あとひと回り

2009年1月27日(火) 8:16:06

数日前に60歳の話を書いたが、実は「60歳」が妙に気になっている。

正月に「今年はウシ年、年男。…ということは、次のウシ年で60歳か!」と、急に認識してしまって以来、なんとなく頭から離れないのである。自分でも意外なほど「あとひと回りで60歳」という思考がしょっちゅう出てくる。つまりは人生の短さに対する慨嘆であり、つまりは残り時間が意外と少ないことに対する焦燥である。

もちろん60歳以降にも(健康であるならば)長い長い人生は存在する。そんなことはわかっている。でも、サラリーマンにとって60歳というのは特別な年齢だ。定年。もうアナタはいりませんよと言われる年。そこまでサラリーマンでいるかどうかは別として、60歳がある種の社会的区切りであることは間違いない。

60歳まで会社人間でいてしまうと、会社引退と同時に仕事人生も終わりになる。仕事内容も人脈もそこでスパンと途切れ、あとは文字通り余生となるか、まったく新しい仕事をいちから始めるハメになる。
逆に60歳でも終わらない仕事を先に探し当てていれば、そういう区切りはなく、60歳以前から一生それに取り組める。そういう仕事を早く見つけて確定し、そこに突き進む方がシアワセな老年だ。いわゆるライフワークである。ライフワークという言葉にちょっと違和感はあるのだが、まぁこの言葉が一番近い。

そういうことを頭では十数年前から理解しているものの、なんとなく「まだまだ先のこと」と思ってきた。それが急に「あぁ意外と時間がない!」という焦りに変わった感じ。だって60歳で急にライフワークを始めるわけにはいかない。もうそろそろ準備に入らないと間に合わない。あと4〜5年がリミットだ。

本業以外にいろんなことをやってきた。意外なものがメイン・ライフワークになるかもしれないと思って見境なくやってきた。でもまだ「これ!」と思えるものがない。いや、もう実は身近にあるのかもしれないが、それをライフワークとはまだ認識できていない。そろそろ大きな方向性は出さないとなぁ。なるようになるさ、という思いもあるが、今度ばっかりはいい加減に済ませたくない。どうやって死んでいくかという問題とほぼイコールだからである。一回しかない自分の死についていい加減なのはちょっとイヤ。いや、かなりイヤ。

佐藤尚之(さとなお)

佐藤尚之

佐藤尚之(さとなお)

コミュニケーション・ディレクター

(株)ツナグ代表。(株)4th代表。
復興庁復興推進参与。一般社団法人「助けあいジャパン」代表理事。
大阪芸術大学客員教授。やってみなはれ佐治敬三賞審査員。
花火師。

1961年東京生まれ。1985年(株)電通入社。コピーライター、CMプランナー、ウェブ・ディレクターを経て、コミュニケーション・デザイナーとしてキャンペーン全体を構築する仕事に従事。2011年に独立し(株)ツナグ設立。

現在は広告コミュニケーションの仕事の他に、「さとなおオープンラボ」や「さとなおリレー塾」「4th(コミュニティ)」などを主宰。講演は年100本ペース。
「スラムダンク一億冊感謝キャンペーン」でのJIAAグランプリなど受賞多数。

本名での著書に「明日の広告」(アスキー新書)、「明日のコミュニケーション」(アスキー新書)、「明日のプランニング」(講談社現代新書)。最新刊は「ファンベース」(ちくま新書)。

“さとなお”の名前で「うまひゃひゃさぬきうどん」(コスモの本、光文社文庫)、「胃袋で感じた沖縄」(コスモの本)、「沖縄やぎ地獄」(角川文庫)、「さとなおの自腹で満足」(コスモの本)、「人生ピロピロ」(角川文庫)、「沖縄上手な旅ごはん」(文藝春秋)、「極楽おいしい二泊三日」(文藝春秋)、「ジバラン」(日経BP社)などの著書がある。

東京出身。東京大森在住。横浜(保土ケ谷)、苦楽園・夙川・芦屋などにも住む。
仕事・講演・執筆などのお問い合わせは、satonao310@gmail.com まで。

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