父親たちの星条旗

2006年12月 1日(金) 21:21:18

ビリー・ジョエルのライブがとても良かったらしい。マリインスキー劇場のロパートキナが絶品らしい。エッシャー展もよかったらしい。「フラ・ガール」も見逃しちゃったよ…。
というか、「娘が受験だし、どうせ家族全体息潜めて生きるならあと3ヶ月強ストイックに生きちゃおう計画」が気持ち的に盛り上がっていたのが9月10月だったので、秋の公演その他に目をつぶることにしてしまった後悔。うぅ。いろいろ観たかったなぁ。

とはいえ、第二部が来る前にコレだけは劇場で観ておかなければならぬ! と、映画「父親たちの星条旗」を今週なんとか観てきた。ギリギリですな。もうすぐ第二部「硫黄島からの手紙」が公開されてしまう。

感想は…。
んーと、阪神大震災の時に感じた感覚を少し思い出したです。わかりにくいかもしれないけど。

えーと、震災のときに「これってリアリティないな」と感じたんですね。神戸の現場にいながら。すごくリアルに家とか町とかが壊れていてヒトも死んでるのに、マジでリアリティがなかったわけ。あまりの現実の凄さに自分が幽体離脱して遠くから見つめている感じ。

その「リアルだけどリアリティがないというリアリティ」を、もしかしたら初めて描いた映画ではないか、と思ったです、この映画。

迫真のリアルを描いた映画はいろいろあるけど(プライベート・ライアンとか)、リアリティがないくらいリアルな現場の空気を描いたリアルさは他にはないと思うのです。

感想終わり。
…っていうか、困ったな。大きな障害がひとつありまして、集中できなかったのです。

つうのは、お隣に鼻が不自由な方が座っていて、3秒おきに「ふがっ」とするですよ。
鼻をすするのではなく、ふがっと鳴らすの。もうね、トリュフを探すブタLike。イーストウッドが描く渾身のリアリティにググッと心を持っていかれ、戦場の爆音にさらされて「うわ〜」と圧倒され、その余韻に感情をゆだねている静寂を「ふがっ」で穢される悲劇。まったくもってのめり込めなかったですね。心がスクリーンに入っていけなかった。

彼の周りの観客(隣はボク)はみな被害者系連帯を持って、奥床しく闘ったと思う。
あからさまにそのオジサンの顔を覗き込んだり、足を頻繁に組みかえてイライラを表現したり、「チッ」と舌を鳴らしたりの波状攻撃。みんなよくがんばった。でもそのオジサンまったく気付かない。うぅぅ。ある意味すごいよ。すごいスクリーン集中力だよ。

もしかしたら身体的なものかもしれないので強くは責められないが、それにしてもあんまりだった。もう一度観ようかな。でも阪神大震災を妙に思い出すので、ちょっと怖い。

佐藤尚之(さとなお)

佐藤尚之

佐藤尚之(さとなお)

コミュニケーション・ディレクター

(株)ツナグ代表。(株)4th代表。
復興庁復興推進参与。一般社団法人「助けあいジャパン」代表理事。
大阪芸術大学客員教授。やってみなはれ佐治敬三賞審査員。
花火師。

1961年東京生まれ。1985年(株)電通入社。コピーライター、CMプランナー、ウェブ・ディレクターを経て、コミュニケーション・デザイナーとしてキャンペーン全体を構築する仕事に従事。2011年に独立し(株)ツナグ設立。

現在は広告コミュニケーションの仕事の他に、「さとなおオープンラボ」や「さとなおリレー塾」「4th(コミュニティ)」などを主宰。講演は年100本ペース。
「スラムダンク一億冊感謝キャンペーン」でのJIAAグランプリなど受賞多数。

本名での著書に「明日の広告」(アスキー新書)、「明日のコミュニケーション」(アスキー新書)、「明日のプランニング」(講談社現代新書)。最新刊は「ファンベース」(ちくま新書)。

“さとなお”の名前で「うまひゃひゃさぬきうどん」(コスモの本、光文社文庫)、「胃袋で感じた沖縄」(コスモの本)、「沖縄やぎ地獄」(角川文庫)、「さとなおの自腹で満足」(コスモの本)、「人生ピロピロ」(角川文庫)、「沖縄上手な旅ごはん」(文藝春秋)、「極楽おいしい二泊三日」(文藝春秋)、「ジバラン」(日経BP社)などの著書がある。

東京出身。東京大森在住。横浜(保土ケ谷)、苦楽園・夙川・芦屋などにも住む。
仕事・講演・執筆などのお問い合わせは、satonao310@gmail.com まで。

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