朝日広告賞の審査をして

2014年7月23日(水) 6:54:08

こないだ審査員をさせていただいた第62回「朝日広告賞」の一般公募の部の受賞詳細があがってたのでシェア。

http://adv.asahi.com/modules/feature/index.php/content0696.html

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審査会は、5/12、5/27と、二日間にわたって行われた。

審査員は、浅葉克己さん、上田義彦さん、葛西薫さん、川口清勝さん、児島令子さん、小山薫堂さん、佐々木宏さん、副田高行さん、タナカノリユキさん、前田知巳さん、森本千絵さん、そしてボク。
まわりが大御所すぎて息詰まったw

去年は広告主参加の部の審査をさせていただいたのだけど、今年は一般公募の部。

一般公募の部というのは、主に学生や若手クリエイターが、課題として示された広告主の新聞広告を自由な発想で作り応募するもの。つまりクリエイティブ・コンテストだ。だから新聞に実際に掲載されている広告とは違う。

「新聞を読まない若い世代が、クライアント・チェックもない中、どんな発想で新聞広告を作るかな」って、ちょっとわくわくして審査会に出かけたんだけど、個人的には「もっとシェアの起点になる強烈な何か」を期待したな。

つまり、わりと残念だった。

いままで何万何千と見た新聞広告の枠を出ていない作品が多かった。
そして、いかにも新聞広告っぽい「賢い企画」「よくできている企画」がなんともつまらなく感じた。

ただ、個人的な発見もあった。
毎日ちまちまウェブやスマホで見ている広告と違う「新聞広告の圧倒的な紙面の大きさ」。

当たり前なんだけど、改めて再認識したなぁ。
大きいって暴力的にすごい。

で、大きい紙面用に作った大きな企画はなんだかつまらなくて、「これ、スマホでもいいじゃん!」と思うような小さなアイデアを無理矢理大きく拡大コピーしたようなものが、逆になんだかおもろかった。

なんつうか、ウェブ広告の小ささだと絶対つまらないアイデアが、新聞紙面の大きさを得て、なんだか「天然素ボケ」みたいな、妙に力強い面白さを醸し出すわけ。手元メディアの広告として。

どう説明すればいいかな・・・
たとえば、新聞15段、いわゆる新聞の全面広告は、iPhone5の画面が約46個分ならぶ大きさ。1/46で伝えられる情報量をその46倍の大きさで伝えると、その大きさからくる迫力とともに、なんか「計算を超えた天然の魅力」が正面に出てくる。そんな感じ。

それが個人的には面白かったなぁ。

言うなれば、スマホで観なれているYouTubeの動画を、映画館の大スクリーンで見たらなんか不思議な魅力になった、みたいなこと。大スクリーン用に練られた完成度の高い映像ではなく、大きくされることを想定してない緩い作りのものが大きさを得て「壮大な緩さ」に育った感じ。それっておもろい。

これ、「情報の窓」としてのスマホ画面の大きさに馴れた若者たちに、新鮮に受け入れられるんじゃないかな。
そんなことを、このまとめ講評記事を読んで思い出した(そんなようなコメントをボクが出しているので)。

ただ、そういう感覚を共有できる人が審査員に少なく、あんまり話が合わなかった。

去年に引き続き、ボクはいわゆる「ネット要員」「新しい広告系視点」を求められて審査員に選ばれたと思うので、そういう役割を意識して審査会に臨んできたけど、「ネット要員」「新しい広告系視点」が53歳のボクではやっぱりイケテナイと思う。もうちょっと若い審査員を増やした方がいいと思うなぁ。


・・・てなことで、久しぶりにブログを書いてみました。
なんか、十数年、毎日毎日4000記事以上書いてきたブログが急に書けなくなってるんだけど(なんでかな)、ちょっとリハビリを兼ねて。

ちなみに近況はフェイスブックでよく更新しています(こちら ←誰でも読めます)

佐藤尚之(さとなお)

佐藤尚之

佐藤尚之(さとなお)

コミュニケーション・ディレクター

(株)ツナグ代表。(株)4th代表。
復興庁復興推進参与。一般社団法人「助けあいジャパン」代表理事。
大阪芸術大学客員教授。やってみなはれ佐治敬三賞審査員。
花火師。

1961年東京生まれ。1985年(株)電通入社。コピーライター、CMプランナー、ウェブ・ディレクターを経て、コミュニケーション・デザイナーとしてキャンペーン全体を構築する仕事に従事。2011年に独立し(株)ツナグ設立。

現在は広告コミュニケーションの仕事の他に、「さとなおオープンラボ」や「さとなおリレー塾」「4th(コミュニティ)」などを主宰。講演は年100本ペース。
「スラムダンク一億冊感謝キャンペーン」でのJIAAグランプリなど受賞多数。

本名での著書に「明日の広告」(アスキー新書)、「明日のコミュニケーション」(アスキー新書)、「明日のプランニング」(講談社現代新書)。最新刊は「ファンベース」(ちくま新書)。

“さとなお”の名前で「うまひゃひゃさぬきうどん」(コスモの本、光文社文庫)、「胃袋で感じた沖縄」(コスモの本)、「沖縄やぎ地獄」(角川文庫)、「さとなおの自腹で満足」(コスモの本)、「人生ピロピロ」(角川文庫)、「沖縄上手な旅ごはん」(文藝春秋)、「極楽おいしい二泊三日」(文藝春秋)、「ジバラン」(日経BP社)などの著書がある。

東京出身。東京大森在住。横浜(保土ケ谷)、苦楽園・夙川・芦屋などにも住む。
仕事・講演・執筆などのお問い合わせは、satonao310@gmail.com まで。

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