飲みニケーションは古い
2008年5月25日(日) 17:36:28
ちょっと前だが「部下をねぎらう店」という取材を受けた。
部下との飲みニケーション(死語)、みたいなことである。「部下とのコミュニケーションは管理職に共通する悩み。部下をお酒に誘ってねぎらうとき(もしくはコミュニケーションをとるとき)、アナタならどういう店を選びますか?」という質問をさせていただきたい、ということだった。それを聞いて「ボクには向いていない」と思って最初お断りしたのだが、重ねて要請され、結局インタビューを引き受けた。「飲みニケーションに否定的なんですけどいいですか?」という条件付きで。
そのインタビューでのボクの答えはこんな感じ。
「プライベートを大事にし、しかも元々あまりお酒を飲まない今の20代30代は、基本的に上司とは飲みに行きたがらない。なのに無理やり誘うのでは、ねぎらいにならない。ねぎらうなら、就業時間内に素面できちんと伝えた方がいい。コミュニケーションをとるにしても、お酒の席である必要は特にはない」
ぐはは。とりつく島もない。テーマに合ってもいない。でもどうやらこのまま載せてくれる模様(月刊誌「日経おとなのOFF」7月号)。とても好意的なインタビュアーで助かった。
ボクは、部下とコミュニケーションを取るために飲みに行く、いわゆる「飲みニケーション」は古いと思っている。5年ほど前までは実践の意味も感じていたが、最近ではもう改めた。古い。
年長のオジサンたちは「若者がつきあい悪くなった」と責めるように言う。まぁそれは事実だ。でも、それがわかっているのに、彼らは「飲みの場でのコミュニケーション至上主義」を貫いて無理矢理誘う。それってコミュニケーションと言えるのかな。「明日の広告」ではないが、コミュニケーションをとりたい相手(若者)本位に考えないと伝わるものも伝わらないのでは? 若者の生活パターンは大幅に変化したのだ。彼らはマジでお酒を飲まないし、上司年代とは違う時間の使い方をする。
もちろん、若者を酒の場につれていくことで伝承できることはいろいろある。
ボクは先輩方に「若者が行けないような高級な店」にいろいろ連れて行っていただき、世間を知り、成長させてもらってきた。今度はボクがそれをすべき番だとは自覚している。
だから、仕事抜きで、彼らが普段行かない(行けない)ような高級店に連れて行ったりはする。コミュニケーション目的ではなく、「こういう世界があるよ」と教えるためだ。とはいえ、高級店で釣っても「上司と飲むのはイヤ」という顔をする若者はいるから(泣)、そういうヒトは無理には誘わない。断られてもその人に悪意など持たない。
まぁこんなこと書くと「そんな考えのヤツがいるからコミュニケーションがどんどん薄まっていく。無理矢理にでも誘う意味はある。酔ったら本音も聞き出せる」みたいな反論が来るのかもしれない。でも、そういう行為が逆に若者との溝を広げる場合もある。つか、酔わせて本音っていうのもどうか。
要は相手次第なのだが、年長者と酒を飲みたがらない若者だと見抜いたのなら、酒を介さないコミュニケーションをこちらが工夫すべきだと思う。つきあいが悪い若者を責める前に、自分の行動を見直した方が良い気がする。
でも、飲食店やお酒のメーカーは大変だろうなぁ。若者がここまでお酒を飲まなくなると…。
