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「がんから始まる」

amazon40歳で虫垂がんになった岸本葉子の静謐かつ希望に満ちたエッセイ。
再発の不安に震える心。死を目前に意識したとき、人はどう思い、どう生きるのか。仕事はどうするのか、治療法をどう選ぶか、など、実際に経験した人でないとわからない様々な思いと迷いが静謐な文体で描かれ、いつしか読者も必死に自分に当てはめて考えているだろう。
全体に素晴らしいのはその客観性。この落ち着きと抑制。惚れ惚れ。そして構成の妙や心の動きの的確な流れに唸る。全内容が心にすぅと入ってくる。その上で自分を試される。作者と全く同じ歳なこともあって自分の問題としていろいろ心を試されるのだ。
闘病記はいろいろあるが、その中でも出色の一冊だろう。最近超寝不足なのだが、寝不足なこと自体楽しめそうな気分である。さて。街に出よう。仕事をしよう。生を称えよう。
2004年03月01日(月) 12:00:00・リンク用URL
@satonao310