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フランク・シナトラ「シナトラ・ライヴ・アット・ザ・サンズ」

Sinatra At The Sands
Frank Sinatra
1966年録音/Warner-Pioneer

with
Count Basie and the Orchestra

arranged & conducted by
Quincy Jones

produced by
Sonny Burke

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お宅のリビング・ルームを一瞬にしてラスベガスに変えるもの。

それはブラックジャックでもルーレットでもありません。もちろん出前のストリップショーでもありません。
ただこのCDをCDプレーヤーのトレイに載せればいいだけ。
そう、このCDはラスベガスのショーの雰囲気を(ボクが知る限り)もっとも伝える名作ライブアルバムなのです。


ライブの名盤はいろいろあります。
でもこの「シナトラ・アット・ザ・サンズ」がそれらと一線を画すのは、もちろんフランク・シナトラ & カウント・ベイシー・オーケストラ & クインシー・ジョーンズという豪華ラインナップによる名演もありますが、なによりシナトラのしゃべりをそのまま収録しているところ。

これがまた長々しゃべるんですよ。
で、観客は笑いっぱなし。腹抱えて笑っているのが目に浮かぶような大笑いの連続で、それをカットせずそのまま収録したことにより他のライブアルバムでは感じられないような臨場感と楽しさが出ています。

シナトラは語りの名手。明るすぎるほど明るくしゃべくりまくるのですが、とても早口なのではっきり言って英語が不得意なボクは聞き取れません。だけど楽しさは伝わってくるんですよね。にこにこしてしまいます。

楽しいのはしゃべくりだけではありません。
歌も実に楽しげです。

フランク・シナトラのCDは名盤がいっぱいあるんですが、彼はライブの方が歌がうまいと思うんですよね。
どうもスタジオにこもって歌うのが彼は性に合わなかったんではないかと思うのです。スタジオ録音とライブ録音を比べると「楽しさ」が全然違う。

お客を前にして歌っている彼は、声に張りがあってイキイキしています。
根っからのエンターティナーなんですね。
スタジオ録音のものは声に孤独感が強くでていて痛々しくなってしまうことがあるくらいです。彼は、ライブで癒されていたのではないでしょうか。


まぁとにかく聴いてみてください。
明るいシナトラの本領発揮。
バックのカウントベイシー楽団の演奏も素晴らしいし、クインシー・ジョーンズの編曲・指揮も素晴らしい。
これぞスイング。これぞライブ。これぞエンターティナー!

ボクが特に好きなのは7曲目の「フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン」。
手垢が付きまくったスタンダードですが、彼がノッて歌うとまるで別の曲のように魅力的に変わるんですね。




さて。シナトラが危篤だそうで……。(97年8月1日現在)

あと20年もしたら子供から「え〜、お父さん、生きてるシナトラ知ってるの?!」なんてうらやましがられるかもしれません。JFKと同じ時代を生きた人がそれを誇りにするように、ボクも彼を誇りにします。

まだ彼は生きている。
彼が生きているうちに、これを書けて良かったとつくづく思います。


【1997年8月記】

1997年08月01日(金) 20:14:42・リンク用URL

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