センチメンタル・イーティング
2006年12月10日(日) 8:46:30
大阪。
思った以上に二日酔いがひどく、ヨチヨチとなんばの「千とせ」へ。
「肉吸いと卵かけ御飯〜」と心の中でイメージしつつ(肉吸いとは肉うどんのうどん抜きなのだが、意外とあの脂な感じが二日酔いの胃にイイのである)、やっとこさ辿り着いたらなんと「本日臨時休業」の貼り紙が!
どっひぇーとぶっ飛んで、その勢いで斜め向かいにある「釜たけうどん」に入ってしまった。さぬきうどんの有名店である。おぉ、ぐっと踏み込む歯を包み込む系ムニムニうどんじゃん。なかなかうまい。入り口横に「うまひゃひゃさぬきうどん」も発見。我が本ながらなんだか懐かしい。
そのまま「なんばグランド花月」方面に歩いていくとその横で行列が。ふーん、このたこ焼き屋は入ったことなかったなぁと二日酔いも忘れて思わず並んで買ってしまう。でも正解だった。うまかった。「ワナカ」というたこ焼き屋さん。急に他のたこ焼きと食べ比べてみたくなって「会津屋」「大阪で一番おいしいたこやきくん」などで食べてみる。んー「ワナカ」の方が好きかも。
たこ焼きと言えば、大阪勤務時代に一番好きだった天満の「うまい屋」へ昨日行ってみたら火事(類焼)で店自体がなくなっていた。来春には再開するらしいが残念。あの古い雰囲気も良かったのに。
小麦粉を胃に入れたら急に調子が悪くなった(というか食べ過ぎ?)。
中崎の住宅街に友達が開いたカフェ「kitchen」に行き、水をもらって休憩。この店、以前は近くで小さく営業していたのだが、築80年の一軒家に移り、とてもオシャレでコージーなカフェに変身していた。だらだらしゃべって別れ、中崎を少し歩く。この辺オシャレな小さい店がいっぱい出来たなぁ。
ホテルに帰り昼寝。だいぶ調子が戻ったので夜ご飯食べに福島の「う越貞」(うおさだ)へ。途中、福島近辺も散歩したが、びっくりするほど今風の店が増えていた。
「う越貞」に来るのは10年ぶりくらいかなぁ…。懐かしい。一緒に行くはずの後輩が急病で救急車で運ばれたので(マジ)、ひとりカウンターで。数年前からじわじわと仕入れ先を変えているらしく、最上質の魚がズラリと並んでいる。へぇ、ずっと勉強を怠らない人なんだなぁとうれしくなる。八幡浜の白甘鯛と五島列島のくえが特に印象的。そーとー上質。うまかった。ご夫婦でやっている小さい素朴な居酒屋だけど、大阪でも最上の魚を出す一軒になっていた。また来よう。次は間人と同じくらい質がいいという津居山の松葉ガニを。
本当はその後苦楽園のいつものバーに飲みに行こうと思っていたのだが、大将が倒れて気弱になっていると聞いていたホテル阪神地下の「奴寿司」へお見舞いがてら伺うことにした。
大阪勤務時代は曽根崎新地の雑居ビルの地下の小さな店で営業していた店。知る人ぞ知るその「奴寿司」(天満の同名店とは別物)を誘致するとはホテル阪神もなかなかやるなと当時舌を巻いたものである。
谷大将とは仲良くて、いっつも冗談言いあいながらじゃれていた。というか若かったボクが鮨の食べ方や美味しさを知ったのはこの店のおかげ。カウンターでひとり食べることもここで覚えた。20代のボクにはちょうどいい敷居の低さと値段と味だったのだ。
谷大将はいまでは若手に任せて週数回しかカウンター内に立っていないらしいが、運良く今日は立っていた。最初はお互いぎこちない感じ。でも、「どうも! お久!」「……あれ? あ! あ〜!」と照れ臭く再開の挨拶を交わしているうちにだんだん昔の調子に戻ってきた。お互いの老け加減をからかいあいながら何貫か握ってもらう。あぁ懐かしい。そうだった。これが谷さんの握りの味だった。鮨リテラシーが上ってしまった今ではいろいろ思うこともあるが、それでもボクは「谷大将の手で握ってもらった鮨が好き」である。あの手でボクのために握ってくれた鮨はとても特別な味がする。
彼は倒れてもすぐ現場に復帰して元気にやっているが、確かに少し気弱になっているっぽい。「最近元気がなかったけど、佐藤さんの顔みて少し元気そうになった」と奥さん。でも握りはちゃんと元気な頃の谷さんの味だったよ。また来るから絶対握り続けてな。ちょっとセンチになりつつ店を出る。センチメンタル・イーティング。
