リンチ・スイッチ

2007年9月14日(金) 7:25:28

世の中の全員から「無責任」とか「資質がない」とか「ひよわ」とか言われるのってどんな気持ちなんだろう。

戯れに安倍首相の気持ちをリアルに想像していたら、なんだかとってもドキドキし、昨日は朝からずっと落ち込んでいた。人生を悲観した。しまいには生きるのまでイヤになってきた。わかりやすいなオレ。でも、なんつうか「辞める」と言える勇気があってよかった。欝の本とか読むとよくわかるが、これはもう相当勇気がいることだ。

もちろんプロの政治家そして国の代表者として、今回の一連はまずい。そこは弁護しない。
でも、それにしても叩き方が少々醜い。圧倒的に追いつめてなお叩く。「武士の情け」という言葉はどこへ行った。追いつめた挙げ句、誇りまでずたずたにする斬り方は、あまりにも「情け」ない。

なんか「リンチ・スイッチ」というのが日本人にはある。
政治家、社長、有名人、大金持ちなど、まぁ「わかりやすく大きな存在」は、足をひっぱっても叩いてもいいんだ、どうせ人間の心なんて持ってないんだ、裏で悪いことしてんだ、おいしい蜜吸ってきたんだ、いい気味だ、とか、極端に走る。そして大合唱。今回も大合唱の連続だ。辞めろ辞めろと大合唱し、辞めたら辞めたで無責任とまた大合唱し、あぁやっぱり「鬼畜米英の大合唱」で団結した国民性なんだな、と、なんだか理解した。認めたくないが、日本人には戦争の資質がある。憎しみやねたみでスイッチが入り、大同団結する。そして国民大合唱。気をつけないと。

そこそこの幸せと気分の安定を求めている今の若者は、もう「目立つのは面倒で大変」って知ってしまったゆえ、そういう場所を目指す人がどんどん減ってくるだろうな。少なくとも、総理大臣を志す若者や、横綱を目指す若者は、最近のドタバタで激減したんじゃないかな。

佐藤尚之(さとなお)

佐藤尚之

佐藤尚之(さとなお)

コミュニケーション・ディレクター

(株)ツナグ代表。(株)4th代表。
復興庁復興推進参与。一般社団法人「助けあいジャパン」代表理事。
大阪芸術大学客員教授。やってみなはれ佐治敬三賞審査員。
花火師。

1961年東京生まれ。1985年(株)電通入社。コピーライター、CMプランナー、ウェブ・ディレクターを経て、コミュニケーション・デザイナーとしてキャンペーン全体を構築する仕事に従事。2011年に独立し(株)ツナグ設立。

現在は広告コミュニケーションの仕事の他に、「さとなおオープンラボ」や「さとなおリレー塾」「4th(コミュニティ)」などを主宰。講演は年100本ペース。
「スラムダンク一億冊感謝キャンペーン」でのJIAAグランプリなど受賞多数。

本名での著書に「明日の広告」(アスキー新書)、「明日のコミュニケーション」(アスキー新書)、「明日のプランニング」(講談社現代新書)。最新刊は「ファンベース」(ちくま新書)。

“さとなお”の名前で「うまひゃひゃさぬきうどん」(コスモの本、光文社文庫)、「胃袋で感じた沖縄」(コスモの本)、「沖縄やぎ地獄」(角川文庫)、「さとなおの自腹で満足」(コスモの本)、「人生ピロピロ」(角川文庫)、「沖縄上手な旅ごはん」(文藝春秋)、「極楽おいしい二泊三日」(文藝春秋)、「ジバラン」(日経BP社)などの著書がある。

東京出身。東京大森在住。横浜(保土ケ谷)、苦楽園・夙川・芦屋などにも住む。
仕事・講演・執筆などのお問い合わせは、satonao310@gmail.com まで。

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