中国人の教授たちに講義
2008年2月 7日(木) 7:05:47
ある機会があって、中国人の大学教授・講師たちに広告の講義をした。
みんな広告の専門家。中国各地から日本に研修に来ている6人の先生たち。25歳から46歳まで。黒竜江省とか江西省とか、遠くは新疆ウイグル自治区の大学から来ている。遠いなぁ。チベットの隣じゃん。イヤイヤはるばるようこそ!という感じ。
講師として部屋に入ると、それまでくつろいでいた聴衆の雰囲気がたいてい一瞬凍るものである。ボクが丸坊主で髭ででかい、というのも理由かもしれない。こっちも緊張してるしね。でも中国人たちは違った。底抜けに明るい。入った瞬間みんなが笑顔になって「こんにちわー!」という声が溢れる。うわ〜。こっちも明るい気持ちになって「ニーハオー!」と心を開く。
講義やプレゼンの始まりって、アイス・ブレイク、つまり会場の空気の固さを砕くようなジョークとか下世話トークで始める必要があることが多いのだけど、この人たちにはまったく必要ない。あぁこりゃいい時間になりそうだ、と、ほぼ確信。そしてその通り、話している間中、なんだか楽しかった。
講義を始めるとさすがに先生たちだけあって非常に熱心にノートを取る。んでもって少しでもわからないことがあると話の途中でも遠慮なく質問してくる。こっちはこっちで「あぁそこが理解しにくいのか」と軌道修正しながら話を前に進める。こういう風に途中で遠慮のない質問を受けることなんて日本では皆無なのであまり経験なかったが、これはこれで話しやすいな。
自分が聴衆の立場だったら、話の途中で質問をするなんて失礼だし、他の聴衆にも悪いとか思ってしまう。後で質疑応答の時間があるだろうし、最悪、講義が終わってから講師を廊下で捕まえて質問してもいい。でも講師の立場からすると、話の途中での素直な質問って意外と話の推進力になる。ふと「あぁそこがわからないなら、これも話しておこう」なんて違う話もしたりして、結果的にとてもいい説明が出来たりする。そんな感じで、昨日はわりといい講義ができた気がする。
楽しかったな。もう一生会わないであろう人々と笑顔で心を通わせるひととき。ボクが話したことが彼らをメディアにして黒竜江省とか新疆ウイグル自治区に渡る。ボクという人間のカケラが彼らを介して世界のどこかに散らばっていく。きっと荒川修作が言っている「人間は死なない」ってこういうことに近いんだろうなぁとか思いながら、彼らに「さよなら」を言った。もう一生会わないと思うけど、一生分会ったよね。
