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佐野元春「No Damage〜14のありふれたチャイム達」

No Damage
Sano Motoharu
1983年発売 EPIC/SONY RECORDS

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佐野元春は熱狂的ファンが多いからなぁ……。

ベストアルバムである「No Damage」なんか取り上げたら馬鹿にされるかなぁと思い、「Heart Beat」や「SOMEDAY」も考えたんだけど(「VISITORS」は、あの時期これ出すかぁ!という心意気は買うけど、本音でいえばそんなに好きではないし)、やっぱりこれかなぁ……。

ベストアルバムにして佐野元春初のアルバムチャート・ナンバーワン。
つまりあまりにポピュラーだし、元春特有のアルバムごとのメッセージみたいなものがそんなにない(なにもないってことはないんだけど、やっぱりベストアルバムだからねぇ)。

でも、単純に、このアルバムは「ノレる」。
そう、他のどのアルバムよりもノレて、踊れる。
まぁそれがいいじゃないの、ということで、これを紹介しよう。
(最初から言い訳だぁ)



このアルバムの一番いいところは「曲と曲の間が非常に短いこと」なんですね。

もちろん曲もいい。
だってベストですからね。1曲目の「スターダスト・キッズ」から最後の「Bye Bye Handy Love」まで隙がない(「Down Town Boy」「Rock & Roll Night」「Night Life」「I'm in blue」なんかも入れてほしかったけど)。
他のアルバムにあるような親密な佳曲はないけど、そのかわりと言っちゃぁなんだがノリが抜群だ。

これがその「曲と曲の間が非常に短いこと」で助長されるわけ。

ノリが途切れない。

これは素晴らしいよね。とにかくノリたいときはこれをかけると間違いはないのです。

元春自身もこのアルバムを「パーティ・アルバム」と位置づけているくらいだから、もちろん意識してノレるようにしているんだけど、その狙いがまさにはまっていますね。
曲間についても「パーティなんかで通常のレコードをかけたとき、曲間が結構長かったりすると、みんなの会話がその間途絶えたり、とてもシラケた雰囲気になってしまったりすることがある。だから、ひとつの連続性というか、あるテンションを保たせるためにそうしたんだ」と言っている。

いいねぇ。


まぁボクみたいないい歳をしたおっさんが「ノリ」なんて恥ずかしい言葉を書くのもなんなんですが、なんだか今日は気持ちが低いなぁというときなんかやっぱりこれを聴きますね。


昔は佐野元春の歌詞ばかりを注意深く聴いていたんです。
そのイノセンスさとかその誠実さとか、彼の闘う姿勢とか、一見青臭いようだけど実は遠いところを見ているその冷静さとか。
それを理解して(したつもりになって)、元春のまねをして吐き出すように歌っていた。



つまらない大人にはなりたくない!

本当の真実がつかめるまで Carry on!!

何かが間違ってるのさ、いつの頃からか

今夜も愛を探して 今夜も愛を探して

いつかは誰でも愛の謎が解けて ひとりきりじゃいられなくなる
ステキなことはステキだと無邪気に笑える心がスキさ

But It's alright. Yes he's a Down Town Boy

どんな答えをみつけるのか
どんな答えが待っているのか

どうして あなたは そんなに 手を振るのだろう
僕の手は ポケットの中なのに



……文字で書くと照れくさい歌詞たちだけど、歌うと見事に青臭さがなくなる。
そこらへんが英語の歌みたい。
それと、ここまで見事に「都市生活者」の雰囲気を歌った歌は当時なかったんです。
歌詞だけ読んでいるとまるでニューヨークかどこかの出来事みたい。
そんなのもあって日本離れしていたよなぁ。


今でももちろん彼の歌詞は大切に思っているけど、でも、どちらかというとノリのためだけに佐野元春を聴いています。
なんだかそれでいいような気がしてきたのだ。
それ「だけ」でいいような気が、この頃するのだ。

36歳のボクにとっての佐野元春は、「ノリ」。ノレればいい。



だから、彼には誠に申し訳ないんだけど、いまは「掃除のCD」になっていたりするんですね。

これを聴きながら掃除すると、本当にはかどる。
身も軽く、心も軽く、はたきも軽く、掃除機も軽く。

奇声を上げがちになるのが玉にきずだけど、本当にはかどる。

うん、これでいいような気がする。

違う?



P.S.

ただし、ノレればいいと言っても、あるシチュエーションにおいてこのアルバムは禁断なんです。
それは「絶対運転しながら聴いてはいけない」ということ。

運転しながら聴いていると「オー アンジェリーナ!」とか「Shout Shout Shout My Friend!」とか奇声を上げながら異様に暴走してしまう。だから危険。これは聴いてはいけない。子供を持ったいま、自分の中で封印しました。ボニー・タイラーの「ヒーロー」か佐野元春。これは運転中はダメ。絶対。



【1998年3月記】

1998年03月01日(日) 22:07:50・リンク用URL

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