なんでこんなに忙しくなっているか分析してみた

2011年6月26日(日) 11:24:50

5月末くらいから、急にもろもろ追いつかなくなってきている。メールとか仕事とかアポとか。

何人かの方には前もって言われていた。「フリーになると予定を入れすぎるようになるよ」「仕事を断らなくなって忙しくなるよ」とか。

「まぁでもスローダウンが独立目的のひとつだし、さすがにそこら辺は気をつけますよ」

そんな風に答えていた。それがどうだ。真逆ではないか。メールすら追いついていない。未読数百件。いろんなところでいろんな抜けが出て怒られている。おかしいな。どうしてこんなことになったのだろう。しかも独立してやりたかったことがほとんど出来ていない。これでは本末転倒ではないか。

落ち着け、自分。
とりあえず、なんでこうなっているか分析するべし。


  • もともとのフリーランス&スローダウン構想に大震災は入っていなかった(急な災害だもの、当たり前だ)。つまり、もともと構想していた生き方や仕事量に、大震災関連・政府関連の作業量がすべてプラスオンされている。しかも少ないときで3割、多いときで7割のワークシェア。「助けあいジャパン」を立ち上げるときにある程度覚悟はしたが、それにしても想定外すぎた。

  • 大震災関連はすべて無給のボランティアである。他に政府への自主提案もちょこちょこやっているが、これもほぼボランティア。この比重が高まれば高まるほど「稼がないとやばい」というストレスが強くなる。独立直後は特に「家族を喰わせられるか」「将来に渡ってずっと喰っていけるのか」という不安とプレッシャーがのしかかる。やばい、稼がないとやばい。そのプレッシャーのせいか、いろんなオファーを断れなくなっている自分がいる。いまはそれを自覚して断りはじめているが、それにしてもすでに受けた仕事は前に進むわけで。

  • 独立前から始まっていたプロジェクトがいくつかある(大震災関連除く)。具体的には8つある。これですでにスローダウン的人生としては手一杯なはずであった。それらはいったん大震災でストップしたものの、いまではすべてしっかり動き出している。もともと「やろう」と約束していたこと。やらざるを得ない。本来はこれだけでもワークシェア8割くらいになるものである。

  • それら以外に、テンポラリーな講演が増えているが、これは「3月4月に予定されていた講演の多くが大震災で6月7月に順延になった」のが大きい。重なっている。平均して週3本くらいか。多い週は5本とか。講演はこれからお断りしていき減らしていくが、準備も含めて意外と大変なのである。なぜか他のオファーも増え、講演主催者とのやりとりメールが倍増(当社比)。会社にいたときは他の人がやってくれていたことも全部自分でやらないといけない。ひとつひとつにやりとりメールをしているとすぐ2時間くらい経つ。しかも多すぎて抜けが出る。結果的に無視することになってしまった講演や仕事がいくつかある。本当に申し訳ない…。

  • 経理処理や個人会社の事務処理も自分でやらないといけない。これはわかっていたことではあるが(そして1年目は勉強のためにも全部自分でやろうと思っていたことであるが)、上記のように他の作業のしわ寄せがすさまじく、気が遠くなる思いだ。あぁもう無理。

  • 独立直後の会食増加を甘く見ていた。毎晩毎晩、誰かと会食している。前の会社の方々、「独立してどうよ?」とお声がけいただくお世話になっている方々、新しい人脈の方々など。もちろん友人や知人からもお誘いを受けるし、普通の「遊び」もたまにはしたい。お願いして先延ばししてもらっているが、すでに夜は10月くらいまで埋まり始めている。これも想定外だった…。

  • ノマド的働き方は、快適ではあるが、自然と「空き時間を作らずに予定を詰める」ようになる。外で30分とか1時間とか間が空くと居場所がなく疲れるからだ。そうするとスケジュールがどんどん濃く埋まり、仕事がどんどん前倒しになって忙しさが加速していく。こりゃどうするか。

