トップ > 座右のCD > Jポップ > 大瀧詠一 「A LONG VACATION」

大瀧詠一 「A LONG VACATION」

1981年発売/Niagara Records

amazon


あれは1981年のこと。
駿台で1年浪人したあと何とか大学滑り込み、晴れて大学1年目の夏。

暗い時代から急に明るいところへ出てきて、眩しくて左右もわからないボクの耳に流れ込んできたのが、その年の夏に流行ったこのアルバムですからね。「あぁ人生ってなんて明るく楽しいんだろう」ってボクが思ったとしても誰もそれを責められない、でしょ?

とにかくこのアルバムに漂う楽観的明朗さが、当時のボクには新鮮きわまりなかったのでした。だいたいその夏、ボクははじめて沖縄(久米島)に旅行をして

青い海→サンゴ礁→白い砂→美しい夕陽→水着の女性→青春→恋愛→人生バラ色

という空想に浸っており、そんな状況で大瀧詠一の明るくも鼻に掛かった声が、買ったばかりのウォークマン(前の年に発売)から流れてきたら、そりゃあなた、人生怖いものなしですよ。いやぁ……(あの夏の回想に入る)




回想中止。
でもさ、そういう「幸せを徹底的にアシスト!」っていうコンセプトのアルバム、当時はそんなに多くなかったんです。ちょっと人生哲学入ったりするのがアルバムの常道。
なのに大瀧詠一は「バカ明るい」に徹したアルバムを作り続けていた。そこらへんが偉いと思うんですよねー。新鮮でした。


このアルバムは音楽的にも新鮮きわまりなかったですね。
まずド頭「君は天然色」。チューニングから始まるなんて当時のアルバムでは新鮮でした。
その他にも2曲めの「Velvet Motel」では男と女が「
と一音づつ交互に唄うアイデアも良かったしSEをサビに使った「Pap-Pi-Doo-Bi-Doo-Ba物語」も印象的でした。
大瀧詠一はパクリの名人(いい意味で)でもあるのでオリジナルのアイデアかどうかわかりませんが、当時の日本のアルバムとしては出色にオシャレだったのです。

そういえば「君は天然色」に影響されて"渚を滑るディンギー"に乗ったり「スピーチバルーン」に影響されて"暗い海にヘッドライトのパッシング"したり……しませんでした? ボクはしちゃいました。

他にも名曲「カナリア諸島にて」「恋するカレン」、ビーチボーイズをを彷彿とさせる「FUN×4」、そして大名曲「さらばシベリア鉄道」……決して明るい題材の曲ばかりではないのに底辺にしっかり人生肯定が見える全10曲は、まったくすきのない構成。

時代、才能、タイミングがすべて揃ったときに出来る傑作のひとつだとボクは思います。

ジャケットデザインも良かったなー。永井博のプールのイラスト。
そこに「A LONG VACATION」という文字が大きくデザインされ、レーベル名は「Niagara」。うーん、なんちゅうか、昭和フォーク的ウェットさが皆無。いいっすねー。

いまでも、ドライブの時、これをよくかけます。
一瞬にして、くすんでウェットな日常が、乾いた青いカナリア諸島に変わる・・・

こんなCD、他にはない、よね??



【1997年2月記】

1997年02月02日(日) 21:45:38・リンク用URL

ページの先頭に戻る

メニュー

Follow satonao310 on Twitter @satonao310

satonao [at] satonao.com
スパム対策を強化しているので、メールが戻ってきちゃう場合があります。その場合は、satonao310 [at] gmail.com へ。

ページの先頭に戻る

Google Sitemaps用XML自動生成ツール