子孫に閉塞感のない社会を残すという貢献

2008年6月 6日(金) 8:48:50

数日前になるが、「今のままでは著作権法に未来はない」という中山信弘氏(知的財産権研究会会長)の素晴らしいスピーチを池田信夫氏がメモから書き起こしてくれているので、リンク&共有します。

著作権法についてボクの考えをくわしく書くことはしないが、アナログ時代に最適化された法律をそのままデジタル時代に当てはめるのは無理というか怠慢、とは思っている。デジタル&ネットの出現は、産業革命に匹敵する変革だ。産業革命以前のやり方や価値観を改めないといけないのは自明である。

ま、それはともかく、このスピーチを読んでボクは「子孫に閉塞感のない社会を残すという貢献」について考えさせられた。子孫によりよい社会を残す、という言葉はとかく環境問題みたいな文脈で語られることが多いけど、古くなった体制を変え、閉塞感を取り除き、チャレンジしやすい社会にしてあげることもそのひとつである。そのために力をふるえるのなら、「地位を得る」というのもある種の「貢献」なのだな、と気づかせてくれた感じ。

組織の中での出世とか地位とか、ボクはどこかで鼻で笑っていた。
興味もないしひたすら面倒臭い。そんなことに自分の限られた人生を使いたくない。何かやりたいことがあったら自分個人のリスクで、と思っていたし、そういう準備も続けてきた。実際、上の方は、変化しつづける社会に対応しようともしない「老害」としか言いようがない人たちが古い価値観と既得権益を守っている魑魅魍魎の世界でもあるので(うちの会社が、ではなく、一般的に)、なるべく関わらずに遠くから見ていたいと思ってきた。

でも、そういう場所に足を踏み入れることでしか出来ない「子孫への貢献」もあるのだな。
会長という地位を得て発言力を増し、こうして改革の先頭に立つ人もいる。そのためには「組織の中での長く厳しいステップアップ」や「業界の重鎮になるための様々な面倒」が必要だ。でも、その分、上に立てれば(上に立つ過程で志を失わなければ)、評論家や批評家には出来ない「実際的な改革や貢献」が出来る。その辺の考えがボクには欠落していた。

出世して地位を得たいと書いているわけではまるでない(念のため)。そういう地位を得ることで「子孫に閉塞感のない社会を残すという貢献」ができるのなら、捨てたものでもないかも、と思っただけである。偉い人にはガッカリさせられることが多い昨今だが、こうしてちゃんと次代のことを考えて動いている人もいる。捨てたものではない。

佐藤尚之(さとなお)

佐藤尚之

佐藤尚之(さとなお)

コミュニケーション・ディレクター

(株)ツナグ代表。(株)4th代表。
復興庁復興推進参与。一般社団法人「助けあいジャパン」代表理事。
大阪芸術大学客員教授。やってみなはれ佐治敬三賞審査員。
花火師。

1961年東京生まれ。1985年(株)電通入社。コピーライター、CMプランナー、ウェブ・ディレクターを経て、コミュニケーション・デザイナーとしてキャンペーン全体を構築する仕事に従事。2011年に独立し(株)ツナグ設立。

現在は広告コミュニケーションの仕事の他に、「さとなおオープンラボ」や「さとなおリレー塾」「4th(コミュニティ)」などを主宰。講演は年100本ペース。
「スラムダンク一億冊感謝キャンペーン」でのJIAAグランプリなど受賞多数。

本名での著書に「明日の広告」(アスキー新書)、「明日のコミュニケーション」(アスキー新書)、「明日のプランニング」(講談社現代新書)。最新刊は「ファンベース」(ちくま新書)。

“さとなお”の名前で「うまひゃひゃさぬきうどん」(コスモの本、光文社文庫)、「胃袋で感じた沖縄」(コスモの本)、「沖縄やぎ地獄」(角川文庫)、「さとなおの自腹で満足」(コスモの本)、「人生ピロピロ」(角川文庫)、「沖縄上手な旅ごはん」(文藝春秋)、「極楽おいしい二泊三日」(文藝春秋)、「ジバラン」(日経BP社)などの著書がある。

東京出身。東京大森在住。横浜(保土ケ谷)、苦楽園・夙川・芦屋などにも住む。
仕事・講演・執筆などのお問い合わせは、satonao310@gmail.com まで。

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