母親の古希祝い

2008年2月11日(月) 11:29:37

古希といったら七十歳である。
古希とは、杜甫の詩「酒債は尋常行く処に有り、人生七十古来稀なり」から取られたという。古来マレなり。なるほど、それは祝わないと。でもその比較として「酒債は尋常行く処に有り」ってどうよ。酒のツケはそこらじゅうにあるって意味だよね? 「酒のツケはそこらじゅうにあるが、七十歳まで生きる人は実に珍しい」って…。

ま、それはおいといて、その「古来稀であることのお祝い」を先週末の土曜日に催した。
うちは晴れがましいことが苦手な一族なので、いつもは家で地味にお祝いするのだが、まぁ古来稀なのでレストランでしようということになった。まず悩むのはレストラン選び。料亭クラスは予算オーバーなので割烹クラスになるのだが、記念日にちょうど良くてしかも父母が喜ぶ系の割烹って意外と少ない。前回の会食を「まき村」でやったので味のハードルが上がってしまっているのも大きい。ここは!と思った店はたいてい数ヶ月前から埋まっているし。

満席で数軒断られた後、汐留の「花山椒」に決定。
調べたらミシュラン一つ星。それだけで父母は「へぇ〜」と喜んでくれる。ミシュランってお年寄りとの記念日に効くなぁ。ボクなんかは「ふーん、きっと外国人ウケする店なのだろうね」程度に冷めた目で見てしまうが、お年寄りが喜んでくれるなら価値がある。これからもそんな活用法でいこう。

まぁホテルのダイニングなので無難ではあるのだが、なかなかいい時間が過ごせた。
京懐石のコースで、すごく印象に残るわけではないが「おいしいね」と語り合える料理が続く。立地・景色・料理・内装・一つ星、と、ちょっとした記念日に「わかりやすい良さ」がある店である。シャンパンがモエシャンしかなかったり、ワインがガイザーピークしかなかったりするのをなんとかしてくれればもっといい(なんとかして!)。

昭和12年生まれの母・靖子は、ボクが言うのもなんだが美しい人である。
ただ、いわゆる「教育ママ」だったので、ボクは当時相当反抗した。いま冷静に考えるとそうでもないのだが、強く束縛&干渉されたという思いを青年時代ずっと持っており、母に対してつい激昂してしまう自分がいた。そういうこともあってか、いまでもボクは束縛とか干渉に対してとても敏感である。常に自由であろうともがく。
そんなこんなでなかなか素直に母と会話できない20代30代を過ごしてきたのだが、ようやくこの頃(本当にようやく)少し素直に話せるようになってきた気がする。

父母、そして家族3人、機嫌良く酔い、記念品として和光の財布を差し上げて、お祝い終了。
ここぞとばかりにみなさまからの印税をありがたく使わせていただきました。ええと記念品も含めて1000人様分くらい。ありがとうございます。おかげでとてもいい食事会になりました。

佐藤尚之(さとなお)

佐藤尚之

佐藤尚之(さとなお)

コミュニケーション・ディレクター

(株)ツナグ代表。(株)4th代表。
復興庁復興推進参与。一般社団法人「助けあいジャパン」代表理事。
大阪芸術大学客員教授。やってみなはれ佐治敬三賞審査員。
花火師。

1961年東京生まれ。1985年(株)電通入社。コピーライター、CMプランナー、ウェブ・ディレクターを経て、コミュニケーション・デザイナーとしてキャンペーン全体を構築する仕事に従事。2011年に独立し(株)ツナグ設立。

現在は広告コミュニケーションの仕事の他に、「さとなおオープンラボ」や「さとなおリレー塾」「4th(コミュニティ)」などを主宰。講演は年100本ペース。
「スラムダンク一億冊感謝キャンペーン」でのJIAAグランプリなど受賞多数。

本名での著書に「明日の広告」(アスキー新書)、「明日のコミュニケーション」(アスキー新書)、「明日のプランニング」(講談社現代新書)。最新刊は「ファンベース」(ちくま新書)。

“さとなお”の名前で「うまひゃひゃさぬきうどん」(コスモの本、光文社文庫)、「胃袋で感じた沖縄」(コスモの本)、「沖縄やぎ地獄」(角川文庫)、「さとなおの自腹で満足」(コスモの本)、「人生ピロピロ」(角川文庫)、「沖縄上手な旅ごはん」(文藝春秋)、「極楽おいしい二泊三日」(文藝春秋)、「ジバラン」(日経BP社)などの著書がある。

東京出身。東京大森在住。横浜(保土ケ谷)、苦楽園・夙川・芦屋などにも住む。
仕事・講演・執筆などのお問い合わせは、satonao310@gmail.com まで。

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