ペトリュスのコーラ割り

2006年11月 3日(金) 15:04:14

昨日の話を書いていて思い出したあるエピソード(実話です)。

ある友人が仕事で上海に行き、中国人のド金持ちと親しくなったんだって。
で、ぜひウチに遊びに来い、と言われ、そのまま彼の家にお邪魔することとなったらしい。上海の富豪は桁が違う。ものすごい豪邸の応接間に座って待っていると、彼は「一緒にワインを飲みましょう」と言ってボトルとグラスとコーラを持って来た。ボトルを見るとペトリュスじゃん(世界トップクラスに高い赤ワイン)。友人はワインにくわしいので、さっとヴィンテージを見て「お、いい年じゃん、ラッキー♪」と喜んだら、ペトリュスを注いだグラスを前に中国人はこう言ったという。

「この赤ワイン、いっぱい買ったんだけど失敗したネ。渋すぎるヨ。おいしくない。でも大丈夫ネ。こうやって飲むとうまいんダ」

その中国人はコーラの栓をシュポンッと抜き、「よせ〜!」と心の中で叫ぶ友人を前に、ペトリュスを入れたグラスにとぷとぷシュワ〜ッとコーラを注ぎ、くるりと混ぜて彼の前に置いたという。

友人は言ったものである。
「いや〜、久々に参ったよ。最低の夜だった。痛んだペトなのかとも思ったけど、頼んでペトだけ飲ませてもらったらちゃんとうまいの。つーかさ、あれで渋いんだったらまずボージョレーヌーボーあたりから飲み始めて、ある程度味がわかってから高級ワインを買って欲しいよな。ワインは有限なんだから…。でもさー、日本人も20年前とかは金にモノ言わせて高級ワインをいっぱい買って無駄飲みしてたのかもなーと思ったらさー…」


いま、上海や香港で高級ワインが買いあさられていて、その余波を受けて日本でもワイン価格が異様に高騰して顰蹙をかっているのだけど、20年前とかに価値も分からず日本が高級ワインを買いあさっていたころ、こうやってヨーロッパあたりから笑われ、顰蹙をかっていたのかもしれないなー、これもいつか通った道だなぁ、とか思ったです。

佐藤尚之(さとなお)

佐藤尚之

佐藤尚之(さとなお)

コミュニケーション・ディレクター

(株)ツナグ代表。(株)4th代表。
復興庁復興推進参与。一般社団法人「助けあいジャパン」代表理事。
大阪芸術大学客員教授。やってみなはれ佐治敬三賞審査員。
花火師。

1961年東京生まれ。1985年(株)電通入社。コピーライター、CMプランナー、ウェブ・ディレクターを経て、コミュニケーション・デザイナーとしてキャンペーン全体を構築する仕事に従事。2011年に独立し(株)ツナグ設立。

現在は広告コミュニケーションの仕事の他に、「さとなおオープンラボ」や「さとなおリレー塾」「4th(コミュニティ)」などを主宰。講演は年100本ペース。
「スラムダンク一億冊感謝キャンペーン」でのJIAAグランプリなど受賞多数。

本名での著書に「明日の広告」(アスキー新書)、「明日のコミュニケーション」(アスキー新書)、「明日のプランニング」(講談社現代新書)。最新刊は「ファンベース」(ちくま新書)。

“さとなお”の名前で「うまひゃひゃさぬきうどん」(コスモの本、光文社文庫)、「胃袋で感じた沖縄」(コスモの本)、「沖縄やぎ地獄」(角川文庫)、「さとなおの自腹で満足」(コスモの本)、「人生ピロピロ」(角川文庫)、「沖縄上手な旅ごはん」(文藝春秋)、「極楽おいしい二泊三日」(文藝春秋)、「ジバラン」(日経BP社)などの著書がある。

東京出身。東京大森在住。横浜(保土ケ谷)、苦楽園・夙川・芦屋などにも住む。
仕事・講演・執筆などのお問い合わせは、satonao310@gmail.com まで。

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