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マーラー 「交響曲第4番」

Gustav Mahler
Symphony No.4

Eliahu Inbal
Frankfurt Radio Symphony Orchestra

エリアフ・インバル指揮
フランクフルト放送交響楽団
1985年録音/DENON

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マーラーの中でも第4番が一番好きだというわけではないのですが、何故かこのインバル指揮の「交響曲第4番」は繰り返し繰り返し聴いたCDのひとつです。

これには訳があります。
ボクがオーディオを趣味にしていることと大きく関係があるのです。


ボクの好きなオーディオは平面型スピーカーによる音場重視による音作りをしているものです。
スピーカー自体がラッパ(楽器)であると考える従来の2ウェイ〜4ウェイのスピーカー(皆さんが普通にスピーカーと聞いて想像する形をしたもの)とはその設計思想からして異なります。
2つのスピーカー間に小さなステージがホログラムのように浮かび上がり、ステージの奥行きや演奏者の定位がピンポイントで決まる音作り、具体的に言うとそういった音作りがなされているものが好きなのです。

ジャズボーカルを聴くと、歌手がスピーカー間中央にくっきり浮かび上がり口まで見えるように感じます。そしてその右側奥にピアノ、左側はしにベースと、各演奏者の立ち位置まで見えてくるのが理想です。
オーケストラだったら第1バイオリンが左前でティンパニーが右奥というように各演奏者が見えてくるのが理想なのです。そしてそれは平面型スピーカーのもっとも得意とするところです。

クラシックの演奏会などでレコーディングをしているのを見たことありませんか? テレビ中継を見てもわかるのですが、レコーディング用(放送用)のマイクをいっぱい宙にぶら下げているでしょう?
あれはバイオリンの音やチェロの音をそれぞれ別のマイクで拾い上げているのです。で、あとでそれをミックスするわけです。

このやり方でレコーディングされたものはボクの好きな音場感がきれいに出ません。
各演奏者の立ち位置などバラバラになることが多い。

「音場重視派」をしては「少ないマイクで客席から録音したらもっと音場感が出るのになぁ」と常に思っていました。
あんな、楽器に突っ込むようなマイク設定では決して音場は出ないのですから。
(録音については素人ゆえ大いなる勘違いもあるかも知れませんが)



さてやっと本題にたどり着きました。(小難しいことにつきあわせてしまいました)

このCDが圧倒的に偉い所は「録音にマイクを2本しか使っていない」ということです。インバルはマーラーの全交響曲を録音していますが、純粋にマイク2本だけというのはこの「交響曲第4番」だけ。録音技師はピーター・ヴィルモース氏、制作はDENONの川口義晴氏。あんた達は偉い!


ボクはその情報を得てすぐこのCDを買い求め、愛機である平面型スピーカー、アポジー・カリパーシグネチャーで早速鳴らしてみました。

感動でした。
とにかく目の前にステージがぽっかり浮かび上がります。
ピンポイントで各演奏者の立ち位置がわかります。
サントリーホールの2階最前列真ん中で聴いている感じなのです。こりゃすごい! すごすぎる!

何回も何回も繰り返し聴きました。
マーラーを聴いているというよりはオーディオを聴いているという感じでしたが、だんだんにマーラー自体も理解していきました。実はそれまでマーラーにはそんなに馴染みがなかったのですが、こう何回も聴いたら覚えます。そして興味をひかれます。

他の交響曲も聴いてみようか…。
ボクはレコード屋に出かけ、インバル指揮のマーラー全集を買ったのでした。ちょっと高かったからその月は食費を切り詰めました。第4番以外も補助マイクを使用しているだけで基本的にはマイク2本。素晴らしい録音の全集でした。

第4番は比較的やさしいマーラーだということが後でわかりました。
第4番から入ったのは偶然としてもマーラー初心者にはとても馴染みやすい交響曲です。もしあなたがマーラーを聴きはじめてみたい、というのなら第4番をオススメします。

録音の形式からマーラーに入ったなんて世界でもボクだけかも知れませんが、なんでもいいんです。結果として入って良かったんだから。

いまではマーラーはボクの大好きな作曲家のひとりになりました。
今では他の指揮者のものも買って聴き比べたりしています。小澤とかハイティンクとか。だけどボクにとってマーラーは常に「インバル/フランクフルト/DENON」が原点なのです。



【1997年1月記】

1997年01月06日(月) 22:22:58・リンク用URL

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