今日から新部署

2008年7月 1日(火) 7:12:41

2000年春から昨日までずっと同じ部署にいたのだが、今日から新たな部署である。いわゆる「異動」だ。
昨日までいた部署はネットを扱う部署。8年前にそこに来た当時まだ50人弱の組織だったのだが、時代の流れとともに年々人は増え続け、いまでは200人前後の大所帯。大きくなったなぁ。

いい意味でも悪い意味でもトラディショナルな会社の中で、その部署だけネット社会のカルチャーが育ち、オープンでシェアな独特の空気感があった。
ウェブという新しいメディアの世界では誰もが新参者で誰もがアマチュアだ。過去の、そして他メディアでの「成功体験」はまったく通用しない。でも、だからこそ楽しいところがあり、ボクたちはアマチュアイズムを存分に発揮して楽しく働いたと思う。昨日の成功体験はすぐに捨てて、明日の成功を目指す日々。ディレクター職なんて過去の成功体験で10年は喰えるのに(他部署ではそうしている人が多いのに)、それを即座に捨てて次に進まなければいけない日々の繰り返し。鍛えられたなぁ。この年齢にして、常に若手と同じスピード(もしくはもっと早いスピード)で変わり続けないといけない状況に晒されたのは実にラッキーであった。

会社というプロ集団の中でのアマチュア集団という立ち位置は、それはそれで社内の風当たりも強い部分もあったし、失敗も数限りなく経験させられたが、とても大切なことをボクの肌に刷り込んでもくれた。
アマチュアであり続けることの強さである。
当たり前だが、どんな事例もアマチュア目線で接すると「初めての事例」であり、だからこそ新鮮な切り口で見ることができる。プロ目線だと「いつもと同じ」だと思って見逃しがちなことが、アマチュア目線だと「あれ? どういうことだろう?」とバイアスのかからない視点で見直すことができる。最近の言葉で言えば「ゼロベース」に感じが近いかな。あらゆる仕事をゼロベースで考えるクセがついた(と思う)。

さてと、新部署。
拙著「明日の広告」で書いたようなことをする部署ではあるが、新たな荒れ野を開拓して生活できるように整備する使命もある。ただ、ネットの部署にいたときよりは「成功体験で喰える」部署でもあるので、少し油断するといつの間にか変化を恐れる自分になっている可能性もある。これからは、周りの環境によって無理矢理に、ではなく、自発的に、自ら率先して「過去の成功体験」を脱ぎ捨てていかなければならないだろう。それって相当意識的にやらないと大変かもなぁ。とか。そんなことを思う第一日目。

佐藤尚之(さとなお)

佐藤尚之

佐藤尚之(さとなお)

コミュニケーション・ディレクター

(株)ツナグ代表。(株)4th代表。
復興庁復興推進参与。一般社団法人「助けあいジャパン」代表理事。
大阪芸術大学客員教授。やってみなはれ佐治敬三賞審査員。
花火師。

1961年東京生まれ。1985年(株)電通入社。コピーライター、CMプランナー、ウェブ・ディレクターを経て、コミュニケーション・デザイナーとしてキャンペーン全体を構築する仕事に従事。2011年に独立し(株)ツナグ設立。

現在は広告コミュニケーションの仕事の他に、「さとなおオープンラボ」や「さとなおリレー塾」「4th(コミュニティ)」などを主宰。講演は年100本ペース。
「スラムダンク一億冊感謝キャンペーン」でのJIAAグランプリなど受賞多数。

本名での著書に「明日の広告」(アスキー新書)、「明日のコミュニケーション」(アスキー新書)、「明日のプランニング」(講談社現代新書)。最新刊は「ファンベース」(ちくま新書)。

“さとなお”の名前で「うまひゃひゃさぬきうどん」(コスモの本、光文社文庫)、「胃袋で感じた沖縄」(コスモの本)、「沖縄やぎ地獄」(角川文庫)、「さとなおの自腹で満足」(コスモの本)、「人生ピロピロ」(角川文庫)、「沖縄上手な旅ごはん」(文藝春秋)、「極楽おいしい二泊三日」(文藝春秋)、「ジバラン」(日経BP社)などの著書がある。

東京出身。東京大森在住。横浜(保土ケ谷)、苦楽園・夙川・芦屋などにも住む。
仕事・講演・執筆などのお問い合わせは、satonao310@gmail.com まで。

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