解禁アブサンをやっと飲む

2005年9月 7日(水) 5:30:03

今年の3月に発祥地スイスで正式解禁された本物のアブサンを昨晩「BARテンダリー」で飲んだ。品薄でなかなか手に入らないということでストレートで一杯だけ。おぉこれがアブサンか!と感慨深い。

ランボー、ボードレール、ピカソら多くの芸術家が愛飲した酒、アブサン。彼らがアブサンを愛すこと崇拝に近かったという。ゴッホが自らの左耳を切り落としたのはアブサンを飲みつづけたことによる精神病の悪化と言われてるしね。インスピレーションが得られる酒と思われ、当時の芸術家たちに常用されていたらしい。

アブサンはもともと医薬品。ニガヨモギを中心に多くの薬草や香草で風味を加えたアルコール度数60〜75度の強いリキュール。
中毒性が高く問題になっていたところに、1905年にアブサンを飲んだ農民が妻や子供を射殺した事件が起こり、飲むと幻覚作用が起こる「禁断の酒」としてスイスおよび近隣諸国で製造や販売が禁止されたらしい。
で、今年3月。毒性や幻覚作用には科学的根拠がないとしてスイス議会で承認され、約1世紀ぶりに解禁されたというもの(近隣諸国では約20年前に解禁されたらしいけど…)。本場スイスのアブサン。全世界的に飲んべえが奪い合っているのだろうな。「テンダリー」が手に入れられたのもこの一本だけという。

アブサンが禁止された後、アニスを使ってアブサンに近い風味を出した代用品が流通した。パスティスが代表的。ペルノーやリカールはボクも常飲している。アニス好きなのだ。だから、アニスで作った「アブサン」という名前の酒はこれまで何度も飲んだことがあるが、これはニガヨモギを使った本物のアブサンとは違うもの。

ということで、本物のアブサン。ストレートでグビッと行ったのだが、まず喉に火がついた後、鼻の奥アニスに近いさわやかな香りが広がり、その後ゆっくり口の奥に苦みがくる感じ。ベタッとした甘みが皆無で、まとわりつくような女々しさもない。キレ味やよし。んでもって飲み終わった後、食道のあたりに香りが常駐する感覚。

なるほど芸術家たちがちょっと顔をしかめつつグビッとやるのに最適な酒かも。この残り香や食道のあたりの気持ちよさも独特なものだしな。ちょっといい詩や画が描けそうになる気持ちもわかる気がする。夜に沈みこんでいくような酒ではなく、どこかポジティブな香りを持つ酒でもあるのである。

そのうえ寝覚めもスッキリ! 朝5時にパチッと!(ジジイかよ)

佐藤尚之(さとなお)

佐藤尚之

佐藤尚之(さとなお)

コミュニケーション・ディレクター

(株)ツナグ代表。(株)4th代表。
復興庁復興推進参与。一般社団法人「助けあいジャパン」代表理事。
大阪芸術大学客員教授。やってみなはれ佐治敬三賞審査員。
花火師。

1961年東京生まれ。1985年(株)電通入社。コピーライター、CMプランナー、ウェブ・ディレクターを経て、コミュニケーション・デザイナーとしてキャンペーン全体を構築する仕事に従事。2011年に独立し(株)ツナグ設立。

現在は広告コミュニケーションの仕事の他に、「さとなおオープンラボ」や「さとなおリレー塾」「4th(コミュニティ)」などを主宰。講演は年100本ペース。
「スラムダンク一億冊感謝キャンペーン」でのJIAAグランプリなど受賞多数。

本名での著書に「明日の広告」(アスキー新書)、「明日のコミュニケーション」(アスキー新書)、「明日のプランニング」(講談社現代新書)。最新刊は「ファンベース」(ちくま新書)。

“さとなお”の名前で「うまひゃひゃさぬきうどん」(コスモの本、光文社文庫)、「胃袋で感じた沖縄」(コスモの本)、「沖縄やぎ地獄」(角川文庫)、「さとなおの自腹で満足」(コスモの本)、「人生ピロピロ」(角川文庫)、「沖縄上手な旅ごはん」(文藝春秋)、「極楽おいしい二泊三日」(文藝春秋)、「ジバラン」(日経BP社)などの著書がある。

東京出身。東京大森在住。横浜(保土ケ谷)、苦楽園・夙川・芦屋などにも住む。
仕事・講演・執筆などのお問い合わせは、satonao310@gmail.com まで。

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