鼻の奥の方にいらっしゃるトリュフさん

2008年2月21日(木) 7:57:16

昨晩は男ふたりでちょっと贅沢な食事会をしたのだが、コースの中の「百合根トリュフまんじゅう」に唸った。
百合根まんじゅうの中に親指の先ほどのトリュフが入っており、外側にはトリュフが極細切りでふんだんにかけられている。目の前に運ばれてくる前からトリュフの香りがぶんぶんと暴力的に鼻に届く。ふんわり届くのではなく勢いよく届くのだ。例えて言うなら、蒸されてふくらんだトリュフの香りの風船が、器の上でパチンと弾けて広がったような。

話はとても盛り上がっていたのだが、器を目の前にした途端ふたりとも黙り込む。
ここまで鮮烈に香るトリュフはあまり記憶にないなぁ。「なんだよコレ」「やっべ」みたいな短く品がない言葉しか出てこない。口に入れて舌に乗せ、上顎の奥の方の空間にしばらく香りを溜め込んで楽しむ。百合根とトリュフがまた合う合う。うまひゃひゃ。

コースはド頭もトリュフ、〆もトリュフだった。
あまりそういうの好きじゃないんだけど(贅沢品はワンポイントで使ってくれる方が好き)、でも昨晩のトリュフ料理はどれも秀逸だったなぁ。
ド頭のクレソンとトリュフの和え物も良かったけど、〆のトリュフ卵かけご飯がこれがまた…。トリュフが入っているわけではなく、トリュフを入れた袋に卵を入れて密封保存して、殻を通して香りを中に移しただけのものなんだけど、卵の奥の方にトリュフがほんのり存在するその距離感がまたいい。もともと卵とトリュフって相性いいんだけど、このくらいの距離感だと主役の卵が負けてなくてちょうどいいなぁ。醤油を混ぜず、土鍋で炊いた白米にその卵のみをかけて食べる。ズズズ。うまひゃひゃひゃい。

一晩たってもまだ鼻の奥の方にトリュフさんがいらっしゃる。だから今朝は、起きてからずっと、静かにそぉっと息をしている。そぉっとな。逃げちゃわないようにな。

佐藤尚之(さとなお)

佐藤尚之

佐藤尚之(さとなお)

コミュニケーション・ディレクター
(株)ツナグ代表。(株)4th代表。独立行政法人「国際交流基金」理事。復興庁政策参与。公益社団法人「助けあいジャパン」代表理事。
大阪芸術大学客員教授。東京大学大学院非常勤講師。上智大学非常勤講師。
朝日広告賞審査員。やってみなはれ佐治敬三賞審査員。
1961年東京生まれ。1985年(株)電通入社。コピーライター、CMプランナー、ウェブ・ディレクターを経て、コミュニケーション・デザイナーとしてキャンペーン全体を構築する仕事に従事。2011年に独立し(株)ツナグ設立。
現在は広告コミュニケーションの仕事の他に、「さとなおオープンラボ」や「さとなおリレー塾」「4th(コミュニティ)」などを主宰。講演は年100本ペース。
「スラムダンク一億冊感謝キャンペーン」でのJIAAグランプリなど受賞多数。
本名での著書に「明日の広告」「明日のコミュニケーション」(ともにアスキー新書)。「明日のプランニング」(講談社現代新書)
“さとなお”の名前で「うまひゃひゃさぬきうどん」(光文社文庫)、「沖縄やぎ地獄」(角川文庫)、「沖縄上手な旅ごはん」「極楽おいしい二泊三日」(文藝春秋)、「ジバラン」(日経BP社)などの著書がある。
花火師免許所持。
東京出身。東京在住。横浜(保土ケ谷)、苦楽園夙川芦屋などにも住む。
仕事・講演・執筆などのお問い合わせは、satonao[a]satonao.com まで(←スパムメール防止のため、@を[a]にしてあります)。

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