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ロッド・スチュワート 「アトランティック・クロッシング」

Atlantic Crossing
Rod Stewart
1975年/Warner Bros. Records Inc.

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ロッド・スチュワートって、かなりの“おナルちゃん”だと思うのです。

元々ああいうしゃがれ声を出すボーカリストって“おナルちゃん”が多いと思うのだけど、この人は究めつけ。自分の声と姿態に酔いきってヨガッテいるのが丸わかり。

まぁ一時期‘世界一セクシーな男’と言われていたんだから本人がその気になるのもわかります。
実際格好いいし。でもそのおナル具合があまりに前面に出てくるとかなり嫌味になります。当たり前ですけど。


で、このアルバムは、“おナルちゃん”になりきっていない頃のロッド・スチュワートが作った名作なのです。
フェイセズ解散からはじめてのアルバム(ソロアルバム自体は7枚目)ということでまだ自信を持ち切っていなかったのでしょうか。そこここに恥じらいが感じられます。なんか頼りなさそうな感じなのです。

また女優ブリット・エクランドを追って(これがまた追うほど魅力があるように思えない女優なのですが…でも例によって金髪)、題名にあるとおりアトランティック海を越えてアメリカへ移住した時期でもあり、このアルバムでこけたらどうするの?って感じだったからでしょうね。ちょっと必死こいているんです。
ちなみに、実際には売れたんだけど、昔の仲間からはこのアルバム、絶不評だったらしい。


この後「ナイト・オン・ザ・タウン」「明日へのキックオフ」「スーパースターはブロンドがお好き」など売れつづけて、彼はおナル道をばく進するわけですが、ボクにとって魅力は‘ばく減’。
一応一時期とはいえ惚れた弱みで、アルバムは必ず買っていたしコンサートも必ず行っていたけど「いつ別れようか」状態でした。曲作りもイマイチなんですよ。ドンドン悪くなっていく。底が浅いというか…。
大ヒットした「アイム・セクシー」なんてまぁ曲自体は悪くないけどおナルすぎて気持ちが悪い。だいたいあの頃ロッドは無茶苦茶な生活をしていて悪評プンプン。ファンとしてはたまりませんでしたね。


え?じゃぁ紹介するなって?

いやいや、このアルバムはいいんです。
今でも日曜の昼とかに大音量でかけたりします。すっごくシンプルなロックで(特に、レコードで言ったらA面。 FAST HALF)、掃除しながらとか気持ちいいです。オールドロックの伝統的ノリ「Three time loser」や「Stone cold sober」なんかは昔を思い出して大踊りしてしまいます。

またB面もいいんですよ。
SLOW HALFと銘打たれていてバラードが多いのですが、これは彼の「人声という最高の楽器」の本領発揮で素晴らしい出来。名曲「もう話したくない」や「It's not the spotlight」、そして「This old heart of mine」「Still Love You」。どれも最高です。

唯一の汚点は「セイリング」、かな。
この曲はロッドの最高傑作と言われているしファンもいっぱいいるしコンサートでもラストにこれを歌わなきゃ終わらないと言われているくらいなんですが、この曲こそ彼の堕落の始まりにして象徴かも、とボクは感じています。
彼の悪いところがすべて出た感じ。いや、メロディはいいか。でもロッドはこの曲を得たことでなんか勘違いをしちゃった気がします。みなさんはどう思われますか?


ちなみにボクの好きなロッド・スチュワートの曲は

1.もう話したくない
2.ただのジョークさ
3.マギーメイ
4.イッツ・ナット・ザ・スポットライト
5.今夜決めよう

といったところ。
バラードが多いですね。やっぱり彼の声はそっち向き。
後年、スタンダードやバラードを歌ったCDを出しましたが、さもありなんって感じです。



【1997年3月記】

1997年03月01日(土) 20:46:54・リンク用URL

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