ある夢想

2009年12月 7日(月) 8:16:44

ツイッターにも数日前に書いたけど、知人の友人の娘さん(池田悠里さん6歳)が、先天性の心臓疾患(拡張型心筋症)を患っていて、心臓移植をしないと助からない状況になっています。

心臓移植は他の臓器移植とちょっと違って、心臓の大きさがマッチすることが必要だそうです。
つまり大人の大きな心臓を小さな子供に移植することができないということ(肝臓の場合は分割して大きさを合わせることが出来るらしい)。

日本では15歳未満の子供からの臓器提供が法的にまだ禁止されています(臓器移植は受けられるが、臓器提供はできない)。つまり15歳未満の小さな心臓がない状態。そのため6歳の悠里さんが日本で心臓移植できる可能性はまったくないのだそうです。

※今年7月に、国内での15歳未満の子供からの臓器提供に道を開く「改正臓器移植法(A案)」が可決成立したが、施行は公布の1年後である。悠里さんが来年の移植待機リストにできるだけ早く載るためには、年内にアメリカに渡航する必要があり、一時心肺停止にまで陥った悠里さんとしては一刻も早く行動しなければならない。つまり施行を待ってはいられない。
で、アメリカのコロンビア大学病院に打診した結果、受け入れの内諾はもらえたものの、アメリカでの心臓移植には1億円を超える費用がかかるらしいのです。健康保険などの公的なサポートが一切受けられないため、とても個人でまかなえる金額ではないのが現状。

ということをふまえて、募金活動が起こっています。
もし興味がある方がいらっしゃったら「ゆうりちゃんを救う会」のサイトへアクセスしてみてください。(※ボクはこの団体にまったく関わってませんので、募金後のお金の使われ方などに責任は持てません。募金される方はご自分の考えでお願いします)

ネットを長くやっているので、こういう活動を嫌う方がいるのもよく知っているし、偽善という声がネット上ですぐ上がることも経験済みです。募金詐欺の存在も知っているし、こういう活動をサイトに紹介しただけでバッシングされた人も知っています。

でも、昨今のソーシャルメディアの普及によって、少し状況が変わってきたのではないかという「希望」も持っています。

ソーシャルメディアによっていろんな人が横につながったことで、10年前には不可能だったことが可能になってきたのではないかということです。
実際、計算上は、ひとり100円の募金を100万人がすれば1億円が集まるわけで、ソーシャルメディアのつながりが密になるに従って、いままでは個人個人がバラバラに知り、バラバラに協力してきたことが、ある「つながり」を得て大きく達成することも可能になってきたのではないかという「希望」です。少額のチリツモが何かを達成できる可能性が増えてきたのではないかということです(オバマの選挙戦もそうだったように)。

まだ手軽にワンタッチで募金できるシステムが一般に整っていないので、ソーシャルメディアの「つながり」のチカラを活かしきれはしないと思うけど、草の根の「善意」がお互いを助け合う環境が少しずつ整ってきたのではないかと夢想しています。

善意がボトムアップで循環していく社会。
まぁその裏側には「衆愚」という怖さもあるのだけど、でも、ちょっとは夢見たいと思っています。

佐藤尚之(さとなお)

佐藤尚之

佐藤尚之(さとなお)

コミュニケーション・ディレクター

(株)ツナグ代表。(株)4th代表。
復興庁復興推進参与。一般社団法人「助けあいジャパン」代表理事。
大阪芸術大学客員教授。やってみなはれ佐治敬三賞審査員。
花火師。

1961年東京生まれ。1985年(株)電通入社。コピーライター、CMプランナー、ウェブ・ディレクターを経て、コミュニケーション・デザイナーとしてキャンペーン全体を構築する仕事に従事。2011年に独立し(株)ツナグ設立。

現在は広告コミュニケーションの仕事の他に、「さとなおオープンラボ」や「さとなおリレー塾」「4th(コミュニティ)」などを主宰。講演は年100本ペース。
「スラムダンク一億冊感謝キャンペーン」でのJIAAグランプリなど受賞多数。

本名での著書に「明日の広告」(アスキー新書)、「明日のコミュニケーション」(アスキー新書)、「明日のプランニング」(講談社現代新書)。最新刊は「ファンベース」(ちくま新書)。

“さとなお”の名前で「うまひゃひゃさぬきうどん」(コスモの本、光文社文庫)、「胃袋で感じた沖縄」(コスモの本)、「沖縄やぎ地獄」(角川文庫)、「さとなおの自腹で満足」(コスモの本)、「人生ピロピロ」(角川文庫)、「沖縄上手な旅ごはん」(文藝春秋)、「極楽おいしい二泊三日」(文藝春秋)、「ジバラン」(日経BP社)などの著書がある。

東京出身。東京大森在住。横浜(保土ケ谷)、苦楽園・夙川・芦屋などにも住む。
仕事・講演・執筆などのお問い合わせは、satonao310@gmail.com まで。

アーカイブ

同カテゴリーの他記事