ボクが訓練された軍人だったら

2004年5月10日(月) 8:29:42


昨日は1年に1回の「花火師免許更新講習会」であった。打ち上げ花火免許(煙火打揚従事者証)の更新日。これで花火師人生も2年目に突入。車の免許更新と同じように「おそろしい事故事例」みたいなのを散々聞かされ「う〜怖いよ〜花火師なんかやめようかな〜」などと一瞬思ったが、あの打ち上げ時の快感や観客の拍手の気持ちよさを思い出すと「やっぱ、やろっと」になってしまう。慎重の上にも慎重を重ねて準備して、今年も楽しく花火を上げよう。

グアンタナモの話を書いた翌日に、あそこでも虐待していたことが発表された。もっともっと事例はあるはず。

しかし、捕虜や収容者への虐待問題って、自分に当てはめて考えてみるとなかなか難しいものがあるのも確か。ボクが敵国人を殺すために訓練された軍人だとしたら、敵国人を憎むことで心の中の葛藤を封じるわけで、そしてその憎しみを持ったまま収容者に接するわけで。 相手の人権を現場できちんと考えられるものか、心の中でシミュレーションしてみると自信がなかったりもする。
つか、根本的なことであるが、軍人が収容所を運営してはいけないのではないか。客観的になれる民間機関にやらせた方がいいのではないか。そんなことをつらつら。

そう、憎しみがないと敵国人など殺せない。もしくはゲーム感覚か狩り感覚か、はたまた強い差別意識がないと殺せない。敵国に平和を与えるために敵国人を殺すなんてことはアリエナイのだ。
アメリカ軍人は「イラクを平和にしたいんだ! 民主国家設立のためなんだ!」と叫びながら機関銃を連射してイラク人を殺しているわけではない。憎しみと強い差別、殺さなければ殺されるという恐怖心、母国への愛国心などで心にフタをしてイラク人を殺し、その延長線上で捕虜たちに接するのだ。殺された同僚の気持ちまで捕虜にぶつけるのだ。こう考えてくると、ジュネーブ条約自体が偽善の産物だからして、こういう虐待問題が将来にわたってなくなることはないだろう。戦争がなくならない限り。

佐藤尚之(さとなお)

佐藤尚之

佐藤尚之(さとなお)

コミュニケーション・ディレクター

(株)ツナグ代表。(株)4th代表。
復興庁復興推進参与。一般社団法人「助けあいジャパン」代表理事。
大阪芸術大学客員教授。やってみなはれ佐治敬三賞審査員。
花火師。

1961年東京生まれ。1985年(株)電通入社。コピーライター、CMプランナー、ウェブ・ディレクターを経て、コミュニケーション・デザイナーとしてキャンペーン全体を構築する仕事に従事。2011年に独立し(株)ツナグ設立。

現在は広告コミュニケーションの仕事の他に、「さとなおオープンラボ」や「さとなおリレー塾」「4th(コミュニティ)」などを主宰。講演は年100本ペース。
「スラムダンク一億冊感謝キャンペーン」でのJIAAグランプリなど受賞多数。

本名での著書に「明日の広告」(アスキー新書)、「明日のコミュニケーション」(アスキー新書)、「明日のプランニング」(講談社現代新書)。最新刊は「ファンベース」(ちくま新書)。

“さとなお”の名前で「うまひゃひゃさぬきうどん」(コスモの本、光文社文庫)、「胃袋で感じた沖縄」(コスモの本)、「沖縄やぎ地獄」(角川文庫)、「さとなおの自腹で満足」(コスモの本)、「人生ピロピロ」(角川文庫)、「沖縄上手な旅ごはん」(文藝春秋)、「極楽おいしい二泊三日」(文藝春秋)、「ジバラン」(日経BP社)などの著書がある。

東京出身。東京大森在住。横浜(保土ケ谷)、苦楽園・夙川・芦屋などにも住む。
仕事・講演・執筆などのお問い合わせは、satonao310@gmail.com まで。

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