公式を自分で導き出せるチカラ

2010年12月28日(火) 8:54:22

今年は講演の年でもあった。

なにせ週7本という週もあった。最高記録だ。大学の講義や社内講義なども含めると(正確には数えていないが)年150本くらいだったのではないか。つまり平均週3本。いや、もっとやってるかも。200には届かないと思うけど。いずれにしても、サラリーマンとしてはちょっと尋常ではない数だと思う。

おかげさまで、何度か書いているけど、人生最大の不得意科目「人前で話す」ということが多少は克服できてきた気がする。場数は力だ。まだ「狙って笑いをとる」というところまではいかないが(スベるのが怖くてよう言わん)、少しずつ笑いのコツもわかってきた。まったくもって自分的には大進歩である。なんといっても赤面恐怖症ちっくだったからね。

講演内容的には、特に今年後半からは、ソーシャルメディアが多かった。
それだけ関心が高かったということだと思うけど、特にここんとこソーシャルメディア関連のセミナーが多すぎる気がする。ある種のセミナーブームでもあると思うけど、あんまり頭でっかちになるのもどうかと思う。

しかもみんな即効性を求めてくる。
即効性あるノウハウやハウツーを知りたがるし、事例なんかも聴きたがる。講演で話すときもたいていそんなオファー。「聴衆は事例を喜びます。できれば事例を話して下さい」とか主催者に言われる。「ソーシャル・コミュニケーションはこれからの新しい分野です。事例はありませんし、あってもすぐ古くなる。害毒になる場合もある」とか言うととても困った顔をする。「じゃ、すぐに役立つノウハウを!」とか求められたりする。

無理もない部分もある。日々の業務でたった今悩んでいらっしゃる方も多いのだろう。すぐ役立つヒントが欲しい、と、講演を聴きに来る方もいらっしゃる。

でも、それって根本的な解決になっていないと思う。
手っ取り早くノウハウを知って対応してみたり、成功事例のマネをしてみても、結局自分の身にならない。というか、そういうのってネット上にいくらでも転がっているし。

受験時代の数学といっしょ。
公式を使う人は多い。便利な公式をみんな知りたがる。でも、数学で大切なのは「公式を知って覚えること」ではなく、「公式を自分で導き出せるチカラ」だ。

公式を覚えるだけの人は応用が利かない。
コミュニケーションもいっしょ。いや、「人 対 人」「企業 対 生活者」のコミュニケーションは、生ものである分、もっと「公式的ではない」。公式で対応できるはずもない。

だからなるべく「本質」を話すし、ノウハウもハウツーも必然的に導き出せるようになっていただきたいと願って話す。まぁボクが掴んでいる程度の「本質」はまだまだ底が浅い可能性もあるが、とりあえずボクが掴んだことだけは、表面的ではなく、「公式を導き出せるように」話したいと思っている。

そのうえで笑いもとりたいんだけど(笑)。
これは遠い遠い目標だなぁ。数年後に出来ていたらラッキーだなぁ。人前で笑いをとるって難しい。お笑い芸人たちはたいしたものである。

佐藤尚之(さとなお)

佐藤尚之

佐藤尚之(さとなお)

コミュニケーション・ディレクター

(株)ツナグ代表。(株)4th代表。
復興庁復興推進参与。一般社団法人「助けあいジャパン」代表理事。
大阪芸術大学客員教授。やってみなはれ佐治敬三賞審査員。
花火師。

1961年東京生まれ。1985年(株)電通入社。コピーライター、CMプランナー、ウェブ・ディレクターを経て、コミュニケーション・デザイナーとしてキャンペーン全体を構築する仕事に従事。2011年に独立し(株)ツナグ設立。

現在は広告コミュニケーションの仕事の他に、「さとなおオープンラボ」や「さとなおリレー塾」「4th(コミュニティ)」などを主宰。講演は年100本ペース。
「スラムダンク一億冊感謝キャンペーン」でのJIAAグランプリなど受賞多数。

本名での著書に「明日の広告」(アスキー新書)、「明日のコミュニケーション」(アスキー新書)、「明日のプランニング」(講談社現代新書)。最新刊は「ファンベース」(ちくま新書)。

“さとなお”の名前で「うまひゃひゃさぬきうどん」(コスモの本、光文社文庫)、「胃袋で感じた沖縄」(コスモの本)、「沖縄やぎ地獄」(角川文庫)、「さとなおの自腹で満足」(コスモの本)、「人生ピロピロ」(角川文庫)、「沖縄上手な旅ごはん」(文藝春秋)、「極楽おいしい二泊三日」(文藝春秋)、「ジバラン」(日経BP社)などの著書がある。

東京出身。東京大森在住。横浜(保土ケ谷)、苦楽園・夙川・芦屋などにも住む。
仕事・講演・執筆などのお問い合わせは、satonao310@gmail.com まで。

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