ウメケンくん(@umeken)

2010年2月19日(金) 9:05:24

昨日は福岡で楽天トラベル新春カンファレンスの基調講演。
全国7ヶ所まわったこの基調講演行脚も昨日でオシマイ。札幌・仙台・広島・名古屋・大阪・東京・福岡と順にまわり、のべ3050人の聴衆に1時間、話を聴いていただいた。激忙しい時期だったので大変だったけど、振り返ってみればいろいろ勉強になったし、なにより場馴れしたのが大きい。基調講演なんて初めてだったからなぁ。ボクが基調講演した直後に三木谷浩史会長が講演するのもプレッシャーだった。でもそれもいい経験。お世話になった方々、ありがとうございました。

基調講演が終わった後そのまま九州支社(グループ会社)へ行き、約2時間の会議に出席。
ひょんなことから九州のクライアントへの提案をお手伝いすることになり、これで2回目の会議である。難しい案件。なんかいろんな糸がこんがらがってほどきにくい。ほどいて整理するのに2時間かかった。

帰りのチケットは福岡発羽田行きのJAL最終便(20:40発)。
変更不可の安いチケット(半額くらいなのね)だったので、時間を早められず、会議後に時間が余り、後輩を誘って軽くご飯を食べに行くことに。

ボクのツイッター上のタイムラインでは「鮨おさむ」のおいなりさんを食べろというリクエストが多かったのだが、その店がある長住まで行って帰ってくるとヒコーキ搭乗が危険だと後輩に反対され、あきらめて天神の「喜美幸」という渋〜い居酒屋へ。後輩が何度か行ったことある店だそうで、なかなかおいしい。糸島豚バラの蒸したのなんか絶品だった。

で、「あぁそろそろ空港に向かわないといけない時間かな」と思っていたら携帯に宮崎県の知り合いから電話が入った。

「ウメケンくんがアナタに会いたがってるから会ってあげて!」
「ウメケン?」
「ほら、ツイッターで孫正義さんが3番目にフォローした高校生!」
「あー、あの! …でもなんで?」
「いいからとにかく!」

ソフトバンクの孫さんは、数ヶ月前にツイッターを始めていて、ツイッター上で一般人から提案された施策とかを即決したり、全社員にツイッターすることを勧めたり、いろいろ話題になっているのだが(こちらで読めます)、彼がフォローしている人は非常に少ない。13万4000人にフォローされていて、自分からフォローしている人はたった34人なのである(今日現在)。

で、その34人の中のひとりが、福岡の高校一年生であるウメケンくん。
別に知り合いでも親戚でもないらしいんだけど、たしか、孫さんがツイッターを始めたときにすごくタイミング良くウメケンくんがコメントし、偶然フォローされた感じだったと思う。で、ツイッター上で「この、孫さんにフォローされたウメケンというのは誰だ!?」とすごく話題になったわけ。当時ボクもすかさず彼をフォローしたし(笑)

そのウメケンくんがなぜかボクに会いたがっているという。
ウメケンくんからも直接電話が入り、ボクがいる居酒屋に来ることになった。

居酒屋の前で待っていたら、制服姿の細身の高校生が(笑)。
「おー、はじめましてー」「はじめまして、すいません」「いやいや」とか言いながら居酒屋に入って一気に話し込んだ(彼はもちろんお茶で)。最終便に乗るので15分くらいしか話せなかったんだけど、挨拶もそこそこにお互いに早口で一気に本題に(とてもツイッター的)

とにかく情熱的で頭の回転が速く、次々といろんな球を繰り出してくる、というのがウメケンくんの初印象。
というか、宮崎の人から「ボクがたまたま福岡にいて今日の最終便で東京に帰る前に天神で飲んでいる」と聞いて(最終便で帰ることや天神で飲んでいることはツイッターに書きこんでいた)、すかさず iPhone で最終便の時間を検索し、あと数十分は時間があると見込んで仲介を頼み、即座に天神に移動しつつ直接ボクに連絡をし、その10分後にはすでに居酒屋の近くに来ている、という行動力。すごいな、この高校一年生。

