egword 販売終了

2008年2月 4日(月) 5:18:40

ずっとMac用のワープロソフトに悩んできた。
OS9の頃は「ORGAI」で決まりだった。原稿用紙モードがあったし、縦書きもスムーズ。書き下ろした「胃袋で感じた沖縄」(文庫化の時に「沖縄やぎ地獄」に改題)も確かこのワープロソフトを使った。でも20世紀中に販売終了になってしまった。あのときはガックリ来たなぁ。一冊書き終えたワープロソフトって愛着もあるし使い慣れしているし、なにより「あのソフトで一冊書けた」という自信が大きいのだ。もしくは「あのソフトがあれば次の一冊もすらすら書けるのではないか」という妄想。そういうのって大事なのだ。ゲン担ぎみたいなもの。だからほんなこつガックリ来た。

その後しばらくはワープロソフトに頼らず、「J-Edit」というエディターで書いて、書き終わったものをMac版「Word」に貼り付けて字数を計るという面倒なことをやっていた。Mac版「Word」は縦書きモードがダメダメな上に、字数が1万字を越えると俄然落ちやすくなったりして全く動作が信用できなかったので、そんな遠回りな作業となった。

で、最終的に行き着いたのが「egword」。
特に去年アップデートされた「egword Universal」。

これの縦書き原稿用紙モードで「明日の広告」も書ききった。10万字書いてもサクサク動くし、いろんな小技も利いていて「あぁこのワープロソフトさえあれば、これからも文章を書いていける」と感激したものだ。原稿用紙のマス目の色まで変えられるので、見た目を大事にするボクにはとても合っていた。

ところが、突然「1月28日で販売終了」との悲しい知らせが!
「日本語ワープロ『egword』ならびに日本語入力システム『egbridge』シリーズはMacintoshが登場した1984年から24年の長きにわたり、ユーザの方々から高い支持を受けて参りました。このたび、Mac OS Xにおける日本語環境の成熟などから、パッケージソフト事業を終了する時期であると判断するに至りました」と、哀しい文言のお手紙が届いた。

目の前真っ暗になったよ。オーバーでなく。
みなさんもお気に入りのいい道具をなくしたら目の前真っ暗になるでしょう? すごく書きやすく、それがあったらいい文章も書ける気がするような文房具。それがボクにとってまさに「egword」だったのである。

あぁこれからどうしようかなぁ。
他のソフトは縦書きモードがない。あっても貧弱だ。新しいMac版「Word 2008」もどうも信用できない。ちょこっとした書類ならいいが、一冊分の多量なる文章を操るようには出来ていない。10万字の文章の途中を数行削除しても瞬時に更新してくれるようなサクサクしたワープロソフトはMacの場合「egword」だけである。困ったなぁ。え? いや、Winに変えるのはありえない。フォントやデザインが汚すぎる。いい文章が書ける気がしない。←見た目に左右されるタイプ。

もちろん、販売終了だからといって、いまあるソフトが使用できなくなるわけではない。当分は大丈夫。
でも、これからもAppleは新しいOSを出し続ける。将来そのOSに対応した「egword」はもう出ない、ということだ。いったいどうすればいいんだろう。マジで途方に暮れている。

佐藤尚之(さとなお)

佐藤尚之

佐藤尚之(さとなお)

コミュニケーション・ディレクター

(株)ツナグ代表。(株)4th代表。
復興庁復興推進参与。一般社団法人「助けあいジャパン」代表理事。
大阪芸術大学客員教授。やってみなはれ佐治敬三賞審査員。
花火師。

1961年東京生まれ。1985年(株)電通入社。コピーライター、CMプランナー、ウェブ・ディレクターを経て、コミュニケーション・デザイナーとしてキャンペーン全体を構築する仕事に従事。2011年に独立し(株)ツナグ設立。

現在は広告コミュニケーションの仕事の他に、「さとなおオープンラボ」や「さとなおリレー塾」「4th(コミュニティ)」などを主宰。講演は年100本ペース。
「スラムダンク一億冊感謝キャンペーン」でのJIAAグランプリなど受賞多数。

本名での著書に「明日の広告」(アスキー新書)、「明日のコミュニケーション」(アスキー新書)、「明日のプランニング」(講談社現代新書)。最新刊は「ファンベース」(ちくま新書)。

“さとなお”の名前で「うまひゃひゃさぬきうどん」(コスモの本、光文社文庫)、「胃袋で感じた沖縄」(コスモの本)、「沖縄やぎ地獄」(角川文庫)、「さとなおの自腹で満足」(コスモの本)、「人生ピロピロ」(角川文庫)、「沖縄上手な旅ごはん」(文藝春秋)、「極楽おいしい二泊三日」(文藝春秋)、「ジバラン」(日経BP社)などの著書がある。

東京出身。東京大森在住。横浜(保土ケ谷)、苦楽園・夙川・芦屋などにも住む。
仕事・講演・執筆などのお問い合わせは、satonao310@gmail.com まで。

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