伝えたい人。伝える方法。

2004年7月 9日(金) 7:35:21


昨日飲みに行った相手に「井の中の蛙 大海を知らず」って続きがあるって知ってた? と聞かれた。知らない。「あるらしいよ。『されど空の青きを知る』って」 ほ〜。井の中の蛙 大海を知らず されど空の青きを知る、か。グリムだかイソップだかのカタツムリの話みたいやねえ。でもそうだな。シアワセって自分の足元にあるんだよね。大海を知れば知るほど見失いがちになる。何のために大海を知ろうと志したのか、それすらも忘れてしまう我々…。

その後、人生の深い話に進展し、飲んで思考が溶けてしまうのがもったいなくなり、酷暑の中、住宅街を散歩しつつ議論。その人はほぼ同い歳の元有名コピーライター。仕事に疑問を持ち、人に何かを伝えるって何なのかわからなくなり、日本でも数本の指に入ってたコピーの仕事を辞めて、ビルの清掃員をしながら日本語教師養成学校に通っている。でもね、ボクは「伝える言葉を考えること」と同じくらい「伝える方法を考えること」が大事だと思うんだ。伝わる言葉を紡ぎさえすれば想いが人にきちんと伝わる、というのは違うと思う。純文学の作家とかにそういう人が多いけど、それって本当に「伝えたい」と思っているのかな…。

ところで「井の中の蛙」の続きの句。帰ってネットで調べたら、どうやらそれは後世のヒトが付け加えた言葉らしい。これはこれで伝える「方法」だ。ボクはオッケーだと思う。そういえば「華氏911」のマイケル・ムーアが「ボクは物事を変えるために映画や本、テレビ番組を制作している。作品がより多くの人の目に触れるのであれば、海賊版やファイル交換、コピーなどされてもかまわない」みたいなことを言ったらしい。深く頷く。「伝えたい」人とはそういう人のことを言うんだと思う。

佐藤尚之(さとなお)

佐藤尚之

佐藤尚之(さとなお)

コミュニケーション・ディレクター

(株)ツナグ代表。(株)4th代表。
復興庁復興推進参与。一般社団法人「助けあいジャパン」代表理事。
大阪芸術大学客員教授。やってみなはれ佐治敬三賞審査員。
花火師。

1961年東京生まれ。1985年(株)電通入社。コピーライター、CMプランナー、ウェブ・ディレクターを経て、コミュニケーション・デザイナーとしてキャンペーン全体を構築する仕事に従事。2011年に独立し(株)ツナグ設立。

現在は広告コミュニケーションの仕事の他に、「さとなおオープンラボ」や「さとなおリレー塾」「4th(コミュニティ)」などを主宰。講演は年100本ペース。
「スラムダンク一億冊感謝キャンペーン」でのJIAAグランプリなど受賞多数。

本名での著書に「明日の広告」(アスキー新書)、「明日のコミュニケーション」(アスキー新書)、「明日のプランニング」(講談社現代新書)。最新刊は「ファンベース」(ちくま新書)。

“さとなお”の名前で「うまひゃひゃさぬきうどん」(コスモの本、光文社文庫)、「胃袋で感じた沖縄」(コスモの本)、「沖縄やぎ地獄」(角川文庫)、「さとなおの自腹で満足」(コスモの本)、「人生ピロピロ」(角川文庫)、「沖縄上手な旅ごはん」(文藝春秋)、「極楽おいしい二泊三日」(文藝春秋)、「ジバラン」(日経BP社)などの著書がある。

東京出身。東京大森在住。横浜(保土ケ谷)、苦楽園・夙川・芦屋などにも住む。
仕事・講演・執筆などのお問い合わせは、satonao310@gmail.com まで。

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