「東国原知事がツイッターを始めたんですね。それで、もっともっとツイッターを活用してほしくて、なんとかツイッターの『つながる魅力』を伝えたくて、宮崎県のいろんな人に助けを借りて直接訴えようとしているのですが、鳩山首相にツイッターを勧めて、鳩カフェにも関わっているという人がたまたま福岡に来ていると人づてに聞いて、どうしても会っていろいろお聞きしたくて来ちゃいました」
「孫さんがツイッターを始めた瞬間にたまたま見ていて、『あ、いまならツイッターを書き込むためにモニター前にいる』と思って、すぐコメントを出したんです。そしたらフォローしてくれました」
「まだ高校生なのでわからないことがたくさんありますが、なるべく早く起業して、この世の中をよくするために働きたいんです」

礼儀正しくて感じがいいのだが、とにかくこの人のまわりだけ流れている時間の早さが違う感じ。
ボクもわりと早いほうだと思うが、軽く凌がれた(笑)。というか、ボクの横にいる二人の後輩(アラサー)は呆然自失している。この高校生のスピード感と行動力と明確なビジョンとつながる力がショックだったみたい。

というか、ネットって距離も年齢も越えるので(そしてボクはネットの世界にどっぷり15年以上いるので)、ボクは相手が32歳年下でもまったく違和感なかったけど、後輩たちにしてみるとこのふたりが対等な感じで異様な勢いで話している情景がとても新鮮だったみたいである(笑)。年齢差をほとんど意識しなくなる、というのはネットにどっぷり浸かって得られる貴重な効用だ。ある種の自由を手に入れられるから是非体感してみてください →後輩たち

ウメケンくんが社会起業を考えているようだったので、駒崎弘樹著「『社会を変える』を仕事にする」を読むことを勧めたんだけど、本の題名があやふやだったので言い淀んでいたら、キーワードを2つ3つちゃちゃちゃとメモして「あとは検索するから大丈夫です」と言う。この「検索が完全に肌身についてる感じ」に、なんだかデジタルネイティブを感じたなぁ。この間10秒ほどのスピード感だ。

うーん、時代は変わる。確実に変わる。
頼もしいし、とってもワクワクする。ボクたちの世代が出来ることは、この世代が自由自在に動けるよう、この閉塞感ある社会に少しでも風穴を開けておき、きちんとサポートすることだ。今日からまたがんばろう。

佐藤尚之(さとなお)

佐藤尚之

佐藤尚之(さとなお)

コミュニケーション・ディレクター
(株)ツナグ代表。(株)4th代表。独立行政法人「国際交流基金」理事。復興庁政策参与。公益社団法人「助けあいジャパン」代表理事。
大阪芸術大学客員教授。東京大学大学院非常勤講師。上智大学非常勤講師。
朝日広告賞審査員。やってみなはれ佐治敬三賞審査員。
1961年東京生まれ。1985年(株)電通入社。コピーライター、CMプランナー、ウェブ・ディレクターを経て、コミュニケーション・デザイナーとしてキャンペーン全体を構築する仕事に従事。2011年に独立し(株)ツナグ設立。
現在は広告コミュニケーションの仕事の他に、「さとなおオープンラボ」や「さとなおリレー塾」「4th(コミュニティ)」などを主宰。講演は年100本ペース。
「スラムダンク一億冊感謝キャンペーン」でのJIAAグランプリなど受賞多数。
本名での著書に「明日の広告」「明日のコミュニケーション」(ともにアスキー新書)。「明日のプランニング」(講談社現代新書)
“さとなお”の名前で「うまひゃひゃさぬきうどん」(光文社文庫)、「沖縄やぎ地獄」(角川文庫)、「沖縄上手な旅ごはん」「極楽おいしい二泊三日」(文藝春秋)、「ジバラン」(日経BP社)などの著書がある。
花火師免許所持。
東京出身。東京在住。横浜(保土ケ谷)、苦楽園夙川芦屋などにも住む。
仕事・講演・執筆などのお問い合わせは、satonao[a]satonao.com まで(←スパムメール防止のため、@を[a]にしてあります)。

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