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LV5「イン ザ・ミソスープ」

村上龍著/読売新聞社/1500円

イン ザ・ミソスープ
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圧倒的傑作。
ゴツンと楔を打ちつけられる。ボクたちはなんてリアリティのない時代に生きているのだろう。どうしてこの日本という共同体はこんなに薄っぺらくなってしまったのだろう。どうしてこの共同体は癒しの力を失ってしまったのだろう……。
この小説を読んで初めてそういうことを再確認しだすボクもそうとう不感症なのだが、著者はそれらをごく平易な形で読者に提示してみせてくれる。説明しすぎていると思われるくらいだ。そのうえ、この小説がすごいのは我々が感じているリアリティのなさをしっかり紙の上に定着させたこと。並みの筆力ではこれはできない。もの凄いリアリティで日本で生きる人々のリアリティのなさを描いている。

著者は「汚物処理のようなことを一人でまかされている気分になった」とあとがきで書いているが、まさにそういう実感をボクも持つ。汚物処理というより汚物整理に近いけど。

読み終わったあとしばらく身体がリアリティを失い、ふわ~と浮遊している感覚にボクは襲われた。小説のもつ暴力的なまでの「異化の力」を久々に感じた。

1997年12月01日(月) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:小説(日本)

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