  • さなメモの更新はもうライフワークに近いので優先順位が一番高い。どんなに忙しくても続ける(いったん途切れると一生途切れると思う)。それでもここ1ヶ月、たまに抜けが出ているくらい余裕がない。こまった状況。

  • これもライフワーク的な「おいしい店」の更新を止めているのも気になっている。独立したらしばらく仕事をセーブしてでもこれに取りかかろうと思っていたのに。

  • 大震災で延びに延びている次の本の執筆がさすがに待ったなしになっている。もう〆切を言い渡された。まずい…。

  • この期に及んで、前からの約束であるラジオのレギュラーや連続講演などが始まろうとしている…。

  • 大学の講義も増えてきた。秋期からある大学での客員教授も決まった(これも以前からの予定)。出来るのか?

  • いろいろなオファーや仕事にお応えできず、プレッシャーがストレスになり、体調にまで響いてきている。抜けがあったり人の迷惑になったりするのが個人的には一番こたえる。このボディブロウ的疲れはハンパない。

まぁこんな感じで。
先週あったカンヌ国際広告祭にも行くつもりだったのに上記のような有様で結局行けず。

月に一回は行く予定にしていた地方巡回旅行(半分取材)も行けてないし、休みすらろくに取れていない。「フリーはカラダが資本」とフリーの先輩みんなに言われるが、かなり気持ちを強くもって打ち合わせなどを断らないと休めない。二日連続の休暇など夢のまた夢(昨日今日は相当無理して土日休んでみた)。

とかいいつつ、それでもやりたいことをやっているので、仕事自体の疲れは少ないのが救い。

まったく興味がなかった会社の事務雑務や長い会議などがなくなったのもうれしいこと。あとは上記の問題点をひとつひとつ解決するだけだ。ええとね、まずは経理・事務・進行管理をなんとか自分でやらないようにして、会食と仕事を減らして、「喰える喰えない」という意識を当分自分の中から閉め出して……。

ちょっと待て。
そういう対策を考えて段取りするヒマがないではないか。

このまま酷暑がやってきたら気が狂うな(笑)
って笑い事ではなく、とりあえず手をつけられるところから改善していこう。震災関連もまだまだ先は長い。そちらにしわ寄せが行くのも本意ではない。とにかく改善しよう。ご迷惑かけている方々、本当に申し訳ありません。

佐藤尚之(さとなお)

佐藤尚之

佐藤尚之(さとなお)

コミュニケーション・ディレクター

(株)ツナグ代表。(株)4th代表。
復興庁復興推進参与。一般社団法人「助けあいジャパン」代表理事。
大阪芸術大学客員教授。やってみなはれ佐治敬三賞審査員。
花火師。

1961年東京生まれ。1985年(株)電通入社。コピーライター、CMプランナー、ウェブ・ディレクターを経て、コミュニケーション・デザイナーとしてキャンペーン全体を構築する仕事に従事。2011年に独立し(株)ツナグ設立。

現在は広告コミュニケーションの仕事の他に、「さとなおオープンラボ」や「さとなおリレー塾」「4th(コミュニティ)」などを主宰。講演は年100本ペース。
「スラムダンク一億冊感謝キャンペーン」でのJIAAグランプリなど受賞多数。

本名での著書に「明日の広告」(アスキー新書)、「明日のコミュニケーション」(アスキー新書)、「明日のプランニング」(講談社現代新書)。最新刊は「ファンベース」(ちくま新書)。

“さとなお”の名前で「うまひゃひゃさぬきうどん」(コスモの本、光文社文庫)、「胃袋で感じた沖縄」(コスモの本)、「沖縄やぎ地獄」(角川文庫)、「さとなおの自腹で満足」(コスモの本)、「人生ピロピロ」(角川文庫)、「沖縄上手な旅ごはん」(文藝春秋)、「極楽おいしい二泊三日」(文藝春秋)、「ジバラン」(日経BP社)などの著書がある。

東京出身。東京大森在住。横浜(保土ケ谷)、苦楽園・夙川・芦屋などにも住む。
仕事・講演・執筆などのお問い合わせは、satonao310@gmail.com まで。

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