共同体、ちゃくちゃくと崩壊

2007年2月20日(火) 7:52:45

2月ド頭に中学受験本番があったのだが、3週間近く経ったここ数日、ようやく友人のお子さんの合否が聞こえてきた。みんな「あの人のお子さん、受かったかしら? いろいろ話したいけど電話しにくいし」と自粛しあって、受かった同士でも落ちた同士でも完全ボツ交渉になるのである。

それは子供社会でも同じなようで、娘に近所の子の様子を聞いても「○○ちゃん、どこ受かったか知らない」とか言う。同じクラスでもどの子がどの中学に行くかわからないらしい。もうすぐ卒業式でお別れなのに、友達がどこの中学に行くかもわからないのはちょっと寂しい。

まぁ落ちていたら悪いから聞きにくい、という気遣いもあるだろうけど、個人情報意識も相当普及しているのだろうなぁ。

子供を持たない方はわからないかもしれないが、いまの公立小学校は同じクラスの友達の住所すらわからない構造になっている(少なくともうちの区立小学校は)。
個人情報保護である。緊急連絡網はあるので電話番号は判明しているが、住所は本人が教えてくれないとわからない。だから年賀状のやりとりも住所を本人に聞くことができる親しい友人とだけ。年賀状をキッカケに親しくなるとか心が近づくなんてことはありえない世界。どうなのよ、それ。

というか、担任の先生ですら自分の住所を明かしていない(少なくともうちのクラスは)。
なので娘は担任の先生に年賀状を出せなかった模様。始業式の日に持っていって手渡ししたらしい(笑)。まぁ犯罪もいろいろ起こっているから仕方ない部分はあるだろうが、それにしても寂しいことである。いや、寂しいではすまされないな。逆にこういう「薄い共同体意識」こそ犯罪の温床であったりする。地元の小さな公立小学校ですら友達が住んでいる家を知れないこの薄さ。地域の子供に目が届かないどころではない。

佐藤尚之(さとなお)

佐藤尚之

佐藤尚之(さとなお)

コミュニケーション・ディレクター

(株)ツナグ代表。(株)4th代表。
復興庁復興推進参与。一般社団法人「助けあいジャパン」代表理事。
大阪芸術大学客員教授。やってみなはれ佐治敬三賞審査員。
花火師。

1961年東京生まれ。1985年(株)電通入社。コピーライター、CMプランナー、ウェブ・ディレクターを経て、コミュニケーション・デザイナーとしてキャンペーン全体を構築する仕事に従事。2011年に独立し(株)ツナグ設立。

現在は広告コミュニケーションの仕事の他に、「さとなおオープンラボ」や「さとなおリレー塾」「4th(コミュニティ)」などを主宰。講演は年100本ペース。
「スラムダンク一億冊感謝キャンペーン」でのJIAAグランプリなど受賞多数。

本名での著書に「明日の広告」(アスキー新書)、「明日のコミュニケーション」(アスキー新書)、「明日のプランニング」(講談社現代新書)。最新刊は「ファンベース」(ちくま新書)。

“さとなお”の名前で「うまひゃひゃさぬきうどん」(コスモの本、光文社文庫)、「胃袋で感じた沖縄」(コスモの本)、「沖縄やぎ地獄」(角川文庫)、「さとなおの自腹で満足」(コスモの本)、「人生ピロピロ」(角川文庫)、「沖縄上手な旅ごはん」(文藝春秋)、「極楽おいしい二泊三日」(文藝春秋)、「ジバラン」(日経BP社)などの著書がある。

東京出身。東京大森在住。横浜(保土ケ谷)、苦楽園・夙川・芦屋などにも住む。
仕事・講演・執筆などのお問い合わせは、satonao310@gmail.com まで。

アーカイブ

同カテゴリーの他記事