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選挙権とは、それを得るために多くの血が流された「普通ではない権利」

2012年12月14日(金) 9:20:24

選挙前にはいつも思う。
選挙って「行かないとご先祖たちに申し訳が立たない権利」だ。だから「行かない」という発想にボクはなれない。申し訳なくて。

選挙権って、それを得るために多くの血が流された「普通ではない権利」だとボクは思う。
普通選挙権・婦人参政権を得るために(民主主義への移行過程を含めて)どれだけたくさんの人が闘い、亡くなったか。

普通選挙が実現したのは1925年。
それまでは、男性のみ、しかも高額な納税額を納めている一部の金持ちだけが有権者だった。つまり「国民全体のほんの数%しか有権者がいなかった」のである。

選挙権を得るために、日本全国でたくさんの長い長い闘いが行われ、弾圧され、鎮圧された。多くの人が一生を賭けて闘ったのである。

婦人参政権の実現はもっと大変。
普通選挙施行後も、なかなか得られなかった。これまたたくさんの闘いが行われ、弾圧され、鎮圧された。どうやっても婦人参政権は獲得されなかった。婦人参政権が認められたのは1945年のポツダム宣言以降である。終戦とともにやっとである。ついこの前だ。ボクが生まれるたった16年前。

いまなら当然と思えるようなこの「一票の権利」を得ることを、どれだけたくさんの人が身をよじるようにして望んだか。それを得るためにどれだけたくさんの人が苦しんだか。亡くなったか。一生を賭けたか。

その人たちのことを思うと、申し訳なくて、もったいなくて、棄権するなんてとても考えられない。

「あって当然の権利」と思ってはいけない、と、若い人たちには特に伝えたいと思う。


若い人たちについて言えば、もうひとつの視点においても選挙に行かないともったいないと思う。

それは「選挙に行かないと結局大損するよ」ということ。

若者たちが選挙に行かないことで、高齢世代との生涯収入の差が約4000万円も出てくる、という試算すらあるくらいだ。

若者が選挙に行かず、20代の投票率が低いとどうなるか。
政党は票が集まる政策をマニフェストにするから、当然「投票率が高い60代70代以上にウケる政策」を押し出してくる。だって20代向けの施策を提案したって票に結びつかないんだから仕方がない。

つまり、選挙に行かない世代はそれだけ「政治的に不利」になるわけだ。
その結果、生涯収入の差が約4000万円出てくるというのだから、まぁ自業自得という見方もできる。

でも、若者の投票率が上がれば、政治家たちも若者にウケる政策を押し出してくる(現金なものだね。でも仕方ない。そういうものだ)。

選挙に行こう。
とにかく選挙に行こう。

ご先祖たちの熱い想いのためにも。若者の未来のためにも。

佐藤尚之(さとなお)

佐藤尚之

佐藤尚之(さとなお)

コミュニケーション・ディレクター
(株)ツナグ代表。(株)4th代表。独立行政法人「国際交流基金」理事。復興庁政策参与。公益社団法人「助けあいジャパン」代表理事。
大阪芸術大学客員教授。東京大学大学院非常勤講師。上智大学非常勤講師。
朝日広告賞審査員。やってみなはれ佐治敬三賞審査員。
1961年東京生まれ。1985年(株)電通入社。コピーライター、CMプランナー、ウェブ・ディレクターを経て、コミュニケーション・デザイナーとしてキャンペーン全体を構築する仕事に従事。2011年に独立し(株)ツナグ設立。
現在は広告コミュニケーションの仕事の他に、「さとなおオープンラボ」や「さとなおリレー塾」「4th(コミュニティ)」などを主宰。講演は年100本ペース。
「スラムダンク一億冊感謝キャンペーン」でのJIAAグランプリなど受賞多数。
本名での著書に「明日の広告」「明日のコミュニケーション」(ともにアスキー新書)。「明日のプランニング」(講談社現代新書)
“さとなお”の名前で「うまひゃひゃさぬきうどん」(光文社文庫)、「沖縄やぎ地獄」(角川文庫)、「沖縄上手な旅ごはん」「極楽おいしい二泊三日」(文藝春秋)、「ジバラン」(日経BP社)などの著書がある。
花火師免許所持。
東京出身。東京在住。横浜(保土ケ谷)、苦楽園夙川芦屋などにも住む。
仕事・講演・執筆などのお問い合わせは、satonao[a]satonao.com まで(←スパムメール防止のため、@を[a]にしてあります)。

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