長年、疑問に思っていたことがある。 コンビニの「おにぎり」についてである。 なぜ。 なぜ「のり」が「あとまき」なのか。 後巻きと呼んでいいのかな。 ほら、ビニールフィルムをはがしていくうちに 本体のゴハン部分とノリ部分が合体するアレである。 ノリはフィルムで守られていて乾燥したまま。 フィルムをはがすことによってしっとりしたゴハンをパリッとしたノリが自動的に包むように工夫されている。 構造としてはすごくよく出来ている。 よって、その工夫についてはなにも言わない。手放し賞賛したいくらいだ。 でも、でもでも、 あれって僕の考える「おにぎり」からは程遠いのだ。 なぜってノリが後巻き(ここではそう呼ぼう)のせいで、パリパリなんだもん。 ゴハンとの一体感もないし、唇にはくっつくし。 まぁノリ自体の味としてはこちらの方がいいのかもしれない。パリッという聴覚的快感や歯的快感もあるし。 でも、あれって「おにぎり」ではないと思う。 そう思いませんか? 僕たちが食べてきた「おにぎり」は、ノリが最初から巻かれているのだ。 母親(もしくは他の誰か)が朝、ノリをゴハンの上に巻いた上から、湿った手でギュッと力を込めて握ってくれた物なのである。 そうして握ってくれた物を、昼頃、遠足に行った先とかで食べるわけである。 お昼頃にはノリの味がゴハンの表面に染み込んで実に美味しくなっておる! ゴハンからでる蒸気を吸って、ノリはみずみずしく光っておる! ゴハンのノリと接触している部分はうっすら黒くなっておる! ノリは手や歯にべたっとついたりするくらいしっとりとゴハンに寄り添っておる! これこそ「おにぎり」なのだ!! ノリがパリッとしている必要はないのだ。 いやそれどころか、ノリがパリッとしていると美味しくない、とさえ言い切ってしまおう! …思わず興奮してしまったが、 「おにぎり」は寿司屋の「手巻き」などとは別物なのだ。 手巻きはノリがパリッとしている方がおいしい。でも、おにぎりの場合、ノリがパリッとしているとゴハンとのハーモニーが崩れてしまうのだ。 ほら、ノリ弁のノリが乾いていたらあのおいしさが半減してしまうではないですか。 ノリはべたっと湿ってゴハンにくっついていてこそノリ弁。 僕はそれをおにぎりにも求めているのです。 僕だけかなぁ、そう思うの。 コンビニで初めてあのノリパリおにぎりを食べたときは、まぁこんなものかと思った。 ビニールフィルムによる画期的工夫(発明と言ってもいい)が楽しかったし。 当時のコンビニはまだ「味」なんて売り物にしていなかったから、納得できた。 でも、いつの頃からかノリパリの違和感は少しずつ大きくなってきて、5年前くらいからまったく食べなくなってしまっていたのである。 まぁ結婚して「コンビニ的生活」から離れてしまったこともあるのだが。 昨日、久しぶりにコンビニに入った。 ちょっと小腹が空いていたので、ひっさしぶりに食品コーナーを覗いたのである。 おお? いつものビニールフィルム正三角形型ノリパリおにぎりに混じって、なんだか見慣れぬ丸形のおにぎりが置いてある。 ん? 「直巻きおにぎり」? こ、こ、これは! ゴハンの上にノリがじかに巻いてあって、その上をビニールフィルムで包んである。 中のノリはしっとり湿っているように見える。 これ! これこそ! これこそ待ち望んでいたものだったのである! レジに急いだ。 買った。 出た。 食べた。 うんまい! これだよ。 これが「おにぎり」だよ。 ノリの味がほどよくゴハンに染み込んでいる。 う〜ん、うれしい。 コンビニの食品コーナーに行ったのはすごく久しぶりなので、ひょっとしたらかなり前から売っていたものなのかもしれない。 でも僕は初めてこの「直巻きおにぎり」の存在を知ったのである。 僕が買ったのはファーストフーズの「直巻きごま昆布」というおにぎり。 うまいよ〜、これ。 うん。コンビニおにぎりを見直した。 開発者はよくここに気がついてくれたのである。エライ! こうして我が長き冷戦の日々は、昨日で終わりを告げたのであった。 と、 これを横から読んだ奥さんのゆうこが一言。 「私は後巻き派よ。昔から後巻きだったわ。 なんか直巻きのって不潔な感じがするのよ」 そうか……。 これで佐藤家は一緒にハイキングなど行けないことがハッキリしたのである。 うん。ここはゆずれないのだ。 おにぎりとは和解したが、ゆうことは決裂である。 PS この「おにぎり和解」にはいろいろメールをいただきました。 まぁ大半が「え〜!そんなことも知らなかったの?ずいぶん前からですよぉ」というメール。 ……いいのよ。世の中知らないことが多い方が面白いのです。 ところで、 そのなかでちょっと違った視点のメールがあったのでご紹介します。 熊本の阿部さんからのメールです。 |
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