うめめ

2007年7月18日(水) 5:48:27

娘さん、写真部なのに普通のデジカメでいいんですか? とご質問いただいたけど、いいんです。というか、Caplio R6は「普通」ではないし。多機能高級コンパクト・デジカメ。超接写1cm・広角28mm・光学ズーム7倍と、今ここまでボクの欲求を満たしているデジカメは他にない。CASIOのEX-P600とメイン・デジカメの座を争う予定(娘に買ったのに自分も使う気でいるらしい)。

いや、たぶん「写真部なら、デジカメではなくて、もっと凝った銀塩カメラの方がいいのでは?」という趣旨の質問だと思うけれど、それもいいんです。というのも、アラーキーに始まり、HIROMIXと来て、なんつうか、安いコンパクト・カメラでも「いい写真が撮れる」のがよくわかったから。つまりデジカメでもなんでもいい。要は撮る人の視点なんだな、って。

そして、最近「うめめ」という秀逸な写真集に出会い、その思いを強くした。

2006年度木村伊兵衛写真賞を受賞した梅佳代という人が出したファースト写真集。
この写真集がイイ。とてもイイ。本屋でちょっと立ち読みして即買い。どの写真にも右下に日付が焼き付けてあるので、たぶんコンパクト・カメラで撮ったのだと思うけど、写真は結局技術じゃなくて視点だなぁ、ってあからさまに教えてくれる。まぁ、「うめめ」=梅目、という題名からして視点の話なのだけど。でもそれにしても一見素人写真との境がわからないところがすごい。

もちろんさりげない撮り方でもそこに技術の裏付けがあるのだろうけど、でも、よく、玄人はだしのオジサンとかが撮る凝った花の写真とかあるじゃん? そういうのにあまり魅力を感じないように、技術が勝った写真って心に響いてこない気がするな。やっぱそこになにか「その人が発見した世界の新しい見方」がないと。

ま、芸術はどれもそうだし、商品や広告やサービス、そして普通の会話ですら、それがないと魅力的ではないのだけど。
会話の延長でいえば、例えばお笑いが面白いのは芸人が世界の新しい見方を提供してくれるからだし。我々は思っても見なかったモノの見方に笑うわけで。そういう意味では長年テレビのトップで活躍している一部の芸人・タレント・司会者などは、常に新しい見方を提供しつづけてくれているからスゴイのだと思う。尊敬に値する。でもそれを提供しなくなった途端に飽きられてしまうだろうから、厳しい世界だなぁ。って、話が大幅にズレちゃったけど。

佐藤尚之(さとなお)

佐藤尚之

佐藤尚之(さとなお)

コミュニケーション・ディレクター

(株)ツナグ代表。(株)4th代表。
復興庁復興推進参与。一般社団法人「助けあいジャパン」代表理事。
大阪芸術大学客員教授。やってみなはれ佐治敬三賞審査員。
花火師。

1961年東京生まれ。1985年(株)電通入社。コピーライター、CMプランナー、ウェブ・ディレクターを経て、コミュニケーション・デザイナーとしてキャンペーン全体を構築する仕事に従事。2011年に独立し(株)ツナグ設立。

現在は広告コミュニケーションの仕事の他に、「さとなおオープンラボ」や「さとなおリレー塾」「4th(コミュニティ)」などを主宰。講演は年100本ペース。
「スラムダンク一億冊感謝キャンペーン」でのJIAAグランプリなど受賞多数。

本名での著書に「明日の広告」(アスキー新書)、「明日のコミュニケーション」(アスキー新書)、「明日のプランニング」(講談社現代新書)。最新刊は「ファンベース」(ちくま新書)。

“さとなお”の名前で「うまひゃひゃさぬきうどん」(コスモの本、光文社文庫)、「胃袋で感じた沖縄」(コスモの本)、「沖縄やぎ地獄」(角川文庫)、「さとなおの自腹で満足」(コスモの本)、「人生ピロピロ」(角川文庫)、「沖縄上手な旅ごはん」(文藝春秋)、「極楽おいしい二泊三日」(文藝春秋)、「ジバラン」(日経BP社)などの著書がある。

東京出身。東京大森在住。横浜(保土ケ谷)、苦楽園・夙川・芦屋などにも住む。
仕事・講演・執筆などのお問い合わせは、satonao310@gmail.com まで。

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