トップ > 座右のシネマ > 「私をスキーに連れてって」

「私をスキーに連れてって」

私をスキーに連れてって

1987年製作
98 minutes

監督・・・・・馬場康夫
製作・・・・・三ツ井康
企画・・・・・宮内正喜
プロデューサ・宮島秀司・河井真也
原作・・・・・ホイチョイ・プロダクション
脚本・・・・・一色伸幸
撮影・・・・・長谷川元吉
編集・・・・・冨田功
音楽・・・・・杉山卓夫
挿入歌・・・・松任谷由実
キャスト・・・原田知世
三上博史
原田貴和子
布施博
高橋ひとみ
沖田浩之
田中邦衛
竹中直人
amazon


冒頭。

仕事を無理矢理終わらせた三上博史が「検算したのか?」などと小坂一也にいぶかられつつ会社を飛び出し、自宅ガレージで愛車のタイヤをスタッドレスに交換する。
スキー板を車のキャリアに積んだところに静かに「私をスキーに連れてって」のタイトル。
ここまでは音楽なし。

エンジンをひと吹かしした後、三上博史がカセットテープを車のデッキに入れる、と・・・



  ♪ チャラチャチャン チャッチャッチャチャーラン
    チャラチャチャン チャッチャッチャチャーラン
    チャラチャチャン チャッチャッチャチャーラン
    Surf & Snow〜

    ゲレンデのカフェテラスで
    滑るアナタに釘付け
    派手なターンで転んで
    煙が舞い立つぅ・・・・・・




うぉ〜〜〜〜! スキー行きて〜〜〜〜!





この導入部だけで、めちゃくちゃ「スキー心」がくすぐられますよね。
なんというか、スキーに向かうあのときの気分がそのまんま蘇ってきます。
それをくすぐられるためだけに、また今日もDVD観たりして・・・

そう、この映画は「懐かしのスキー気分思い出し映画」。

ただし、「ある年代の人にとっての」という制限がついちゃうかも、ですけどね。

その年代とは、この映画が作られた1987年に20代だった年代。
だからこの1999年には、えーと、32歳〜42歳くらいの方々のみ、スキーな思い出にどっぷり浸れる映画なんです。
リアルタイム・ユーミンで、リアルタイム・ホイチョイな、スキー・ブーム世代のみ。

なにしろ「見栄講座」のホイチョイ・プロダクションが作っていますから、徹底的に当時の流行をなぞってくれているんです。
いや、なぞってるだけじゃなくて、「流行の最先端」および「流行させよう」含み。
ホイチョイがめちゃめちゃミーハーに徹して(そこが彼らの偉いとこ)、こうしてフィルムに定着しておいてくれたおかげで、ボクらは、あの時代に20代だったボクらは、いつでもあの時代の雪山に帰っていけるんですね。




あー、ワンピースのスキーウェアが流行りだした頃だったなぁ、
そうそう、ソバージュだらけだった、
しかもメイクはみんな石原真理子眉毛だったしなぁ、
そう、この映画のあと、トレインとか流行ったんだよなぁ、
吹雪いたら「♪ブリザ〜ド、ブリザード」って歌いながら滑ったよな、
はは、女の子逆さにかついで写真撮った撮った、
そうそう、スキー板とストックでリクライニング作ったよね、
このリクライニング、「見栄講座」が布教したんだよね、
ああ、スキー夜行バスまで板持ってくの、辛かったよなぁ、
そうだよ、内足持ち上げちゃダメなんだよ、
うんうん、そうやってビンディングはずすのがカッコ良かったのだった、

    ・
    ・
    ・

内容的にはなんてことない映画なんだけど、この年代の人たちにいまだに熱い支持を受けているのは、このようにいろんなディーテイルが思い出に直結しているからですね。

あー、こうやって楽しく遊んでいたよなー、という思い出と。


まぁボクはオガサカのUnity3にノルディカ、なんていうダサダサな組み合わせで滑っていたし、滑り始めたらお茶もランチも忘れてひたすら夜まで滑るタイプだったんであんまりナンパな思い出はないんだけど、それでもこの映画を見るといろいろ思い出すなぁ。

映画の中で原田貴和子(知世の姉。確かこの映画がデビュー作)が「女26、いろいろあるのよ」ってつぶやくけど、この映画が公開された1987年、ボクはまさにその26歳で、会社に入って3〜4年目。
この映画の通り、会社の仲間の男女でひと冬に何度も何度もスキー場に出かけ、目一杯遊んでいました。

行きつけのバーからそのまま徹夜でドライブして赤倉まで出かけたり、あの狭くて暖房ききすぎのスキー夜行バス(まだ2階建てが珍しかった頃)で大汗かきながら志賀や八方に出かけたり・・・・。

この映画を観るたびに魔法のように蘇るなぁ、あのめちゃめちゃ遊んだ日々が・・・。
ボクと同年代の人たちにとって、この映画はある種その時代の象徴、ですよね。こういう風にフィルムとして残しておいてくれたホイチョイに、感謝感謝なのです。



映画的には、スキーシーンがわりときれいに楽しく撮れている他は、あんまり感心しないんだけど(特に編集がいまいちな気がする)、それはまぁ上記のことから許せる範囲。
ただ、「LDの音質がめちゃくちゃ悪い!」のだけは許せない。普通の音量でユーミンがひずむんです。マスタリングのミスか・・・?

だって、ユーミンはこの映画の隠れた主役。
「スキー天国、サーフ天国」「恋人がサンタクロース」「ブリザード」・・・
インストゥルメンタルで「ロッヂで待つクリスマス」・・・
名曲「雪だより」が入っていないのが残念だけど、ユーミンのこれらの曲で誰かスキー映画を作ってくれー!って、当時誰もが心のどこかで思っていたことなかった?




役者たちは、どっちかというと、ヘタ。
洋画と比べちゃうと、彼我の差に愕然とするくらい。

原田知世はヘタが味になっていていいんだけど、石原真理子眉毛がまるで似合ってなくて可愛そうなくらい。
三上博史は、いまどうしているのかなぁ? この中ではとてもマシな演技だけど。
布施博は当時の方がバカボン的で味がありますね。
田中邦衛はきっと「若大将シリーズ」を意識した配役なんだろうけど、あまり効果をあげていないなぁ。
竹中直人なんかいかにも脇役臭い演技で、これが将来大河ドラマの主役をやる人と同一人物とは思えない脇役臭。
原田貴和子は健闘。沖田浩之はまぁまぁ。鳥越マリはちょっと浮いてましたね。あ、そういえば滑りで海和がちらっと出てましたね。懐かしかったなぁ。
出演者の中では高橋ひとみが一番自然で良かった、かな。

ただ、スキースタントは上手に感じを出していました。
知世役のスキーヤーなんて、ターンを肩から回っていて、いかにも、でしたね。






あー、それにしても・・・  スキー行きてぇ〜〜〜〜〜!





【1999年2月記】

1999年02月01日(月) 19:30:01・リンク用URL

ページの先頭に戻る

メニュー

Follow satonao310 on Twitter @satonao310

satonao [at] satonao.com
スパム対策を強化しているので、メールが戻ってきちゃう場合があります。その場合は、satonao310 [at] gmail.com へ。

ページの先頭に戻る

Google Sitemaps用XML自動生成ツール