「素晴らしき哉、人生!」
It's a Wonderful Life
Frank Capra
James Stewart, Donna Reed, Lionel Barrymore, Thomas Mitchell, Henry Travers, Beulah Bondi
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1947年製作
130 minutes
| 製作・監督・ | フランク・キャプラ |
|---|---|
| 撮影・・・・ | ジョセフ・ウォーカー |
| 音楽・・・・ | ディミトリ・ディオムキン |
| キャスト・・ | ジェームズ・スチュワート ドナ・リード ヘンリー・トラヴァース ライオネル・バリモア |
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ジェームズ・スチュワートが亡くなってしまいました。
1997年7月2日。89歳。
なんてこったいまったく……
久しぶりにショック。
「あの人と同じ時代に生きれて光栄だ」と思うような存在のうちのひとりだったんですよね、ボクにとって。
まぁ久しく映画には出てませんから生きていても死んでいてもボクの人生にはな〜んにも関係はないのですが、それでも生きていてほしかった…。
まぁ気を取り直して。
とりあえず今回は彼を偲んでみようかな。
どの映画を取り上げるか、かなり迷いました。
「グレンミラー物語」も「裏窓」も「翼よ!あれが巴里の灯だ」もいい。「スミス都へ行く」も「めまい」も「リバティバランスを射った男」も「フィラデルフィア物語」もいいなぁ。
でもやっぱりこれですね。「素晴らしき哉、人生!」。
ハッピィエンド党最右翼のフランク・キャプラ監督と、ザ・アメリカの良心ことジェームズ・スチュワートがタッグを組んだ一連の名作(「スミス都へ行く」も「我が家の楽園」もそうですよね)の中でも特に彼の魅力がまっすぐに出ている名作がこれだと思うのです。
まさに「人生まるごと肯定映画」。
なにせ原題が「It's A Wonderful Life」ですから。
1990年代ともなるとこうはっきり言う人はいないでしょう。
It's A Wonderful Life!!!
そのまんまですもの。赤面してしまいます。でもこういう言葉を照れずに言える時代っていいよね。
平成の日本なんて「希望」という言葉すら死語になろうとしていますからね。こんなことでいいのでしょうか。
閑話休題。
でもこの映画、とっても良く出来ているんです。
くわしく筋を追うことは避けますが、単に「人生謳歌」の物語ではありません。
前半は愛すべき主人公ジョージ(ジェームズ・スチュワート)が誠実である分だけどんどん貧乏くじを引いていく物語で、その貧乏くじがようやく吉に転じようという時によりによって最悪の事態になり、ジョージは人生に心底絶望して自殺しようとする……といういわば暗〜い物語なのです。
そこに落ちこぼれのB級天使が現れ、彼を絶望から救うためにある画策を立てる…。
その策がなかなか素晴らしいんですね。こんなことされたら「It's A Wonderful Life!」と思わざるをえないでしょう。観ている人もおのれの人生に重ねて考えてしまいます。この人生、捨てたもんではないなぁ、と。
こういうところフランク・キャプラ監督は上手だなぁ。
ジェームズ・スチュワートはまさにハマリ役で、不器用で誠実な役回りをまるで地のように演じています。
好感度100%。
こういう好感度をとる人ってどこか信用できない裏がありそうなんですが、彼には感じません。まったくもってアメリカの清教徒ぶりの代表ですね。
一部では大根役者とか言われているらしいけど、彼はある意味で個性ある演技派ですよね。
「善意」「正義」「真面目」という個性。
地に近いとはいえ、こういうところで個性を発揮するのってわりと難しいと思うんですよ。へたすると普通すぎちゃう。もしくは単なる「いい人」になっちゃう。
彼の場合「一本筋の通ったいい人」ですから。
これって簡単そうで難しいと思います。
日本でいったら誰かな。
上手に歳を重ねることを前提に、中井貴一あたりか。
でもちょっと薄っぺらいかなぁ。
なんというか、胸を張った感じが足りない気がする。
奥さん役のドナ・リードがまたすばらしく美しい。
「地上より永遠に」でも好演していましたが、美しさはこの「素晴らしき哉、人生!」の方が上だと思います。なんとも清楚で気が強そうで几帳面そうでいいですね。
まぁでもジェームズ・スチュワートとのカップリングとしては「グレン・ミラー物語」のジューン・アリスンの方がしっくりきますけどね。
フランク・キャプラ監督に関してはまたこのコーナーで絶対取り上げると思うので、またその時に。
とにかく元気のないとき、なんだか人間関係がうざったいとき、人生に絶望しているとき、この映画を観てください。きっと、効きます。きっと、希望(死語)を取り戻せます。きっと。
ということで、
追悼したのか何なのかわからないけど、
いまだショックが癒えないボクなのでした。
【1997年8月記】
1997年08月01日(金) 8:35:39・リンク用URL

@satonao310