新聞よりテレビの方が話すの難しい(処方箋が難しい)。

ボクは拙著「明日の広告」で、類書ではほぼ唯一「旧来メディア」を肯定している。
これは日本でもトップクラスに長くネット上で発信してきた体験からも来ていて、「新しいメディアとしてのネットの弱点」がいろいろ見えているつもりだから言えることでもあるのだけど、かといって「やり方」を変えずに生き残れるとはこれっぽっちも思っていない。かなりシビアに考えて行動を起こさないと着実に没落するだろう。そういう意味でシビアに反省するキッカケとしての不況はチャンスである。すみやかに方向転換してほしいな。

ネット上では、ネット上だからということもあるが、ネットメディア系の業界人の言論が活発だ。旧来メディア側の人間の発信があまりに少ない。実際、ネットに触っている人も少ない。それはとても情けないことだ。「伝える相手」である生活者がここまで触れているメディア(ネット)を使いこなさず、いったい「伝える相手」の何を理解し何を伝えるつもりなのだろう。

「ネットならやってるよ。メールとかやってるし、ホームページとか見てるよ」とか言い訳する人も多い。いや、生活者と同じレベルでどうする。発信側はせめて毎日100コくらいブログなどを読んで、あらゆる新テクノロジー(サービス)を使いこなして、その上で「自分が携わるメディアは何をすべきなのか」を考えないといけないと思う。

と、ことほどさように、門外漢だけに余裕がなく、どんどんお堅い話になっていく(笑)。
昨日も講演後の質疑応答で「ブログとかで読んでいる感じよりずいぶん堅い話でびっくりしました」という感想をいただいた。あのですね、余裕があんまりないから柔らかく話せないんです。おとといの新聞の話の方がまだ余裕があって、ジョークとかいろいろ言えた。テレビについてはまだ「真面目に論ずる」のが精一杯なんです。

佐藤尚之(さとなお)

佐藤尚之

佐藤尚之(さとなお)

コミュニケーション・ディレクター

(株)ツナグ代表。(株)4th代表。
復興庁復興推進参与。一般社団法人「助けあいジャパン」代表理事。
大阪芸術大学客員教授。やってみなはれ佐治敬三賞審査員。
花火師。

1961年東京生まれ。1985年(株)電通入社。コピーライター、CMプランナー、ウェブ・ディレクターを経て、コミュニケーション・デザイナーとしてキャンペーン全体を構築する仕事に従事。2011年に独立し(株)ツナグ設立。

現在は広告コミュニケーションの仕事の他に、「さとなおオープンラボ」や「さとなおリレー塾」「4th(コミュニティ)」などを主宰。講演は年100本ペース。
「スラムダンク一億冊感謝キャンペーン」でのJIAAグランプリなど受賞多数。

本名での著書に「明日の広告」(アスキー新書)、「明日のコミュニケーション」(アスキー新書)、「明日のプランニング」(講談社現代新書)。最新刊は「ファンベース」(ちくま新書)。

“さとなお”の名前で「うまひゃひゃさぬきうどん」(コスモの本、光文社文庫)、「胃袋で感じた沖縄」(コスモの本)、「沖縄やぎ地獄」(角川文庫)、「さとなおの自腹で満足」(コスモの本)、「人生ピロピロ」(角川文庫)、「沖縄上手な旅ごはん」(文藝春秋)、「極楽おいしい二泊三日」(文藝春秋)、「ジバラン」(日経BP社)などの著書がある。

東京出身。東京大森在住。横浜(保土ケ谷)、苦楽園・夙川・芦屋などにも住む。
仕事・講演・執筆などのお問い合わせは、satonao310@gmail.com まで。

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