プレゼントの価値

2008年12月25日(木) 8:00:57

娘もさすがにサンタへのアンケートを書く年代から脱出し、「クリスマス・プレゼントに欲しいものがあるから有楽町の丸井で待ち合わせよう」って感じで、具体的に欲しい物を父親に買わせる、というドライな年代に突入した。夜中に枕元に忍んでいってプレゼントを置く、という行為はもう一生できないのだな。面倒がなくていいけど、それはそれでちょっと寂しい。

丸井というかイトシアか。混んでたなぁ。ホントに不況?
トヨタが前期2兆2千億の黒字から一転して今期の営業赤字1500億を発表したくらいなスピードで大不況に突入しているのだが、消費感覚的にはタイムラグがあるようで、まだ繁華街は買い物客で溢れている。でもこの混雑も今年までかもしれない、しばらく見られなくなるかもねとボンヤリ思いながら娘と買い物をした。まぁオバマのデフォルトがあるかどうかはわからないけど、かなり大変な事態になることは目に見えている。2009年は試練の年だろう。

広告業界的に言うと、広告費の大幅削減は避けられない。
でも、ポジティブに考えれば、「少ない予算の広告で商品が売れる事例」をたくさん作って、広告が違うカタチに生まれ変わるチャンスでもある。変化した時代、変化した消費者に合わせ、「いままでのやり方」を大幅に変えることができる千載一遇のチャンス。そしてその延長線上には「広告はパブリック・リレーションズのほんの一部である」という未来があるだろう。そこは広告業界にとっては新領域であり、チャンスはまだまだ山ほどある。
好況のままだったらやり方はなかなか変えられない。不況はチャンス。やり方を抜本的に新しくするチャンス。メディアもプロダクションも、もちろんクライアントも、古い体質から脱皮する千載一遇のチャンスを迎える。逆に言うと、ここで変われなかった企業は5年後に存在していないだろう。

話を元に戻す。
それにしても、娘が商品を選び、ボクが財布を開いてそれを買い、はいプレゼント、と、レジ横にいる娘にそれを渡すのって何だか変。ATMになった気分。
でもまぁ逆に娘が大人になったらまた「人が時間をかけて考えて選んだプレゼント」を喜ぶようになるだろう。一度はドライになる時期があってもいいと思う。欲しい物をもらうのがうれしい年代はそれでいい。そのうちプレゼントの本当の意味に気づく。プレゼントの価値は物にあるのではなく「相手のことを考えた時間」にあるということに気づく。

佐藤尚之(さとなお)

佐藤尚之

佐藤尚之(さとなお)

コミュニケーション・ディレクター

(株)ツナグ代表。(株)4th代表。
復興庁復興推進参与。一般社団法人「助けあいジャパン」代表理事。
大阪芸術大学客員教授。やってみなはれ佐治敬三賞審査員。
花火師。

1961年東京生まれ。1985年(株)電通入社。コピーライター、CMプランナー、ウェブ・ディレクターを経て、コミュニケーション・デザイナーとしてキャンペーン全体を構築する仕事に従事。2011年に独立し(株)ツナグ設立。

現在は広告コミュニケーションの仕事の他に、「さとなおオープンラボ」や「さとなおリレー塾」「4th(コミュニティ)」などを主宰。講演は年100本ペース。
「スラムダンク一億冊感謝キャンペーン」でのJIAAグランプリなど受賞多数。

本名での著書に「明日の広告」(アスキー新書)、「明日のコミュニケーション」(アスキー新書)、「明日のプランニング」(講談社現代新書)。最新刊は「ファンベース」(ちくま新書)。

“さとなお”の名前で「うまひゃひゃさぬきうどん」(コスモの本、光文社文庫)、「胃袋で感じた沖縄」(コスモの本)、「沖縄やぎ地獄」(角川文庫)、「さとなおの自腹で満足」(コスモの本)、「人生ピロピロ」(角川文庫)、「沖縄上手な旅ごはん」(文藝春秋)、「極楽おいしい二泊三日」(文藝春秋)、「ジバラン」(日経BP社)などの著書がある。

東京出身。東京大森在住。横浜(保土ケ谷)、苦楽園・夙川・芦屋などにも住む。
仕事・講演・執筆などのお問い合わせは、satonao310@gmail.com まで。

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