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ブルックナー「交響曲第4番ロマンティック(ノバーク版)」

Anton Bruckner
Symphony No. 4 "Romantic"
(ed. Nowak)

Karl Bohm
Vienna Philharmonic Orchestra

カール・ベーム指揮
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
1973年録音/LONDON

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あ〜ぁ。ベームはやっぱりいいなぁ。
田舎臭いしマジメっぽすぎるしケレン味ないし性善説っぽいけど、なんかいいよなぁ。

時代も良かったんでしょう。
だいたい時代自体が「田舎臭いしマジメっぽすぎるしケレン味ないし性善説っぽい」時代だったのだと思います。60・70年代って。

実はカール・ベーム指揮のモーツァルトを何枚か持っているのですが、モーツァルトのあの小粋さがまったくない指揮なんです。
重厚でのんびりしたモーツァルト。
内省的で精神的に深いモーツァルト。
偏見かもしれないけど、モーツァルトは楽しく美しければいい、とボクは思います。もちろん暗いモチーフのモーツァルトもいっぱいあるわけですが、でも、やっぱりベームとモーツァルトは似合わんと思うのです。モーツァルトはですね……


おっと、今回はブルックナーのお話でした。
そうそう、何を言いたかったかって言うとベームとブルックナーはとっても合うのではないか、ということ。

敬虔なるカトリック信者である「禁欲の人」ブルックナーが泥臭くノタウチマワル様は、虚飾好きのカラヤンや潔癖症のアバドでは表現しきらないと思います。やっぱり馬小屋の臭いがするようなカール・ベームの手で無骨に削り出してやりたい。それでこそブルックナーが生きてくる。ボクはそう感じます。

決してブルックナーの音楽が汚いと言っているのではありません。
いや、はっきり言ってものすごく美しい。

特徴的なトレモロの立ち上がりはゲルマンの深い森の夜明けを感じさせるし、持続低音によって支えられる主題・展開部は大地の風や大海原のうねりを感じさせます。
そして終楽章では大自然の片隅に生きる罪深い人間たちが大宇宙と一体になり歓喜のよろこびを歌い上げる……なんてカトリックなんでしょう。壮大で長大と言われるブルックナーですが、イイタイコトをすべて交響曲の中に織り込んでいくからそりゃ長くなるのです。


特にこの交響曲第4番「ロマンティック」。

すごくわかりやすいのでブルックナー初心者には大お勧めです。
わかりやすいし美しい。
ブルックナーの中では短めですが、エッセンスはくまなく入っている気がします。
後期(例えば7番8番)にあるような暗さもなく楽天的で聴きやすい。題名(ブルックナー本人の命名)にあるようなロマンティックなモチーフが、日本という非ロマンティックな国に生きる我々に想像の翼を与えてくれるようなところがあります。

この「ロマンティック」を、このベームで聞くとなんだか本当に深い森の中をそぞろ歩いている気になります。
いやきっとハイティンクで聞いてもそう思うのかもしれないけど、「カール・ベーム」という田舎臭い「記号」がブルックナーをより自然に近づけ心暖まるものにする、って感じ。わかります?


ボクはこのCDを日曜の朝によく聴きます。
ちょっと眠いけだるさによく合うし、時間がゆっくり大きく流れ出します。
まぁでもこのアルバム、ジャケットが秀逸ですよね。聴く気にさせるジャケット。クラシックには珍しいですよね。


p.s.
いま売っているのはこのジャケットとは違うようです。内容は一緒。ベームとウィーンフィルの録音はいくつかあるようですが、是非1973年録音のを買ってください。




【1997年3月記】

1997年03月01日(土) 22:25:41・リンク用URL

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