結果論を語るのはたやすいし賢い

2003年3月21日(金) 10:00:33

テロの脅威→大量破壊兵器装備解除→独裁者フセイン打倒→イラク国民解放・民主化、と、論理のすり替えだらけの今回の戦争。すごいなぁ。力を持つ者がする限り、世界が見ている白日の下でここまで論理を変えてきてもなんとなく認められてしまうんだな。「だから力を持ちなさい。世の中は勝てば官軍なのだよ。官軍は人を殺しても認められちゃうんだよ。勝ち組に回らないとなんにもできないのだよ」と子供に教えるか。人生には得な人生と損な人生があって、理念より利益(人生益・国益)が大事なのだよ、と教えるか。

利にさとい人たち(国たち)はもう戦争を既存のものとして直感的・戦略的に勝ち組のスタンスに合わせようとしている。戦争には反対、と理念を語るふりをしながら積極的には反対せず空気を読んで上手に生きようとしている。ボクは子供に上手に生きてほしいのかどうか。ただでさえ厳しい世の中で、場合によっては下手に生きろと言えるか。下手に生きて世の中から置いていかれても誇りをもって子供を褒められるか。正直わからない。

生きるのが下手なのかも、と、このごろ自信がないボクは、今日も「ピースウォーク」(http://www.worldpeacenow.jp/)に行こうと思う。うはは。もう遅いと笑われるか。日本で歩いたって何の解決にもならんとバカにされるか。でも、戦争による解決は反対!とか思っていても行動に移さないのは「消極的賛成」なのだ。積極的に反対している人がここにもいる、と主張するためにボクは歩こう。おとといから発熱しているのが不安だが。

イラク国民が歓呼の声を持って米軍を迎える結末がきっと待つ。アメリカは重大なルール違反をしたけど結果的にイラクは民主化されたし良かったんじゃない?という国際世論もたぶん待つ。その空気に乗じて「オレもそう思っていたよ」と結果論を語るのはたやすいし賢い。客観的な知識人ぽくてカッコよくもある。でも、賢く生きるだけでいいのか。自分を(父として)問いつめながら、ボクは歩く。

佐藤尚之(さとなお)

佐藤尚之

佐藤尚之(さとなお)

コミュニケーション・ディレクター

(株)ツナグ代表。(株)4th代表。
復興庁復興推進参与。一般社団法人「助けあいジャパン」代表理事。
大阪芸術大学客員教授。やってみなはれ佐治敬三賞審査員。
花火師。

1961年東京生まれ。1985年(株)電通入社。コピーライター、CMプランナー、ウェブ・ディレクターを経て、コミュニケーション・デザイナーとしてキャンペーン全体を構築する仕事に従事。2011年に独立し(株)ツナグ設立。

現在は広告コミュニケーションの仕事の他に、「さとなおオープンラボ」や「さとなおリレー塾」「4th(コミュニティ)」などを主宰。講演は年100本ペース。
「スラムダンク一億冊感謝キャンペーン」でのJIAAグランプリなど受賞多数。

本名での著書に「明日の広告」(アスキー新書)、「明日のコミュニケーション」(アスキー新書)、「明日のプランニング」(講談社現代新書)。最新刊は「ファンベース」(ちくま新書)。

“さとなお”の名前で「うまひゃひゃさぬきうどん」(コスモの本、光文社文庫)、「胃袋で感じた沖縄」(コスモの本)、「沖縄やぎ地獄」(角川文庫)、「さとなおの自腹で満足」(コスモの本)、「人生ピロピロ」(角川文庫)、「沖縄上手な旅ごはん」(文藝春秋)、「極楽おいしい二泊三日」(文藝春秋)、「ジバラン」(日経BP社)などの著書がある。

東京出身。東京大森在住。横浜(保土ケ谷)、苦楽園・夙川・芦屋などにも住む。
仕事・講演・執筆などのお問い合わせは、satonao310@gmail.com まで。

アーカイブ

同カテゴリーの他記事